オクラと聞くと、和え物やお味噌汁の具材として利用される、とろりと粘り気のある実を想像しませんか。花オクラは、花がおいしくなるように品種改良されたオクラの仲間です。花にはよい香りと粘りがあり、色々な料理に活用して楽しめます。また、黄色い花は大きく、ハイビスカスのようで美しいですよ。今回は、そんな花オクラの育て方について、栽培のポイントなどをご紹介します。
花オクラ(トロロアオイ/黄蜀葵)の栽培のポイントは?
暖かくなってから種をまき、花が咲いたらすぐに摘み取っていくことが花オクラを楽しむポイントです。寒さに弱く、発芽適温が25度以上なので、4月中旬頃から種まきをするとよく育ちます。また、朝に咲いた花は、夜にはしぼんでしまうので、午前中に収穫するとよいですよ。
花オクラ(トロロアオイ/黄蜀葵)の種まきや苗植えの時期と方法は?
種まき
発芽適温は25~30度なので、4月中旬~5月の間に種まきをして育てていきます。また、種の皮が硬いので、一晩水に付けてからまくようにすると、発芽率が高まります。
1. 育苗ポットに赤玉土(小粒)など清潔な土を入れる
2. 中心に2~3粒種をまき、薄く隠れる程度に土をかぶせる
3. 土が乾かないよう水やりをして管理する
4. 本葉が2~3枚になったら、生育の悪いものを間引く
5. 本葉が3~4枚ほどに生長したら、生育のよい苗を選んで地面やプランターに植え替える
苗植え
花オクラの苗は市販されていることが少なく、種から育てた苗をプランターや地面に植え付けることが多いです。苗植えの適期は、5~6月となっています。草丈は1m以上に生長し、多湿を嫌うので、鉢植えは9号鉢に1~2株、プランターや地植えは株同士の間隔を30~40cm空けるのが植え付けの目安です。根が直根性で、傷が付くと枯れてしまうので、植えるときは根に付いた土を崩さないようにしましょう。また、植え付けたら株元に少し土を寄せておくと、倒れにくくなりますよ。
花オクラ(トロロアオイ/黄蜀葵)の土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
中性~弱アルカリ性の、水はけのよい土を好みます。また、アオイ科の植物は、連作障害を起こしやすくなっています。アオイ科を過去に育てたことのない、清潔な土を使いましょう。鉢植えやプランターには、市販されている花と野菜の培養土か、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜた土に少し苦土石灰を混ぜたものを使ってください。地植えは、植え付ける2週間前に土をよく耕しておき、苦土石灰を混ぜて酸性度合いを中和しておきます。そして1週間前に、堆肥や腐葉土を混ぜて水はけをよくします。それでも水はけがきになるときは、高さ10cmほどの畝を作っておくのも1つの方法です。
水やり
花オクラは、水を与え過ぎると枯れてしまうことがあるので、乾燥気味に管理していきます。土が完全に乾燥してから水やりをしていきましょう。ただし、地植えは降雨のみでも十分育ちます。
肥料の与え方
7月と9月に固形肥料を株元に置くようにすると生育がよくなります。花を食用にするので、体に害を及ぼさない野菜用の肥料を使うようにしてください。
花オクラ(トロロアオイ/黄蜀葵)の手入れ!剪定や支柱立ての時期と方法は?
支柱立て
花オクラは草丈が高くなるので、30cmほどに生長したら、株の脇に1本ずつ支柱を立てて支えます。茎と支柱を麻ひもで8の字に結んでいきます。
剪定
花が咲いて、茎の下の方に付く葉っぱが混み合ってきたら、花の下1~2枚ほどに付いている葉っぱを残してほかを摘み取っていきます。これによって、風通しがよくなり、病気や害虫の被害にあいづらくなります。
花オクラ(トロロアオイ/黄蜀葵)の収穫の時期と方法は?
花オクラの花は、朝に咲くと夜にはしぼんでしまいます。つぼみが長く伸びてきたら、1~2日後に花が開くので、タイミングを逃さないようにしてください。花は直径20cmほどと大きく、ハイビスカスのような見た目をしていますよ。収穫するとすぐにしぼんでしまいますが、収穫しておしべを取り外したものであれば、密閉容器に入れて数日間は食べて楽しめますよ。
花オクラ(トロロアオイ/黄蜀葵)は花を収穫して楽しめる野菜
1〜2メートルほどに生長し、きれいな黄色い花を咲かせる花オクラ。花は、エディブルフラワーとして収穫して酢の物や天ぷら、おひたしなど色々な料理に活用して楽しむことができます。ただ、花の寿命が短いので、開花期に目を離してしまうと、せっかく咲いた花がしぼんでしまうことも。6~10月の間は、よく株を収穫しておくと、見逃さずにすみますよ。
更新日: 2016年03月14日
初回公開日: 2016年03月14日