初夏を迎えると、青々とした葉っぱのつけ根に真っ赤な実を付けるヤマモモ。庭木や街路樹としても植えられている、日本人にとってはなじみ深い樹木ですよね。梅雨のまっただ中に収穫期を迎えますが、雨に当たると水っぽくなってしまうので、収穫のタイミングがむずかしい果実としても知られています。今回は、そんなヤマモモとはどんな樹木なのか、花や実の特徴、食べ方などについてご紹介します。
ヤマモモ(山桃/楊梅)の花言葉
『教訓』『一途』『ただ一人を愛す』
ヤマモモの花言葉の由来となったエピソードは詳しくはわかっていません。ただ、雌雄異株で、遠く離れた場所でも花粉を飛ばして実を付ける性質から、「ただ一人を愛す」「一途」といった花言葉が付けられたのではないかと考えられています。
ヤマモモ(山桃/楊梅)の学名・原産国・英語
- 学名
- Morella rubra
- 科・属名
- ヤマモモ科・ヤマモモ属
- 英名
- Red bayberry
Wax myrtle
- 原産地
- 日本、中国南部~インド
- 開花期
- 3~4月
- 収穫期
- 6~7月
- 別名
- 楊梅(ヨウバイ・ヤンメイ)
ヤマモモ(山桃/楊梅)とは?花や実の特徴は?
ヤマモモは、日本や中国からインドにかけて自生する、ヤマモモ科・ヤマモモ属に分類される高木です。大きくなると20~25mほどと高く生長し、直径が1mに及ぶものもあります。日本では、関東南部~沖縄にかけての温かい地域にあり、古くから和歌の題材などに詠まれて親しまれてきました。
幹は灰白色で、皮目は楕円形をしています。古い木になると、縦の裂け目が出てきますよ。葉っぱは深い緑色で、10cm前後の楕円形をしており、枝の先端に丸く束に広がって付きます。この葉っぱの脇から赤い小さな花が穂のようになって咲き、結実すると真っ赤な果実が付きます。雄株と雌株がありますが、花粉が遠くまで飛ぶことから、雌株だけ育てていても自然と結実しますよ。
ヤマモモ(山桃/楊梅)の食べ方は?ジャムや果実酒の作り方は?
ヤマモモの実は、6~7月に収穫期を迎えます。ただ、雨に当たると水っぽくなってしまうので、梅雨の合間に一気に収穫してしまうことがポイントです。採った実は、ジャムやお酒にして楽しめますよ。以前はスーパーでも普通に目にしましたが、近年は見かける機会も少なくなってしまったので、ぜひ自分で栽培して、色々な方法で味わってみてください。
ジャムの作り方
■ 材料
- ヤマモモ5kg
- 砂糖2kg
■ 作り方
- ヤマモモを塩水で洗い、ステンレス鍋で500mlほど水を沸騰させる
- 沸騰したお湯に、洗ったヤマモモを入れてゆっくり混ぜる
- 果実が柔らかくなったら、ザルにあげて裏ごしする
- 裏ごしした果実を、ステンレス鍋で加熱し、沸騰したら砂糖を一気に入れる
- 沸騰の手前の温度で焦げ付かないよう混ぜ、アクを取り除きながら煮詰まり具合をチェックする
- とろみが出てきたら、熱々のまま殺菌済みのガラス瓶に入れる
- 軽く蓋をして蒸し器で20分ほど熱し、脱気する
- 瓶を逆さまにして荒熱を取り、冷水で冷やして出来上がり
お酒の作り方
■ 材料
- ヤマモモ1.6kg
- アルコール(焼酎など)1.8L
- 砂糖1kg
- 広口の瓶を用意して熱湯消毒する
- ヤマモモを潰れないように水洗いする
- 水気を切り、実をそっと瓶へ入れる
- ヤマモモの上に氷砂糖を入れ、焼酎を注ぎ入れる
- 2ヶ月ほど保存し、アルコールが赤く染まり、香りもうつったら、実を取り出す
- ヤマモモ酒をろ過し、別の瓶に詰めたら完成
ヤマモモ(山桃/楊梅)の種類や品種は?
瑞光(ずいこう)
常緑高木で、庭植えのときは3〜4mほどに生長します。実の酸味は強く、日持ちもすることから、果実酒にするとその風味を生かすことができますよ。隔年結果せず、毎年たくさんの実を収穫できることもポイントです。
森口(もりぐち)
毎年良く実がなり、酸味が少なく甘みが強いことから、ジャムや果実酒など色々な加工方法を楽しめる品種です。生長も早いことから、庭のシンボルツリーとしても育てやすいですよ。
ヤマモモ(山桃/楊梅)をジャムやお酒にして楽しもう
真っ赤な実が、緑の葉っぱと美しいコントラストを作り出すヤマモモ。甘酸っぱい味わいで、古くから日本人に愛されてきたフルーツです。育て方もむずかしくないので、庭のシンボルツリーととして育てている人も少なくありません。収穫した実は、お酒やジャムなど色々な方法で加工して楽しめますよ。ぜひ、庭の仲間にくわえてみてください。
更新日: 2016年05月23日
初回公開日: 2016年05月23日