矢車草(ヤグルマソウ)と聞くと、よく名前の似ている「矢車菊」を思い浮かべる方が多いかと思います。正式な矢車草は、ユキノシタ科の植物で、見た目は全く違うんですよ。春~夏にかけて咲く淡雪のような花は、とても美しく上品な姿をしています。今回は、そんな矢車草の花言葉や種類、見頃の季節などについてご紹介します。
矢車草(ヤグルマソウ)の花言葉とは?
『清楚』『幸福感』『出発』
「清楚」や「幸福感」は、1cmにも満たない小さな白い花が、ふわりとした綿のように群生する姿から連想された花言葉となっています。
矢車草(ヤグルマソウ)の学名・原産国・英語
- 学名
- Rodgersia podophylla
- 科・属名
- ユキノシタ科・ヤグルマソウ属
- 英名
- Fingerleaf
Rodgers flower
- 原産地
- 日本、朝鮮半島、中国
- 開花期
- 5~8月
- 花の色
- 白
- 別名
- ロジャーシア・ポドフィラ
矢車草(ヤグルマソウ)とは?どんな花を咲かせる植物?
矢車草は、ユキノシタ科・ヤグルマソウ属に分類される多年草です。北海道西南部や本州のジメジメした場所に群生しています。
草丈は0.8~1.5mほどに生長し、手のひらのように5つに裂けた長さ30~40cmにもなる葉っぱが、5枚1組になって生えています。葉っぱの中から細い茎を伸ばし、茎先に直径6~8mmの小さな白い花をたくさんつけます。花に花びらがないことが特徴です。
名前の由来
和名の「矢車草(ヤグルマソウ)」は、葉っぱの形がこいのぼりに添えられているクルクルと回る矢車を思わせることに由来しています。英名の「Fingerleaf」は、葉っぱが手のひら状になることからきています。
矢車草(ヤグルマソウ)の開花時期や見頃の季節は?
矢車草の開花期は5~8月です。目立ちはしないものの、花は白い綿のようでかわいらしく、間近で見ると魅力が増しますよ。
矢車草(ヤグルマソウ)の種類や品種は?
ヤグルマソウ属は、東アジアに分布する植物で、約6種が知られています。日本には矢車草1種のみ自生しています。今回は、ヤグルマソウ属のいくつかの品種をご紹介します。
ロジャーシア・ピナータ
中国が原産のヤグルマソウ属に分類される植物で、赤い花を咲かせます。日陰でも元気に生長するほど丈夫で、葉っぱが美しく存在感があることから、シェードガーデンによく利用されます。
ロジャーシア・ファイヤーワーク
「ロジャーシア・ピナータ」の改良品種で、可憐なピンク色の花を咲かせます。細長い楕円形の葉っぱには、くっきりと葉脈が見られます。とても強健な性質で、育てやすいです。
ロジャーシア・チョコレートウイング
ファイヤーワーク同様、「ロジャーシア・ピナータ」の改良品種です。芽吹いた頃はチョコレート色をしていた葉っぱが、徐々にブロンズ色、暗緑色へと変化していきます。初夏に咲かせるピンクの花は、咲き進むに連れて赤みが増していきます。
矢車草(ヤグルマソウ)と矢車菊は別の花
キク科・ヤグルマギク属に分類される「矢車菊(ヤグルマギク)」は、別名「ヤグルマソウ」と同じ名前で親しまれています。近年では混同されないように矢車菊と統一されてきていますが、インターネットなどでは、まだ矢車菊が矢車草として掲載されることが多いので注意してくださいね。矢車草を花壇の仲間に加えて、ガーデニングを楽しんでください。
更新日: 2023年02月08日
初回公開日: 2016年01月01日