カスミソウは、白くふわふわした見た目がお菓子のようでかわいらしいですよね。アレンジメントやブーケの脇役としてよく花束に用いられます。今回は、カスミソウの花言葉や花束にいい理由、見頃の季節や臭いについてまとめました。
カスミソウの花言葉と由来は?
『無邪気』『清い心』『親切』『幸福』『夢見心地』
● 色別の花言葉
ピンク:切なる願い/感激
カスミソウの咲かせる純白で小さな花は、奥ゆかしく可憐な印象であることから、「無邪気」や「夢見心地」「清い心」といった花言葉をもつようになりました。また、他の花と合わせて花束にするときに、目立たず他の花をひきたたせることから「親切」「幸福」といった花言葉がつきました。
カスミソウとはどんな花を咲かせる植物?
カスミソウは、アジアからヨーロッパの広い地域におよそ125種が自生しています。一般的に出回っているカスミソウのエレガンス種は、1mほどの高さに育つ一年草で、白やピンクの細かい花をたくさん咲かせます。この他にも、切り花用の宿根草で草丈が高い「パニクラータ種」、矮性の「ムラリス」、多年草でカーペットカスミソウで流通している「オノエマンテマ」などの種類が出回っています。
カスミソウの基本情報(学名・原産国・英語など)
- 学名
- Gypsophila elegans
- 科・属名
- ナデシコ科カスミソウ属(ギプソフィラ属)
- 英名
- Baby’s breath
Gypsophila
- 原産地
- アジア、ヨーロッパ
- 開花期
- 5~8月
- 花の色
- 白、ピンク
- 別名
- 小米撫子(コゴメナデシコ)
群撫子(ムレナデシコ)
花糸撫子(ハナイトナデシコ)
カスミソウという名前の由来は?
学名は、石膏を意味する「gypsos」と「好む」を意味する「philios」が語源で、石灰質の土壌を好むことに由来しています。和名は、白い花をたくさん付ける様子が春の霞(かすみ)のように見えること由来しています。また、英名の「Baby’s breath」も赤ちゃんもしくは愛しい人の吐息という意味で、花姿に由来しています。
カスミソウが花束にいい理由は?
カスミソウは、網の目のように枝が細かく分かれています。単体ではあまり目立たない花ですが、他の花と合わせるとベールに覆われたようなイメージになることから、花束によく用いられています。また、「清らかな心」「幸福」「夢見心地」といった花言葉は、花嫁や結婚式を執り行うカップルの心情をイメージさせることから、結婚式のブーケにもよく用いられています。
カスミソウの種類や品種は?
パニクラータ種
上記のエレガンス種と区別するために「宿根カスミソウ」の名前で流通する種類です。ヨーロッパ東部の寒い地域が原産で、明治初期に日本に渡来しました。近年はエレガンス種の開花調節技術が確立されていないことから、切り花用としては本種が多く出荷されています。「フェスティバルスノーシリーズ」が、主流の品種です。
エレガンス種
ウクライナやイランなどが原産の一年草で、一般的にカスミソウというと本種を指します。日本には大正時代に渡来しました、草丈は20~50cmと中型で、細かく枝分かれし、小さな花が株を覆うように咲くのが特徴です。エレガンスは「優美な」の意味で、この花の美しさを表現しています。
G.ムラリス
草丈は15~30cmほどの矮性種で、白やピンクの小さな花を咲かせる一年草です。
G.レペンス(オノエマンマテ、カーペットカスミソウ)
ヒマラヤ原産の高山植物で、矮性品種です。よく目にするカスミソウに比べて花が大きく、カーペットのように広がって咲くのが特徴です。
カスミソウに臭いはあるの?
カスミソウは、その名前や可憐な見た目から、とても甘くていい香りがしそうですよね。しかし、実際は、「トイレの臭い、汗の臭い、加齢臭」と例えられるように、あまりいい臭いはしません。
これは、カスミソウに含まれる脂肪酸「メチル酢酸」によるものです。この話を聞くと、花束に使うのをためらってしまいますが、最近は臭いの少ない品種や、臭いを抑制するトリートメントなどが開発されているので安心してください。
カスミソウの季節は春から初夏にかけて
▲撮影場所:水戸市植物公園(2018年初夏頃)
カスミソウは、年中花屋さんに並んでいるイメージがありますが、本来は初夏に花が咲きます。育て方が簡単なので、季節を感じたい方は、ぜひ育ててみてください。一重咲きから八重咲きまであり、花のサイズも種類によって違うので、育ててみると新しい発見があるかもしれませんよ。
更新日: 2023年02月15日
初回公開日: 2015年08月02日