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灰色かび病(ボトリチス病)とは?農薬で予防できる?

植物のかかる病気には、発病すると治療できないものがあります。灰色かび病もその1つ。ただ、予防し、早めに対処すればそれほど怖い病気ではありません。今回は、灰色かび病の症状や治療、対策、有効な農薬などをご紹介します。

灰色かび病(ボトリチス病)とは?

灰色かび病とは、「ボトリチス・シネレア」という菌が原因の病気で、別名「ボトリチス病」とも呼ばれます。草花や野菜、庭木、果樹など、ほぼ全ての植物がかかる可能性のある病気で、他の植物に空気感染します。

症状

灰色かび病が発生すると、まず水がしみたような模様が花びらや蕾、葉、茎などに現れます。放置しておくと、どんどん模様が広がり、最終的には植物全体が褐色に覆われて枯れてしまいます。また、病気が苗の株元に発生すると、苗ごと腐って枯れてしまうことも。

灰色かび病(ボトリチス病)が発生しやすい時期や環境は?

病原のボトリチス・シネレアは、「多湿・気温20~25度」の環境を好むため、3~7月と9~12月によく発生します。枯れた花や果実、弱った植物が感染しやすく、葉が茂って風通しが悪いと、灰色かび病を誘発する原因となります。

灰色かび病(ボトリチス病)の治療はどうする?

一度灰色かび病にかかった部分は、回復しないため、すぐに切り取って処分します。発生初期であれば、その後薬剤を散布して被害を食い止めます。ただ、病気が全体に広がった場合は、株ごと処分するしかありません。

病気にかかった部分を取り除いても、土に菌が残っていると他の株へ感染してしまうため。できれば新しい土に植え替えます。土の入れ替えが難しいときは、薬剤を散布して菌を駆除しましょう。

灰色かび病(ボトリチス病)は、農薬なしに予防できる?

風通しと水はけのよい環境を作ることが、一番の予防策です。草花の場合は、窒素が少なく、カリウムの多い液体肥料を葉の表面に吹きかけましょう。菌がカリウムの多い植物を好まないので、病気の予防ができます。もちろん、肥料効果も得られますよ。

水はけをよくするため、株を植える場所を高く盛って高畝(たかうね)をつくって水が外へ流れるようにします。茂りすぎた葉や枝は、間引き、風通しをよくします。また、枯れた花や葉、周りの雑草をこまめに取り除き、水は株元から与えて多湿を防ぐなど、日頃の手入れが大切です。

灰色かび病(ボトリチス病)に有効な農薬は?

果樹や野菜の場合は、食べても影響のでない農薬を使いたいですよね。そんな方には、カリグリーンやダコニール、トップジンMゾルなどの薬剤がおすすめです。いずれも草花、果樹、野菜に使用できる殺菌剤で、灰色かび病や斑点性の病気の菌などを駆除し、病気を予防します。

ただし、同じものばかりを使い続けると、耐性をもつ菌が生まれるため、いくつかの農薬を交互に散布してください。

灰色かび病(ボトリチス病)は早めの対策を

庭 野菜 ガーデニング

灰色かび病は、ほとんどの植物がかかる、やっかいな病気の1つです。ただ、早めに見つけて取り除けば、影響は軽くすみます。葉や茎に小さなしみが現れたら、灰色かび病を疑い、すぐに処分してくださいね。早めに対処できるように、定期的に植物を観察しておくことが大切です。

更新日: 2020年03月03日

初回公開日: 2015年09月02日

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