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ヨモギ(蓬)の育て方|栽培のコツや種まきの時期や方法は?

古くから「食用」や「薬用」など様々な用途に使われてきたヨモギ。独特な「香り」と強い「生命力」が特徴の植物です。他の植物とは分けて育てるなどのポイントをおさえておけば、栽培自体はとっても簡単にできます。今回は、そんなヨモギがどんな性質をもった植物なのか、栽培方法や旬の季節、花言葉や葉の特徴を交えながら、ヨモギの栽培方法についてご紹介します。

ヨモギ(蓬)の基本情報!学名・原産国・英名は?

ヨモギ 蓬
学名
Artemisia indica Willd.
Artemisia princeps Pamp.
科・属名
キク科・ヨモギ属(アルテミシア属)
英名
mugwort
Japanese mugwort
原産地
イスラエル、北アフリカ、日本、朝鮮
開花期
9〜10月
花の色
淡褐色
別名
モチグサ
モグサ
ヤイグサ

ヨモギ(蓬)とは?葉っぱの特徴は?

ヨモギとは、キク科ヨモギ属の多年草の総称です。ヨモギには種類がいくつもあって、大きく分けて日本や朝鮮に自生するヨモギと、アフリカに自生するオウシュウヨモギなどがあります。

日本で一般的にヨモギというと、日本全国の山野に自生する一品種のヨモギのことを指し、それらは別名、「モチグサ」や「モグサ」、「ヤイグサ」と呼ばれます。

今回は、主にこの日本産のヨモギについてご紹介します。

草丈は50〜120cm、日当たりのよい道端や川沿いに自生しているので、自然の多い山道ではよく目にしているかもしれません。

海外では主にハーブとして扱われており、日本では山野草や天ぷらなどに使用する野菜として紹介されることもあります。

葉っぱの特徴は?

ヨモギの葉っぱはギザギザと深く切れ込みがある羽状をしており、裏面に細かい綿毛が生えています。

葉の裏は、細かい綿毛によって柄白色かあるいは灰色に見えるのが特徴です。収穫して綿毛を精製したのが「モグサ」で、鍼治療の灸によく利用されています。

ヨモギ(蓬)の旬の季節や開花時期は?

ヨモギ1

ヨモギの旬の時期は3~5月ごろです。葉っぱが生い茂っているので、たくさん生えているなら収穫してお茶にしたり、お風呂にいれたりして楽しめますよ。

9〜10月ごろ、夏から秋へ季節が変わる時期になると、ヨモギは淡褐色の小花を咲かせます。あまり目立たないので注意してみないと気づかないかもしれません。

ヨモギ(蓬)の花言葉!意味や由来は?

ヨモギ、緑、葉っぱ、ぎざぎざ

『幸福』『平和』『平穏』『静穏』『夫婦愛』『決して離れない』

ヨモギの花言葉は「幸福」「平和」「平穏」「夫婦愛」「決して離れない」など、が挙げられます。

ヨモギが古くから「食用」や「薬用」で日常生活に親しまれていたことにちなみ、何気ない日々を切り取って「幸福」「平和」「平穏」「夫婦愛」が生まれたのではないかといわれています。

ヨモギ(蓬)の葉や新芽の効果・効能は?

ヨモギ1 お茶

ヨモギの葉や新芽には、高い栄養価と薬効があります。

食べれば整腸作用でお腹の調子を整えたり、傷口に塗れば炎症を抑えたり、リラックス効果の期待できる香りを放つなど、高い効果効能によって「万能ハーブ」と呼ばれるほどです。

ヨモギが体によいことを知っていた昔の人々は、すりおろしたヨモギを傷口にぬったり、餅に練り込んで「天ぷら」や「よもぎ餅」として食べたり、お風呂に入れて「よもぎ湯」にしたり、あらゆることに利用してきました。

また、傷口にヨモギの葉を塗るだけではなく、乾燥させた葉から裏面の綿毛を取れば、漢方療法の一つである「お灸」に使うことができます。さらに清酒に付け込めばヨモギ酒になり、疲労回復・整腸に効果的なんですよ。

ヨモギ(蓬)は栽培できるの?育て方のコツは害虫対策

牛乳スプレー 防虫 虫対策

ヨモギは放っておいても生長するほど生命力が強いので、上手に栽培するために意識することは特にありません。

強いていうならば、アブラムシが寄り付きやすいので、害虫対策を行っておきましょう。アブラムシは、7〜8月の暑い期間以外は通年を通して発生する害虫です。

放っておくと、栄養を吸ってヨモギを弱らせ、すす病の原因になるすす病菌を寄せつける性質があるので、被害がどんどん拡大していきます。

茎や葉っぱに黄色く小さな虫がついていたらアブラムシなので、ガムテープなどで直接はがすか薬剤を散布して退治してください。

ヨモギ(蓬)を栽培する前に知っておきたい注意点は?

ヨモギ自体は生命力が強く育てやすい植物です。ただ、生命力が強いがゆえに周りへ害をおよぼすことも。そんなヨモギを栽培したい方は事前に知っておきたい注意点をご紹介します。

近くに他の植物を植えない

ヨモギは、強い生命力をもった植物です。その繁殖能力から、ほかの植物の成長を阻害してしまう可能性があるといわれています。

花粉アレルギーに注意して

アレルギー体質の方は、ヨモギの花粉に注意してください。よくヨモギの花粉にアレルギー反応を示す方がいます。あらかじめ家族や周囲の人にアレルギーがないか確認しておきましょう。

これらに配慮しながら、具体的な種まきから収穫までの流れをご紹介します。

ヨモギ(蓬)を栽培しよう!苗や植木鉢、土を用意して育てはじめる

ヨモギは、鉢やプランター、庭など場所を選ばずに育てられます。まずは、「苗」「育てる容器」「土」を用意します。苗を植えるなら9〜10月がおすすめです。

苗、植木鉢を用意する

苗をインターネットの通販で購入するか、道端や原っぱに生えている苗や株から用意してください。鉢に植えたいなら、3〜5号鉢またはプランターを用意します。

土を用意する

次は「土」を準備します。庭の土を使うか、通販で土を購入して自分で配合しましょう。ヨモギは生命力の強い植物なので、水はけがよく、やせた土地以外であれば土質を選ぶことなく育ちます。

鉢に植えるなら、赤玉土(小粒のもの)7:腐葉土3の割合で配合した土を用意しましょう。

庭に植えるなら、庭土へ3割ほど腐葉土を混ぜて1週間ほど寝かせます。庭に植える場合、土の中に囲いを作って地下茎が伸びないようにすると、他の植物の生長の妨げになりません。

特に土質を選ばないので、肥料がなくてもヨモギは育ちます。新しい土を使って栄養分が心配なときは、化成肥料を少量混ぜ込んでおきましょう。

用意できたら苗を植えよう

鉢植えなら、鉢の底に鉢底石を入れて、土を入れ、種をまきます。苗を植えるなら鉢の1/3ほど土をいれたタイミングで苗を中心におき、周りを土で埋めます。

鉢底石がないときは、ピンポン玉くらいに砕いた発泡スチロールを代用しても構いません。野に自生するヨモギを活用する場合は、根に土が少しついた状態で植えたい場所に移植するだけで栽培ができます。

ヨモギ(蓬)の水やり、肥料のタイミングと方法は?

水やりのタイミングや方法は?

鉢に植えて育てているなら、土の表面が乾いたときに鉢の底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。

庭に植えているなら、苗を植えてから1〜2週間は土が乾かないように水やりをします。根が土になじんで水の吸収がうまくできる状態になったら、あとは雨に任せましょう。その後の水やりは不要です。

肥料の与え方は?

植え付けのタイミングでゆっくりと効く粒状肥料を混ぜ込んであげましょう。鉢植えなら、それに加えて春から秋の生育期に液体肥料を月1~2回のペースで与えましょう。

ヨモギ(蓬)の収穫の時期と方法は?

ヨモギは、新芽と葉っぱの2つの収穫が楽しめます。冬を越した3月に新芽を、6月中旬〜7月中旬ごろには、葉を収穫しましょう。

薬として使いたいなら絞り汁が必要なので、葉先のやわらかい部分を収穫してあげましょう。

ヨモギ(蓬)に植え替えは必要?

ヨモギを鉢植えで栽培しているなら、1〜2年に1回植え替えが必要です。数を増やしたいなら、一回り大きな鉢を用意して、9~10月頃に植え替えます。

そのままの鉢を使っても構いません。基本的には、新しい鉢に土を入れておき、鉢やプランターから苗を取り出して、移し替えるだけです。

ヨモギは地下茎といって土の下に根っこをどんどん生長させて大きくなります。植え替えをしないと、鉢の中が根でいっぱいになり、根詰まりや根腐れを起こして枯れてしまいます。

ヨモギ(蓬)の増やし方!株分けの時期と方法は?

ヨモギ

ヨモギの収穫量を増やしたいなら、大きくなった苗を切り分けて別々に植え直す「株分け」と、「種まき」の2通りの方法があります。

株分けは、植え替えと一緒に行うと効率がよいのでおすすめです。鉢から取り出した苗を地下茎ごと切り分けて、別々の鉢や地面に植え直してください。

花が枯れた後に種を回収して、紙袋などに入れて保存しておけば春に種まきをしましょう。3〜4月頃になったら種を取り出して、苗と同じ土を用意した庭や鉢にまいて栽培します。

芽が出るまでは土を乾燥させないように水やりをして、芽が出てきたらそれぞれを小さな鉢や少ポットに植え替えて育て、さらに大きくなったら苗として栽培してください。

ヨモギ(蓬)の栽培は鉢植えがおすすめ

ヨモギは、栽培にほとんど手がかからないハーブの1つです。まずは、庭に植えるよりも、生長しすぎても困らない鉢植えで栽培するのがおすすめ。どうせなら観賞用の植物よりも、食用薬用など実用性の高い植物を栽培してみたい方は、ぜひヨモギを育ててみてください。

更新日: 2023年06月28日

初回公開日: 2016年11月17日

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