黄色やオレンジといったエネルギッシュで暖かみのある色が特徴のキンセンカ。室内に花瓶で飾ったり、庭の花壇に植えたりして毎日見ると、なんだか元気な気持ちで過ごせそうですね。今回は、そんなキンセンカの育て方を苗の植え方から日々の手入れまで、さらには少し上級者に向けた種からの栽培方法もご紹介します。
キンセンカとは?
キンセンカは、ヒマワリと同じキク科に属する草花で、太陽のように中心部を囲む形でたくさんの花びらがつきます。花の色は黄色やオレンジなどの暖色系が多く見られます。
お店で購入するときは、ひょっとすると別の名前で目にするかもしれません。学名である「カレンデュラ」や別名の「ポットマリーゴールド」の名前で販売されていることがあるので、これらの名前をもとに店頭で探してみてください。
キンセンカ(カレンデュラ)の育て方に必要な準備は?
- 市販の草花用培養土
- キンセンカの苗(あるいは、種)
- 大きさが5号(直径15cm)以上の鉢
- 鉢底ネット
開花に向けて植えるのに適した時期になると、キンセンカが苗の状態で売られています。これを購入し、鉢に植えて育てるのがおすすめ。5号の大きさの鉢に1株ずつ植えるのが目安です。
ちなみに種であれば1年を通して販売されています。ただ、種から苗に育てるには一手間必要なので、初心者であれば苗から育てるのが安心ですよ。
キンセンカの苗植え・種まきの時期と方法は?
準備が整ったら、土に植えてみましょう。苗植えと種まきの時期と方法は次の通りです。
苗の植え方と時期
苗を植えるタイミングは1〜3月で、この時期に苗が販売されていることが多いです。もし、それよりも前にお店に並んでいる場合は1月頃になるまで待ってから購入しましょう。
- 鉢底の穴にかぶさるように鉢底ネットを置く。
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる。
- 苗をポットから取り出し、少しだけ土を落とす。
- 鉢に苗を置き、土をかぶせる。
- 根の間に隙間なく土が詰まるよう、土の表面を棒でつつく。
- 日の当たる場所に置いてたっぷりと水をあげる。
種まきの時期と方法
種まきの時期は、9〜11月が適しています。種を苗の状態になるまで育てなければならないので、苗の植え付けよりも早く植える必要があります。
- トレーなどに土をまき、そこへ種をまく。
- 芽が出始めたら発育の悪そうなものだけ取り除く。
- 成長して葉が、いくつか付いたらポットに移しかえる。
- あとは「苗」の手順と同様に鉢や地面に植える。
この手順をもとに植えると芽を出すことがあります。必ず芽を出すというものではありませんので気長に育ててみましょう。種から育てると、より一層育てた充実感を味わう事ができますよ。
キンセンカ(カレンデュラ)は水やりや肥料が必要?頻度は?
土に植えたら、毎日の成長を見守ってあげましょう。土の表面が少し白っぽく乾燥したら、たっぷりと水を与えます。夏場であれば1日1回が目安です。
また、葉に元気やハリがなくなってしおれていたり、葉の色が悪いと感じたりしたときは、「液体タイプの肥料」を水やりのかわりに月に数回与えます。効き目が早いので数日で元気になるはずですよ。
キンセンカが枯れる原因は?
キンセンカが枯れてしまう理由の多くは育てる環境にあります。日のあたる風通しのよい場所を好むので、ジメッとした場所では成長がよくありません。室内であればレースカーテン越しの窓際、室外であればベランダなどで直射日光を避けて置いてください。
成長して葉が10枚くらいになったら、茎の先端についている葉を茎ごといくつか摘み取ると風通しがよくなりますよ。一見すると「成長した葉や茎をどうして摘むの?」と思うかもしれませんが、これを「摘心(てきしん)」といって、風通しがよくなり、また成長した茎以外の茎にも栄養がいくようになって、最終的には花数が増え、全体的にボリューム感のある見栄えに仕上がります。
キンセンカは多年草なの?鉢の植え替えが必要?
キンセンカには様々な品種があります。大きく分けると、1年以内に種を残してして枯れる「一年草(一年生植物)」と呼ばれるタイプと、数年にわたって生き延びる「多年草(多年生植物)」と呼ばれるタイプの2種類。どちらのタイプかは、購入する際にお店の人に確認すると安心です。
多年草の品種を購入した場合、植え替えが必要です。花全体が成長し鉢が小さくなってしまうと植え替え時なので、一回り大きい鉢を用意して秋頃に実施しましょう。やり方は苗を植えるときと同様で、土などを準備して行います。
また、この植え替えのタイミングで地面に植えることも可能です。その場合は「苦土石灰(くどせっかい)」という肥料を用意し、土に加えていきます。水やりは植えた直後だけで構いません。時間が経って根が土にうまく定着すると、土内の水分だけで育ちます。もし、天候の都合で土が乾ききっているようであれば水を与えてください。
キンセンカの種取りのタイミングと方法は?こぼれ種でも育つ?
キンセンカは花が枯れた後に種をつけます。この種を採取して秋に植えることで花を増やすことができますよ。手順は以下の通りです。
- 花の中心部分にある種をピンセットなどで採取する。
- その種を時間をかけて乾燥させる。
- 器に水をいれ、種を浮かべる。
- 水に沈んだものだけを確保しておく。
種まきの時期と方法は、上述した通りです。
また、植えっぱなしにしていると、自然に種がこぼれる「こぼれ種」で育つこともあります。
キンセンカの育て方で注意する病気は?
キンセンカは風通しが悪いと病気にかかる可能性もあります。よく見られるのは、葉が黒褐色の斑点模様で埋め尽くされる「炭そ病」やカビで白くなってしまう「うどんこ病」です。こうなると葉で栄養が作れず、枯れてしまいます。
どちらの病気も、専用の薬剤を水で薄めた液を散布することで被害の拡大を食い止められます。早期に発見できるよう、日々の成長を見守ってあげてくださいね。
キンセンカ(カレンデュラ)の育て方を楽しもう
キンセンカは様々な場所で育てられ、手間もそれほどかからない育てやすい草花です。品種によっては何年かにわたって楽しめるものもありますし、種をとって植えるのを繰り返せば長期的にキンセンカがある生活を送れるかもしれませんよ。
日当たりのよい場所で育てて、オレンジや黄色の鮮やかな花を咲かせてくださいね。
更新日: 2023年05月24日
初回公開日: 2015年11月05日