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【梅の木の育て方】苗木の鉢植えや挿し木の方法、害虫の対策方法は?

梅の木といえば、赤や白の香りのよい花を咲かせ、春を告げてくれる花木です。たくさんの詩が詠まれ、奈良時代より前は花見の木として、人々に親しまれてきました。今回は、梅の木の育て方について、苗の鉢植えの時期と方法、挿し木での増やし方などの栽培方法をご紹介します。

梅の木のを育てる前に!花梅と実梅とは?違いはなに?

 

梅の木には花を楽しむための「花ウメ」と、実を収穫して楽しむ「実ウメ」の2種類があります。花ウメは、年間の平均気温が7度以上、4~10月の平均気温20度くらいで花を咲かせやすく、実ウメは、気温がマイナス5度前後になると実をつけません。環境に合った品種を選ぶのがポイントです。鉢植え、庭植えともに日当たりと水はけのよい場所であれば元気に育ちますよ。

梅の木の育て方!苗木を鉢植えにしよう

土作りの方法

水はけがよく、有機質の多い肥料を好みます。鉢植えは、赤玉土(中粒)6:腐葉土か堆肥4を混ぜあわせた土がおすすめです。

鉢植えの時期と方法

鉢植えには12~3月頃が適しています。方法は以下の通り。
1. 7~8号の素焼き鉢にゴロ石を敷き、軽く土を入れた後、肥料を混ぜあわせる
2. 根についた土を軽く落としてから、苗を植え付ける
3. 土を被せて苗を安定させたら、水をたっぷりと与える
4. 明るい日陰で1週間ほど管理し、その後日向に移動させる

梅の木の育て方!水やりの仕方と肥料の与え方は?

水やり

鉢植えの土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。もし地植えするのであれば、植え付けてから2年たつまでは土が乾いたら水を与え、その後の水やりは不要です。

肥料の与え方

鉢植えは花が咲いた後の4~5月に、ゆっくり効く緩効性の化成肥料を根元にまきます。庭植えは、12~1月に固形の油かすなど有機質の肥料を根元に埋めます。

梅の木の栽培で注意する病気や害虫は?

黒星病(クロボシビョウ)

黒星病という糸状菌による病気に注意しましょう。葉や実に黒いシミのような斑点が現れ、植物がだんだん枯れていきます。20~25度の湿度の高い環境を好み、特に梅雨の時期に発生しやすいので、薬剤を散布して予防してください。

アブラムシ

葉に寄生して植物を弱らせる害虫で、汁を吸って弱らせます。また、排泄物はすす病を誘発します。繁殖力が高いので、オルトランなどの効果が長い薬剤か、木酢液を散布して駆除していきましょう。

梅の木の育て方!枝の剪定方法と時期は?

花が咲いた後、2~3月、6~7月、11~12月の期間に、年3回ほど剪定をして樹形を整えます。特に、太い枝を切って新しい枝を生やす重要な剪定は、2~3月です。植えてからの年数で、剪定の方法が変わるので注意しましょう。剪定の詳しい方法は、関連記事を合わせてご覧ください。

梅の木の育て方!植え替え方やタイミングは?

鉢に何年も植えっぱなしにしておくと、根がたくさんはり、根詰まりを起こしてしまいます。1~2年に1回、12~3月に、一回り大きな鉢に植え替えます。植え替えの手順は植え付け時と同様です。植え替える際、太い根や古い根は切り落としましょう。

梅の木の4つの増やし方とは?

梅の木は、挿し木、接ぎ木、種まきで数を増やすことができます。挿し木には、「休眠挿し」と「緑枝挿し」の2種類があります。ただ、梅の挿し木を成功させるのは「プロの仕事」といわれるほど難しいので、諦めず何度もチャレンジしてみてくださいね。

接ぎ木は、すでに土に根付いている土台の木に挿し木の枝を挿して育てる方法です。種まきは、7~8月頃、果実から採種した後に種まきをして育てます。方法は、上記の植え付けで紹介した通りです。

梅の木の増やし方① 種まきの方法と時期は?

7~8月頃、熟した果実から種を取り出して種まきをします。

  1. 果実から種を取り出し、水で果肉を洗い流す
  2. 種をビニール袋に入れて密閉し、冷蔵庫で保管する
  3. 11~12月に種を取り出し、水洗いする
  4. 深さ15~20cmの育苗箱に赤玉土(小粒)を敷き、先端を下にして植え付ける
  5. 株間を5cmほど空け、10~15cmくらい土を被せる
  6. 種が発芽し、苗が十分に育ったら、鉢や地面に植え替える

梅の木の増やし方② 挿し木(休眠挿し)の方法と時期は?

  1. 1月末~2月中旬に、前年に伸びた枝を15~20cm切り取る
  2. 湿らせた水苔で切り口を包む
  3. ビニール袋に入れ、冷蔵庫で保存する
  4. 3月中旬頃、枝を取り出し、切り口を2~3時間ベンレート液などの殺菌剤につける
  5. 切り口を5cmほど斜めに切り取る
  6. 鉢や育苗箱に赤玉土(小粒)を入れて湿らせておき、枝を挿す
  7. 透明なビニールで苗を覆う
  8. 土が乾かないように水を与え、風通しのよい半日陰で管理する

梅の木の増やし方③ 挿し木(緑枝挿し)の方法と時期は?

1. 6~7月に、春以降に伸びた若い枝を10cmほど切り取る
2. 下半分の枝、葉を切り落とす
3. 上半分の葉は、半分の大きさにカットする
4. 切り口を斜めに切り取り、1~2時間水につける
5. 鉢や育苗箱に赤玉土(小粒)を入れて湿らせておき、枝を挿す
6. 透明なビニールで苗を覆う
7. 土が乾かないように水を与え、風通しのよい半日陰で管理する

梅の木の増やし方④ 接ぎ木の方法と時期は?

接ぎ木の適期は、3月中旬~4月上旬です。土台となる台木には、種まきで育てた若い木を使うのがおすすめです。

1. 1~3年ほど育てた若い木の根元から少し上のところを切り落とす
2. 垂直に切り口を入れた後、横から斜めに切り上げて三角形の切り込みを作る
3. 前年に生えてきた梅の木を5cmほど切り取る
4. 台木の切り口と合うよう、穂木の切り口を切る
5. 切り口どうしを密着させ、接ぎ木テープを下からまいて固定する
6. 全体にビニール袋を被せる
7. 土が乾燥しないよう水やりをして、涼しい半日陰で管理する
8. ビニール袋に枝が当たるまでに生長したら、取り除く

梅の木を育てて季節を感じよう


梅の木は、日本で古くから栽培されていたことから育てやすく、春には花を、夏には実を楽しむことができます。種から育てると、親とは違った花を咲かせ、楽しさが増えますよ。また、育てた若い木は、台木として活用することができます。梅の木の栽培に慣れてきたら、ぜひ、種まきにチャレンジしてみてくださいね。

参考文献: 農林水産省 『都道府県施肥基準等』

初回公開日: 2015年09月15日