サルビアは夏から秋にかけて花壇や公園を彩るポピュラーな花の1つです。特に緋色のものは誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?また、英名の「セージ」という名でご存知の方もいるかもしれません。今回は、サルビアの花言葉や幻覚の効果、種類、品種、見頃の季節などについてご紹介します。
サルビアの花言葉は?
『尊敬』『知恵』『良い家庭』『家族愛』
■ 色別、西洋での花言葉
赤色:燃ゆる思い、エネルギー
紫色:尊敬、賢さ
青色:永遠にあなたのもの、知恵
esteem:尊敬、尊重
wisdom:知恵、賢さ
domestic virtue:家庭の徳
サルビア(salvia)は、英語では「セージ」と呼ばれ、抗酸化作用や消化促進、解熱などの効果があることから、古代ローマ時代から薬草として用いられてきました。
ラテン語で健康・良い状態を意味する「salvus」がサルビアの語源とされており、家族を連想されることから、「良い家族」「家族愛」という花言葉が付いたとされています。
また、ラテン語の「salvus」がフランスで「sauge」、イギリスで「sage(セージ)」へと呼び名が変化していきました。
「sage(セージ)」は賢人を意味する言葉であることから、「尊敬」「知恵」といった花言葉が付いたとされています。他にも、赤色のサルビアの花言葉である「燃ゆる思い」は、その真っ赤な色が情熱的な印象を与えることに由来しています。
サルビアとは?花の色や別名は?
- 学名
- Salvia
- 科・属名
- シソ科・サルビア属(アキギリ属)
- 英名
- sage
- 原産地
- 熱帯、亜熱帯
- 開花期
- 6~11月
- 花の色
- 赤、白、青、ピンクなど
- 別名
- サルビア
ヒゴロモソウ(緋衣草)
サルビアとは、シソ科・サルビア属(アキギリ属)に分類される植物です。基本は多年草扱いですが、寒さに弱い品種は日本の冬を越せないため一年草として扱われる品種もあります。
昔は肉の臭み消しや料理の味付けに利用されてきたこともあり、サルビアの使い道は観賞用と薬用の2つです。
肉ではソーセージに使われたていたことから食用の種をセージ、観賞用の種をサルビアと呼び分ける習慣がつきました。
サルビアはどんな花を咲かせる?
サルビアは6月頃になると、赤や青色の長い穂のような花を茎の下から順に咲かせます。草丈は大きくて1mほどです。
日本でサルビアといえば「サルビア・スプレンデンス」を指します。スプレンデンスの花は真っ赤な衣をまとっているように見えることにちなんで「緋衣草(ヒゴロモソウ)」という和名で呼ばれます。
サルビアの開花時期や見頃の季節は?
サルビアは6~11月になると次々と花を咲かせ続けます。ただし、中には開花期が長い品種から短い品種まで色々です。
例えば、ハーブとして利用できるセージ類のサルビアは、春先から冬季までとより長い期間花を楽しめます。
また、「レウカンサ」は夏の終わりから秋まで、「エレガンス」は秋から冬の初めで鮮やかな花を咲かせてくれます。
多種多様のサルビアを育てることで、季節を問わずサルビアの色や香りを長く楽しむことができますよ。
サルビアの花の種類は?
サルビアは地中海地方から中央アジアにかけて広い地域に分布し、約5,600種以上の品種があるとされています。
赤の花色のイメージが強いサルビアですが、他にも紫や青、白、サーモンピンクなどがあります。地中海沿岸には白と赤のツートンカラーになる珍しい種類もあるんですよ。
種類ごとに花言葉を持っている場合が多いので、今回は代表的なサルビアについて花言葉と合わせてご紹介します。
ブルーサルビア(サルビア・ファリナセア)
花言葉は「永遠にあなたのもの」「尊重」「知恵」。北アメリカ原産の種類で、小さな青紫色の花をたくさん付ける姿からブルーサルビアの名前で親しまれています。
花色の青が深く細かく枝分かれする「ビクトリア」や、白色の花を咲かせる「ビクトリア・ホワイト」などが、ブルーサルビアの園芸品種として人気です。
ベニバナサルビア(サルビア・コッキネア)
花言葉は「尊敬」「知恵」「エネルギー」「家族愛」「燃える思い」。南アメリカ原産の種類で、別名「テキサスセージ」と呼ばれる場合もあります。
ややまばらな花付きですが、鮮やかな赤色の花を咲かせます。園芸品種には、紫色の花を付けるものや赤と白のツートンカラーになるものなど珍しいものがあります。
サルビア・エレガンス(パイナップルセージ)
花言葉は「家庭的」「愛を求めて」「家族愛」「家庭の徳」。メキシコなど中南米に分布している種類で、葉と葉を摩るとパイナップルのような香りがします。
花名にエレガンスが使われているように、目の覚めるような鮮やかな赤色の花を穂状に咲かせる姿は優雅な印象を与えてくれます。ポプリやお茶などハーブとしても楽しまれています。
サルビア・レウカンサ(メキシカンブッシュセージ)
花言葉は「家族愛」です。メキシコから中央アメリカに分布しています。
ベルベットのような細かい産毛の生えた紫色のガクが目立つことから、「アメジストセージ」「ベルベットセージ」といった別名をもちます。
葉は先端がやや尖った楕円形で、灰色がかった緑色をしているのが特徴です。
サルビア・ミクロフィラ(チェリーセージ)
花言葉は「燃える思い」「知恵」「尊重」。アメリカ南部~メキシコに自生している低木のサルビアです。
鮮やかな緋色の花を咲かせ、近縁種のサルビア・グレッギー(S. greggii)と合わせて「チェリーセージ」と呼ばれることがあります。
葉と葉を摩ると完熟フルーツのような甘い香りがし、ハーブティーやポプリとして楽しむのがおすすめです。
中でも緋色を白の複色の花を付ける「ホット・リップス」や、オレンジ色の花を付ける「デザート・パステル」という品種が日本では広く普及しています。
サルビア・ガラニチカ(メドーセージ)
花言葉は「燃える思い」「知恵」「尊重」です。南米に広く分布している種類で、名前は原産地のひとつであるパラグアイの先住民族「グアラニ族」に由来しているといわれています。
青に近い濃いすみれ色の花を咲かせ、甘い蜜があるのが特徴です。また、葉っぱは強い香りを放ち、殺菌効果が高いことから、肉や魚料理の下ごしらえ用のハーブとしてよく用いられています。
サルビア・スクラレア(クラリセージ)
花言葉は「澄んだ」「透明な」。地中海沿岸、北・中央アフリカの一部に分布している種類です。
サルビアの中でも大型で全体的に鬼のように怖い様子をしていることから、「オニサルビア」という和名が付けられました。
精油には高い薬効成分があり、古くから目の洗浄に用いられていたことから、花名の「クラリ」は「クリア・アイ(澄んだきれいな目)」がなまったものだとされています。
サルビアには幻覚を見る作用があるの?
一般に市販されている観賞用や食用のサルビアに幻覚作用はないとされています。
しかし、メキシコ原産の「幻覚性サルビア」(Salvia divinoram)という種類には、「サルビノリン・A」という脳の中枢神経に作用する成分が含まれており、浮遊感、幻聴、めまい、神経不安などの幻覚を見せるとされています。
幻覚性サルビアは、メキシコの原住民マサテコ族が呪術的な儀式や薬に用いていたという記録がヨーロッパに残っており、合法ドラッグとして世界中に広まっていきました。
日本では2007年に厚生労働省によって「薬事法第二条第十四項に規定する指定薬物」として規制されているので注意してくださいね。
色んな種類のサルビアの花を楽しもう
サルビアはその種類の多さから多種多様な色や形をしています。たくさんの種類のサルビアを育てて、観賞用や食用など色んな楽しみ方を満喫してみてください。
プランターや庭一面をサルビアにしてみるのも面白いかもしれませんね。
薬物関連の通知集(麻薬向精神薬原料含む) 参考文献:更新日: 2021年09月27日
初回公開日: 2015年06月25日