真っ青やピンクの花を空に向けて広げる矢車菊(ヤグルマギク)。地植えや鉢植えだけでなく、その花の美しさから切り花やアレンジメントにも利用される人気の植物です。もともとは麦畑に生える雑草でしたが、品種改良によって八重咲きの品種が誕生し、園芸用の草花として広まっていきました。今回は、そんな矢車菊の花言葉と育て方をご紹介します。
矢車菊(コーンフラワー)の花言葉とは?
『繊細』『優美』『教育』『信頼』
「繊細」「優美」という花言葉は、細い花びらをたくさんつける姿にちなんでつけられました。
矢車菊(コーンフラワー)とは?どんな花を咲かせる?
矢車菊は、キク科・ヤグルマギク属に1種だけ分類される多年草です。もともとは麦畑やとうもろこし畑に生える雑草でしたが、園芸用に品種改良され、今ではドイツやエストニアなどの国花となっています。日本には、明治時代の中頃に渡来しました。
草丈は0.2~1mに生長し、互い違い葉っぱを生やします。株元の葉っぱは卵型で幅が広く、上の方は線状に細いことが特徴です。植え付ける時期によって開花時期は変わりますが、主に4~5月に3~4cmの花を咲かせます。原種は一重咲きですが、園芸用に出回るのは八重咲きのものがほとんどで、筒状の細かい花びらをつけます。乾燥しても色あせないことから、切り花やドライフラワーにして楽しまれることも多いですよ。
名前の由来
学名の「Centaurea(ケンタウレア)」とは、ギリシャ神話に登場する半人半馬のケンタウロスという種族のことです。ケンタウロスの賢者ケイローンが、ヤグルマギクを薬草として使っていたことにちなんでつけられました。
和名の「矢車菊(ヤグルマギク)」は、葉っぱの形が鯉のぼりの矢車に似ていることに由来します。「矢車草」という別名を持ってますが、これは本来ユキノシタ科の植物を指し、全く別の植物となっています。英名の「コーンフラワー」は麦畑に自生していたことから、「バチャローズボタン」は独身男性が襟元に矢車菊を飾る習慣に由来します。
矢車菊(コーンフラワー)の花の色や開花時期は?
- 学名
- Centaurea cyanus
- 科・属名
- キク科・ヤグルマギク属
- 英名
- Corn flower
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- 原産地
- ヨーロッパ
- 開花期
- 12~7月 ※種まきの時期によって異なる
- 花の色
- 青、ピンク、紫、白、複色
- 別名
- 矢車菊(ヤグルマギク)
矢車草(ヤグルマソウ)
コーンフラワー
バチャローズボタン
矢車菊(コーンフラワー)の種まき、苗植えの時期と方法は?
種まき
発芽適温は15~20度で、地域によって適期が異なります。涼しい場所は4~5月に、暖地は3~4月か、8~11月に種をまくことができます。春にまくとその年の6月以降、夏から秋にまくと年末から翌年の春の間に花を咲かせますよ。
1. 育苗ポットに赤玉土(小粒)を入れる
2. 種をそれぞれのポットに2~3粒重ならないようにまく
3. 種に土を被せず、涼しいところで、土が乾かないよう水やりをして管理する
4. 発芽して本葉が5~8枚になったら、生育のよい株を鉢や地面に植え替える
苗植え
苗は1年中出回っており、いつでも植え付けることができます。鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢に植え付けましょう。地植えは、日当たりと水はけのよい場所を選び、株同士の間隔を20~30cmほど空けて植えます。根が弱く、傷むと枯れてしまうので、いずれの場合も根についた土は崩さずに植えてください。
矢車菊(コーンフラワー)の土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
水はけのよい土を好みます。鉢植えは、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂かパーライト1か、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜた土がおすすめです。市販の草花用培養土を使ってもかまいません。地植えは、植え穴を掘った土に腐葉土や堆肥、川砂を混ぜて水はけをよくします。
水やり
湿度の高い環境に弱く、土が常に湿っていると枯れてしまいます。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。地植えは、特に水やりの必要はありません。
肥料の与え方
植え付けるタイミングで、土にゆっくりと効く緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。その後は、追加で肥料は施さなくても元気に生長します。ただし、本来はやせ地を好む植物なので、必ず必要というわけではありません。
矢車菊(コーンフラワー)の剪定の時期と方法は?
株が生長し、茎葉が混み合ってきたら適度に間引いて風通しをよくしましょう。弱い茎が伸びて草姿が乱れるようなら、草丈が10~20cmのときに先端の芽を摘みとってわき芽を生やし、株にボリュームを持たせるのも1つの方法です。
矢車菊(コーンフラワー)の植え替えの時期と方法は?
花が咲き終わると自然に枯れてしまうので、植え替えの必要はありません。園芸では一年草として扱われます。
矢車菊(コーンフラワー)の育て方のポイントは?
日当たりと水はけのよい軒下や窓際で育てることが、きれいな花を咲かせるコツです。寒さや暑さに強く、丈夫な性質から環境さえ整っていれば、後はそれほど手間がかかりません。ただし、水切れには注意しましょう。草丈の高い品種のときは、支柱で茎を支えると安心です。
矢車菊(コーンフラワー)の増やし方とは?
花が咲き終わった後につく実から種を採取して、数を増やすことができます。茎葉が茶色く乾燥したら、種を採取する時期です。適期までは、茶封筒などに入れて種を保管しておいてください。その後の植え付ける手順は、上述した方法と同じです。
矢車菊(コーンフラワー)の育て方で注意する病気や害虫は?
うどんこ病
株が白いカビに覆われ、粉をかぶったようになる病気です。光合成ができず、そのままにしておくと弱って枯れてしまうので、見つけたら早めに薬剤を散布して拡大を防ぎます。また、病気にかかった部分は切り落とします。風通しをよくすることで予防できますよ。
矢車菊(コーンフラワー)の花を寄せ植えに使ってみよう
丈夫で手間をかけずに育てられるヤグルマギクは、ガーデニング初心者の方におすすめの草花の1つです。春になると、鮮やかな青色の花で花壇や鉢を彩ることができますよ。草丈も品種によってバリエーションがあるので、寄せ植えの主役にも脇役にもなれます。白やピンクなど、似た色合いの花と寄せ植えにして楽しんでみてください。
更新日: 2021年04月14日
初回公開日: 2016年01月17日