たくさんの細い葉が集まって、涼しげな空間を演出してくれるエバーフレッシュ。昼は葉を広げ、夜になると閉じるといった変化を楽しむことができる観葉植物です。今回は、エバーフレッシュの育て方について、剪定や挿し木、植え替えの時期や方法、花の咲き方などをご紹介していきます。
エバーフレッシュとはどんな観葉植物?
エバーフレッシュとは、中南米やエクアドルに自生する、マメ科・ピテケロビウム属の常緑樹です。日本に自生するネムノキの仲間で、小さな葉っぱが連なって鳥の羽のような大きな葉っぱを作り出します。
特徴は、オジギソウのように夜になると葉が閉じること。昼と夜で違う葉姿が楽しめることもあり、お部屋のインテリアに人気なんですよ。
本来は樹高30mほどに生長しますが、観葉植物としては10~200cmほどのものが販売されています。小型から大型まで置き場所に合わせたサイズが選べるので、プレゼント用の観葉植物として好まれています。
エバーフレッシュの基本情報!学名・原産国・英語名は?
- 学名
- Pithecellobium confertum
- 科・属名
- マメ科・ピテケロビウム属(コヨバ属)
- 英名
- Pithecellobium confertum
ever fresh
- 原産地
- メキシコ、南米、エクアドル
- 開花期
- 4~9月
- 花の色
- 黄
- 別名
- ピテケロビウム
アカサヤネムノキ
エバーグリーン
エバーフレッシュ
エバーフレッシュの花の咲き方は?
エバーフレッシュは、4~9月にポンポンのような黄色い花を咲かせ、その後真っ赤な実に黒い種を付けます。花が枝の間に咲く姿は、木に明かりが点ったようでかわいらしいですよ。
花が咲いた後に付く真っ赤なサヤのような実は、花と違ってエキゾチックな印象を与えます。この実の姿から、「アカサヤネムノキ」という和名が生まれました。
エバーフレッシュの花言葉!意味や由来は?
『歓喜』『胸のときめき』
エバーフレッシュは、同じ科に属するネムノキと同じで、夜になると葉を合わせて閉じる習性をもっています。そのため、花言葉やその由来もネムノキにもとづいてつけられたと考えられています。
香料や薬用など使い道の多いネムノキは、「夫婦円満」の象徴として中国で広く知られています。中国には、ネムノキを入れたお酒を飲ませたところ、機嫌の悪かった夫の機嫌が直り、夫婦が円満になったという言い伝えがあります。この言い伝えが由来となり、「歓喜」「胸のときめき」という花言葉がつけられました。
エバーフレッシュの育て方のポイント3つ!
日当たりのよい場所に置く
春~秋のあたたかい時期は、直射日光の当たらない屋外に出すなど、基本的には明るい窓辺に置いて育てましょう。エバーフレッシュは、日陰でもある程度は育ってくれますが、日に当たらない暗い場所に長い間起き続けると、徐々に葉っぱが落ちて枯れてしまうので日光の量には注意してください。
冬は必ず室内に取り込む
エバーフレッシュは熱帯地方原産の観葉植物で、5~10度までの寒さにしか耐えられません。夏が過ぎて涼しくなってきたら、室内に取り込むのを忘れないようにしてください。霜に当たると枯れてしまうので、地植えにはできません。
急に置き場所を変えない
エバーフレッシュは、急に日光の量が増えたり減ったりすると枯れてしまいます。環境の変化に敏感で、すぐに葉っぱが落ちてくるので、場所の移動には気を使いましょう。1週間ごとに置き場所を変えるなど、徐々に環境を変えることが大切です。
エバーフレッシュの育て方!土づくりの方法は?
育て方手順
- 5~9月に苗植えをする
- 土が乾いたら水やりをして管理する
- 苗植え~10月の間は肥料を与える
- 10月以降は室内で管理する
- 冬は生育が鈍るので、土が乾いて2~3日おいてから水やりをする
- 4~5月に剪定をする
- 株が大きくなると4~9月に花が咲く
- 花が咲いた後、真っ赤なサヤの実ができる
- 2~3年に1回、5~9月に植え替えをする
土作り
エバーフレッシュは水はけのよい、栄養分がたっぷりと含まれた土を好みます。はじめて栽培するなら、肥料も配合されている市販の観葉植物用培養土を使うと、土をブレンドする手間が省けます。土を自作するときは、赤玉土(小粒)6~7:腐葉土3~4を配合した土に化成肥料を混ぜたものを使ってください。
エバーフレッシュの苗を鉢植えで育てる!植え付けの時期と方法は?
5~9月がエバーフレッシュの苗植えに適した時期です。苗よりも一回り大きな植木鉢に、準備した土などを入れて植えていきましょう。
- 鉢の底穴に鉢底ネットを被せる
- 鉢の底に軽石や鉢底石を敷く
- 鉢の1/3ほど土を入れる
- 苗の根に付いた土を1/3ほど手でもみほぐしながら落とす
- 鉢の中心に苗を置く
- 苗の周りに土を入れて安定させる
- たっぷりと水やりをして根と土をなじませる
エバーフレッシュの水やり、追加の肥料の与え方は?
水やりのタイミングと量は?
「土の表面が乾いたらたっぷりと水を与える」が、エバーフレッシュの水やりの基本です。乾燥が苦手で、水分が足りないと枯れてしまうので注意してください。ただし、冬は生育が鈍るので、土の表面が乾いてから2~3日空けてから水やりをします。
株の周りが乾燥しているときは、葉に霧吹きで水を吹きかけてあげると病害虫の予防にもなって安心ですよ。
追加の肥料の与え方は?
エバーフレッシュの生育期にあたる4~10月の間、1~2ヶ月に1回化成肥料を施すか、10~15日に1回液体肥料を施します。花を咲かせたいか、葉っぱを茂らせたいかによって、肥料の成分を変えるとよいですよ。一方冬は休眠期で、肥料を与えると根が枯れてしまうので注意してください。
エバーフレッシュの剪定の時期と方法は?
エバーフレッシュの枝を大胆に切り戻すなら、4~5月が適期です。切ったところからどんどん新しい枝を伸ばしてくれるので、細かい枝のカットはいつ行ってもかまいません。
生長が早いので、イメージしているよりも一回り小さく仕立てるとうまくまとまります。ただし、剪定で葉を減らしすぎると枯れてしまうので、心配なときは少しずつ剪定していく方が安心です。
剪定方法
1. 剪定する前に、剪定後の樹形をイメージする
2. イメージした樹形に合わせて、枝を切る
3. 伸びすぎている枝、重なりあった枝を幹から15cmほど残して切る
4. 重なり合った葉を間引き、ボリュームを減らす
エバーフレッシュの育て方!注意する病気や害虫は?
カイガラムシ・ハダニ
春から秋にかけてエバーフレッシュに発生しやすい害虫です。いずれも植物の葉や茎に付いて栄養を吸い取っていきます。見つけたら歯ブラシなどでこすり落し、薬剤を散布して駆除していきましょう。葉に水を吹きかけることで予防できますよ。
エバーフレッシュが枯れる原因は?
エバーフレッシュの葉っぱが黄色く変色して枯れたら、水または日光が不足しているか、過剰に与えすぎていることが原因です。以下にそれぞれの原因と対策をまとめました。
水不足/水の与えすぎによる根腐れ
エバーフレッシュは乾燥に弱く、水が足りないと一気に枯れてしまいます。土の表面が乾いたらたっぷりと与え、毎日葉に水を吹き付けることで乾燥を予防しましょう。
常に土が湿っているとエバーフレッシュの根が呼吸できなくなり、酸素不足で腐って枯れてしまいます。苗を取り出して、根が黒ずんでいたら、根腐れです。
腐った根は回復しないので、清潔なハサミで取り除き、地上部も根とのバランスを見て、枝や葉を切りそろえます。そして、清潔な土に植え直してください。このとき、肥料を与えると逆に弱ってしまうので、土に肥料は混ぜないようにしてください。
日光不足/強い直射日光に当たり過ぎ
エバーフレッシュは日陰でも育つ耐陰性の高い観葉植物ですが、日に当たらないと弱っていきます。ただし、直射日光に当たっても葉は枯れてしまいます。基本的には室内の窓辺など、明るい日陰や半日陰になる場所に置くようにしましょう。
水も日光も適量なら、根詰まりの可能性も
根詰まりは、根が鉢いっぱいに周り、窮屈になっている状態です。水が土に染み込まないときや、鉢の底から根が出ているときは、一回り大きな鉢に植え替えてあげます。
エバーフレッシュの植え替えの時期と方法は?
エバーフレッシュは生育が早く、詰まりを起こすと枯れてしまうので、2~3年に1回一回り大きな鉢に植え替えます。5~9月が植え替えの適期です。苗植えと同じ手順で、傷んだ根を整理しながら植え替えていきましょう。
エバーフレッシュの増やし方!挿し木の時期と方法は?
挿し木
エバーフレッシュは、5~8月に挿し木で数を増やします。剪定した枝を使うと、効率的に数を増やせますよ。
- 枝を10~15cmの長さに切り取る
- 先端の葉を3~4枚残し、他の葉は切り落とす
- 残した葉は、半分の大きさにカットする
- 切り口を10~20分水につける
- 育苗ポットや小さめの鉢に赤玉土を入れる
- 土に割り箸などで穴を空け、枝を挿す
- 日陰で土が乾かないように管理すると
- 2~3ヶ月たって根が生えたら鉢に植え替える
種まき
5~9月にエバーフレッシュに咲いた花は、順番に結実して真っ赤なサヤを付けます。サヤの中にある黒い種を収集して春から夏の間に種をまけば、新しい苗を育てられます。発芽率が高く、初心者の方でも育てやすいのでぜひチャレンジしてみてください。
- 赤い実の中にある黒い種を取り出す
- 種の周りについたぬめりを洗い流す
- 育苗ポットに赤玉土を入れる
- 1粒ずつ穴を掘って種を植える
- 土が乾かないよう水やりをして日陰で管理する
- 5~10日で新芽が生える
- 小葉が完全に展開したら鉢に植え替える
エバーフレッシュの冬の育て方は要注意
エバーフレッシュは、お部屋をさわやかに彩ってくれる観葉植物です。日陰にも強く、室内であれば枯れる心配が少ない点も育てやすい理由の1つです。
ただ、枯れ葉が落ちてから置き場所を変えるのは、逆に落ち葉が増えるのでNG。日が当たる量を1週間ほどかけてゆっくり増減させないと、急な場所替えには対応できません。また、5~10度以上の気温がないと枯れてしまうので、冬場は特にあたたかい場所で育ててあげてくださいね。
更新日: 2021年04月14日
初回公開日: 2015年09月20日