エディブルフラワーという言葉をご存知でしょうか?あまりなじみのない言葉ですが、食べられる花「食用花」のことを指します。よく、あんぱんに付けられている桜の塩漬けも、そんなエディブルフラワーの1つなんですよ。今回は、エディブルフラワーについて、種類や使い方をご紹介します。
エディブルフラワー(食用花)とは?
エディブル(Edible)とは、「食用に適する」という意味の英語です。つまり、エディブルフラワーとは、食べられる花を意味します。狭義には、味わうというより、食卓に彩りを加えるために使われるものを指し、広義にはブロッコリーなど花の部分を食用にするもの全てを含みます。
エディブルフラワー(食用花)と観賞用に栽培された花との違いは?
観賞用として栽培された花は、使われる農薬の制限がなく、水銀など食用に使ってはいけない薬品が使われています。これに対して、エディブルフラワーは、安全な肥料や農薬しか使わずに栽培されていることから、食べることができます。
自分でエディブルフラワーを育てるときは、専用の種から栽培します。市販の花の苗は、薬剤が散布されている可能性があるので、食べないように注意しましょう。土は、野菜用の培養土を使い、肥料は野菜用の有機肥料を使うと安心です。
エディブルフラワー(食用花)の種類や使い方は?
1. バラ(薔薇)
バラは、見た目の華やかさと香りがよいことから、ジャムやケーキの飾り付けに利用されます。また、ビタミンCやビタミンAの含有量が豊富で、食物繊維はバナナの10倍も含まれています。
2. ホウセンカ(鳳仙花)
学校の教材にも利用されるほどメジャーな植物、ホウセンカ。花にはトマトの30倍以上のビタミンCが含まれており、美白や美肌といった美容効果が期待できます。また、免疫力をアップさせてくれる作用もありますよ。
3. 菊(食用菊)
菊は、お刺身に添えられるなど、日本人になじみのあるエディブルフラワーの1つです。βカロテン、ビタミンC、葉酸などのビタミンE群、ミネラル類といった抗酸化作用の高い栄養成分を多く含んでおり、アンチエイジング効果が期待できます。
また、解毒作用によったデトックス効果もあることから、近年注目が集まっています。春菊と一緒におひたしにすると、彩りも鮮やかですよ。
4. キンセンカ(金盞花)
キンセンカは、オレンジや黄色の鮮やかな色が美しい、菊の仲間です。ヨーロッパではハーブとして親しまれ、料理や薬として利用されてきました。ビタミンAの含有量が多く、花びらには殺菌や消炎作用もあることから、胃の不調を和らげてくれます。オートミールと一緒に煮込み、スープとして味わうのがおすすめです。
5. ビオラ
ビオラは、春を代表する花の1つで、花壇の寄せ植えによく利用されます。花色が多く、見た目もかわいらしいことから、ケーキの添え物として活躍してくれます。発芽適温である15~20度の、気候が穏やかなときに栽培をはじめれば、種からでも簡単に栽培できますよ。
6. プリムラ
色鮮やかなプリムラは、口当たりもやわらかく、食べやすいことから、エディブルフラワーの中でも人気があります。ビタミン類が多く含まれ、ビタミンCは同量のホウレンソウの3.5倍と豊富なことが特徴です。
7. ナスタチウム
ナスタチウムは、南アメリカが原産のつる性植物です。葉や花、果実が食べられ、特に葉っぱには辛みがあり、サラダにされることが多いです。ホウレンソウの5倍ものビタミンAを含み、生理不順や更年期障害といった女性特有の病気に対して効果が高いとされています。
8. 金魚草(キンギョソウ)
金魚草は、花姿が金魚に似ていることから名付けられた、かわいらしい春の花です。やわらかい食感で、味も淡白なことから、ケーキをはじめ、様々な料理に利用されます。旬の時期には、食料品コーナーでパックに入った花が販売されていますよ。サラダに加えると、春らしい雰囲気を演出できそうですね。
いろいろな種類のエディブルフラワー(食用花)を食べてみよう
エディブルフラワーには、桜、チューリップ、デンファレ、アサガオ、スミレなどまだまだたくさんの種類があり、栄養や効能も様々です。色鮮やかな花を食べることには驚きですが、どれも優れた栄養価のある野菜ばかりなので、健康をサポートしてくれますよ。
サラダやケーキに加えて、華やかな花の料理を楽しんでくださいね。
更新日: 2021年11月17日
初回公開日: 2015年11月26日