シュッと伸びた枝の先に、黄色い花をたくさん咲かせるエニシダ。寒さと乾燥に強く、痩せた土地でも元気に育つことから、初心者でも安心して育てられる樹木となっています。また、花からは甘くてよい香りがしますよ。今回は、エニシダの花言葉や香り、種類についてご紹介します。
エニシダ(金雀枝)の花言葉とは?
『謙遜』『卑下』『清楚』『清潔』『豊穣』
ある国に、王とその弟が住んでいました。弟は、王である兄を殺害してしまいますが、良心の呵責に苦しみ、城を捨てて巡礼の旅にでます。そのとき、弟は毎日兄への懺悔をエニシダの枝に繰り返していたそうです。このフランスの伝説が、「謙遜」「卑下」という花言葉の由来となっています。
「清楚」「清潔」という花言葉は、エニシダの枝を束ねてホウキを作っていたことにちなんで付けられました。
エニシダ(金雀枝)の花の色や別名は?
- 学名
- Cytisus scoparius
- 科・属名
- マメ科・エニシダ属
- 英名
- Scotch broom
- 原産地
- 北アフリカ、ヨーロッパ、アジア
- 開花期
- 5~6月
- 花の色
- 黄、赤、白、ピンク、オレンジなど
- 別名
- 蝶形花(チョウケイカ)
金雀枝・金雀児(エニシダ)
エニシダ(金雀枝)とは?どんな花を咲かせる樹木?
エニシダは、マメ科の落葉もしくは常緑低木です。日本へは江戸時代中期に渡来しました。樹高は1.5~3mほどに生長し、枝先に町のような形をした花をびっしりと咲かせます。葉っぱは、無駄に水分が奪われないよう小さく、かわりに緑色をした枝が光合成をしています。
生長が早いですが、寿命が7~10年ほどと、庭木の中では短命です。また、寒さや乾燥に強い反面、湿気に弱いことから、日本で育てるときには夏の管理に注意が必要です。さらに、枝や葉にアルカロイド系の有毒成分を多く含んでいます。誤って食べてしまうと、神経麻痺や呼吸困難を引き起こしてしまいます。
エニシダ(金雀枝)の花の香りは?
エニシダの花の香りは、グリーンな香りと表現されます。レモンに似た柑橘系の香りが主で、少しスパイシーさと甘さが加えられたような印象となっています。満開の時期を迎えると、とてもよい香りが漂ってきますよ。
エニシダ(金雀枝)の花の種類や品種は?
エニシダ(Cytisus scoparius)
常緑性の種類で、一般にエニシダというと本種をさします。耐寒性が高く、枝分かれしてたくさんの枝を茂らせます。学名の「scoparius(スコパリウス)」はギリシャ語でホウキ状のという意味で、古くから枝がホウキの材料として使われてきたことに由来します。ヨーロッパの魔女がまたがって空を飛ぶホウキも、エニシダで作られていたと考えられています。
ヒメエニシダ(Cytisus x spachianus)
鉢植えとして広く利用されている種類です。「エニシダ」という名称で流通していることから、上述してエニシダと混同されることもしばしば。草丈が低く、上に伸ばした茎の先に、黄色い花をたくさん付けます。
ホホベニエニシダ(C. scoparius ‘andreanus’)
エニシダの園芸品種で、黄色い花びらの中心が赤く色づくことが特徴です。樹高は2~3mに生長し、花をしたに垂れ下げて咲かせます。
シロバナエニシダ(Cytisus multiflorus)
落葉性の種類で、濃い緑色の葉っぱの間から真っ白な花を咲かせます。樹高は高く、3m以上に生長することもあります。枝が平たくなったものが、「セッカエニシダ」の名前で生け花の花材として利用されます。
エニシダ(金雀枝)を花言葉は様々
エニシダは、花言葉も種類も多く、花色も様々です。また、鉢植えに向くものと地植えに向くものが違います。
そのため、植え付ける前にシーンや、ほしい花色のものをきちんと調査しておくことが大切になります。特にヒメエニシダを間違って購入してしまうケースが多いので、注意してくださいね。
更新日: 2021年04月21日
初回公開日: 2015年12月30日