キンセンカは、鮮やかなオレンジや黄色の花を咲かせます。また、花びらを油に浸して作られる「カレンデュラオイル」は、スキンケア用品によく使われているのでご存知の方も多いのではないでしょうか。今回は、そんなキンセンカの花言葉や効能についてご紹介します。
キンセンカ(金盞花/カレンデュラ)の花言葉は?
『別れの悲しみ』『悲嘆』『寂しさ』『失望』
明るい雰囲気の花姿とは裏腹に、キンセンカの花言葉は悲しいものばかり。これは、アポロンとレウトコエ王女の悲恋を描いたギリシャ神話のエピソードに由来します。また、黄色い花は、キリスト教を迫害したローマ皇帝の象徴とされることから、キリスト教では否定的にとらえられることが多いことも悲観的な花言葉がつけられた理由の1つです。
ギリシャ神話のエピソード
太陽神アポロンに、水の精クリティが恋をしました。しかし、アポロンとレウトコエ王女は恋仲にあったため、クリティはそれを妬み、王女の父に密告します。それによってレウトコエ王女は生き埋めにされ、それを悲しんだクリティは、9日間空を飛ぶアポロンを眺めていたら、キンセンカに姿を変えてしまったとされています。
キンセンカ(カレンデュラ)の花の色や学名・原産国
- 学名
- Calendula officinalis
- 科・属名
- キク科・キンセンカ属
- 英名
- Calendula
Pot marigold
Common marigold
- 原産地
- 地中海沿岸
- 開花期
- 3~6月
- 花の色
- 黄、オレンジ、白、複色
- 別名
- カレンデュラ
ポットマリーゴールド
金盞花(キンセンカ)
キンセンカ(金盞花/カレンデュラ)はどんな花を咲かせる?
キンセンカは、地中海沿岸を原産とする、キク科の一年草もしくは多年草です。草丈は10~60cmに生長し、茎の先にオレンジや黄色の花を咲かせます。
花びらは一重と八重の品種があり、日の光を浴びて咲きはじめ、夜になると閉じる性質があります。日本へは17世紀頃に渡来したとされています。
名前の由来
学名のCalendulaは、「1ヶ月」という意味のラテン語で、カレンダーの語源となっている言葉です。開花期が長いことにちなんでつけられました。和名の金盞花(キンセンカ)は、花が黄金色の盞(サカヅキ)に見えることに由来してつけられたとされます。
キンセンカ(金盞花/カレンデュラ)の花には、どんな効能がある?
古くから食用ハーブとして利用され、中世ヨーロッパではペストの予防薬や強心剤として使われていたという記録が残っています。乾燥させた花びらは樽に詰められて売られ、横断や胃病などの民間薬として利用されたほか、バターやチーズの色づけ、調味料としても重宝されていました。
また、ビタミンAやフラボノイドを含んでおり、傷ついた皮膚や粘膜、血管を修復・保護する働きがあることから、皮膚薬としても使われてきました。現代では乾燥させた花びらを油に浸して抽出したオイルが配合されたスキンケア用品が数多く出回っています。
キンセンカ(金盞花/カレンデュラ)の開花時期と見頃の季節は?
12~6月と開花期が長いことが、キンセンカの特徴です。性質が強く、育てやすいことから、冬から春の花壇や鉢植えなどに広く利用されていますよ。見頃の季節である3~6月になると、オレンジや黄色をした3~10cmほどの花を咲かせ、切り花にして楽しむこともできます。
キンセンカ(金盞花/カレンデュラ)の種類や品種は?
カレンデュラ・オフィシナリス
単にキンセンカというと本種を指し、「トウキンセンカ(唐金盞花)」とも呼ばれます。「オレンジスター」や「ナカヤスキンセンカ」など、日本で作り出された品種や草丈の低い品種など、バリエーションが豊富です。
カレンデュラ・アルベンシス(冬知らず)
もともとキンセンカという和名は、カレンデュラ・アルベンシスにつけられたものでした。ヨーロッパではごく普通に雑草として自生しています。宿根草で、冬の寒さに当たっても枯れないことから、「冬知らず」という名称で流通しています。
キンセンカ(金盞花/カレンデュラ)の花言葉を楽しもう
マリーゴールドというと、コンパニオンプランツとして虫除け効果のあるフレンチマリーゴールドやアフリカンマリーゴールドを思い浮かべてしまいます。キンセンカの別名もポットマリーゴールドなので、混同してしまいそうですが、分類される属が違うんですよ。
ただ、同じキク科ではあるので、花姿には似たところがあるかもしれません。合わせて植えて、違いを楽しんでみるのもよいかもしれませんね。
更新日: 2020年07月30日
初回公開日: 2015年11月05日