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マクワウリ(真桑瓜)の栽培!育て方のポイントや種類・品種は?

古くから日本で栽培されてきたマクワウリ。メロンが一般に出回るまでは、家庭でよく食べられていました。お盆のお供えに見たことのある人も多いかもしれませんね。丈夫で育てやすく、家庭菜園向きの野菜なんですよ。今回は、そんなマクワウリの特徴や栽培、育て方のポイントなどについてご紹介します。

マクワウリ(真桑瓜)の学名・原産国・英語

学名
Cucumis melo var. makuwa
科・属名
ウリ科・キュウリ属
英名
Oriental melon
原産地
南アジア
開花期
6~7月
収穫期
7~9月
別名

マクワウリ(真桑瓜)とは?どんな野菜?

マクワウリ

マクワウリは、南アジアを原産とするウリ科・キュウリ属のつる性一年草です。日本では縄文時代の初期から食べられていたとされ、メロンの1種として長年にわたって栽培されてきました。また、その長い歴史の中で「アジウリ」「ボンテンウリ」「ミヤコウリ」「カンロ」など様々な名前で呼ばれてきました。

草丈は仕立て方によっても変わりますが、1~10mほどにつるを伸ばして生長します。葉っぱは、矢じりのような形で、縁にシワが寄っています。初夏になると、その間に黄色い花を咲かせ、授粉すると果実が付きます。実は、品種によって見た目は様々ですが、フットボールのような楕円形をしており、果皮は黄色か白、緑色をしているものが多いです。

熟した果実は、切って生で食べられます。味はメロンほど甘くなくほどよい香りとみずみずしさがあります。このマクワウリの1種とスペインメロンが交配して作られたのが、現在メロンとして一般に出回るプリンスメロンなんですよ。

マクワウリ(真桑瓜)の種類や品種は?

緑色系:味瓜(アジウリ)

アジウリは、果皮が緑色で細長い見た目が特徴のマクワウリです。淡緑〜薄白色の果肉は甘みが強く、マスクメロンのような香りを漂わせます。

白色系:梨瓜(ナシウリ)

ナシウリは、石川県が原産のマクワウリです。「中奥梨瓜」「加賀梨瓜」などが代表品種で、果皮が白色〜淡黄色、白い果肉が特徴です。

黄色系:黄まくわ、黄金まくわ

果皮が黄色の品種です。奈良県や滋賀県が原産の黄金まくわ、別名黃まくわと呼ばれます。昔から栽培されており、伝統的な野菜として扱われています。さっぱりとした甘さで、ナシのような食感が特徴です。

マクワウリ(真桑瓜)の育て方のポイントは?

過去にウリ科の野菜や果実を育てた土は使わず、気温が十分に上がってから植え付けていきます。生育に適した気温が20~28度と高いので、3月下旬~5月上旬にかけてが種まき、4月下旬~6月上旬が苗の植え付けの適期です。ウリ科の植物は連作障害を起こしやすいので注意してください。

マクワウリ(真桑瓜)の種まきの時期と方法は?

マクワウリの発芽適温は、25~30度なので、3月下旬~5月上旬が種まきの適期です。霜の降りる心配がない地域であればプランターや畑に直接まけますが、育苗の方が生育の度合いが揃って育てやすいですよ。

  1. 3号の育苗ポットに種まき用の土を入れる
  2. 赤玉土(小粒)など清潔な土を入れ、湿らせる
  3. 指で土に深さ1cmほどの穴を空け、3粒ほど種をまく
  4. 土をかぶせたら、上から軽く土の表面をおさえる
  5. 発芽するまでは、霧吹きなどで水やりをして土が乾かないようにする
  6. 10日前後で発芽したら、土が乾いてから水やりをして引き続き育てる
  7. 本葉が2~3枚になったら生育のよい苗を1本残して他を間引く
  8. 本葉が4~5枚になったら鉢やプランター、地面に植え替える

マクワウリ(真桑瓜)の苗植えの時期と方法は?

マクワウリは、4月下旬~6月上旬が苗植えの適期です。ソメイヨシノの花が終わった頃に植え付けていくと、気温が十分に上がっていますよ。

鉢・プランター植え

株が大きく生長するので、10号ほどの植木鉢に1株、60cmプランターに1~2株が植え付けの目安です。土は、肥料入りの野菜用培養土か、赤玉土(小粒)7:腐葉土2:バーミキュライト1の割合で混ぜた水はけのよいものを使います。鉢底石を敷いた容器へ、縁から下2~3cmのところまで土を入れます。そうしたら、苗がすっぽり収まるくらいの大きさの植え穴を掘り、根に付いた土を崩さずに植え付けてください。苗が大きくなるまでは、支柱代わりに株の横へ割り箸を立て麻ひもなどで結びつけておくと倒れる心配が少なくすみますよ。

地植え

植え付ける2週間前から土作りをはじめます。まず、苦土石灰を1㎡あたり100~150g(コップ1杯)ほど入れて、1週間寝かせます。その後、1㎡あたり完熟堆肥や腐葉土を2~3kgと、80~120gほどの化成肥料を混ぜ込みます。最後に幅100~150cm、高さ10~15cmの畝を立て、株同士の間隔が70~100cm空くよう植え付けていきます。株元をワラでマルチングしておくと、寒さにあたって枯れる心配が減って安心です。

マクワウリ(真桑瓜)の水やり、肥料の与え方は?

水やり

地植えは、降雨のみで十分育ちます。鉢やプランター植えは、土の表面が乾いたら底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。

肥料の与え方

植え付けるタイミングで土に化成肥料を混ぜ込んだ後は、果実が付きはじめたときに油かすと化成肥料を施していきます。その後は2週間に1回様子を見ながら化成肥料を株の周りの土にばらまき、株元へ土を寄せていきます。 ただ、肥料を与えすぎると「つるぼけ」を起こして収穫量が減ってしまうので注意してください。

マクワウリ(真桑瓜)の誘引や支柱立ての方法は?

マクワウリは、地面をはうように生長することから、地植えでスペースが十分に確保できるときは、支柱を立ててつるを誘引しる必要はありません。ただ、鉢やプランターなどスペースに限りのある栽培方法のときは、あんどん支柱を立てるか、150cmほどの支柱を容器の4隅に立てて20cm間隔で水平に麻ひもを張ってそこへつるを誘引します。

マクワウリ(真桑瓜)の剪定や摘心の時期と方法は?

草丈が20cmほどに生長したら、親づるを5~6節のところで摘み取って摘心します。そこから新しい子づるが生えてきたら、元気のよい3本を残して他を摘み取ります。そして、子づるも伸びてきたら10~12cmのところで摘心をしていきましょう。また、子づるの1~4節あたりまで出てきた孫づるは全て摘み取ってください。

マクワウリ(真桑瓜)の人工授粉の時期と方法は?

マクワウリには雄花と雌花があり、雌花が授粉することで果実が付きます。人工授粉をすることで、実を確実に収穫できるようになります。花の付け根が膨らんでいる方が雌花です。雄花をまるごと摘み取り、雌花にこすりつけていきます。

マクワウリ(真桑瓜)の収穫の時期と方法は?

マクワウリの花が咲いてから30~40日ぐらいで、実を収穫できるようになります。全体が黄色や白く色づき、果実のつけ根(果梗)のあたりの毛がなくなって、わずかに甘い香りがするようになったら、熟したサイン。実のつけ根のところをナイフやハサミで切り取って収穫してください。収穫の前10日間ほどは水やりを控えると糖度が上がり、実が割れるのを防げますよ。

マクワウリ(真桑瓜)の栽培で注意する病気や害虫は?

マクワウリの栽培で気になる病気はつる割れ病、うどんこ病、べと病です。これらの病気は、定期的に殺菌剤を散布することで予防できます。また、気温が上がるとアブラムシやハダニが発生しやすくなります。見つけたら殺虫剤を散布して駆除してください。連作や肥料の与えすぎは、病気や害虫を招く原因となるので、注意してくださいね。

マクワウリ(真桑瓜)を家庭菜園で育ててみよう

マクワウリ2

マクワウリの栽培は、株が大きくなることや、摘心を頻繁に行うことから、植物を栽培するのに慣れた人におすすめ。ただ、接ぎ木苗なら丈夫で、連作障害を起こす心配も少ないので、手をつけやすいかもしれません。見た目が様々なマクワウリは、何度も栽培して楽しむほど愛好家が多い野菜です。ぜひ、栽培にチャレンジしてみてください。

更新日: 2016年06月08日

初回公開日: 2016年06月08日

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