主に鮮やかな赤い色をしたラディッシュは、酢の物やサラダのアクセントとして利用されることが多く、手軽に菜園できる野菜として親しまれています。今回は、そんなラディッシュの育て方について、鉢やプランター、地植えでの栽培方法、種まきの時期や方法、水やりの頻度などをご紹介します。
ラディッシュ(二十日大根)の学名・原産国・英語
- 学名
- Raphanus sativus var. sativus
- 科・属名
- アブラナ科・ダイコン属
- 英名
- radish
- 原産地
- ヨーロッパ
- 開花期
- 5~7月
- 花の色
- 白、淡いピンク
- 別名
- ハツカダイコン(二十日大根/廿日大根)
ラディッシュ(二十日大根)とは?花は咲く?
ラディッシュは、アブラナ科ダイコン属の植物です。種まきから約1ヶ月(二十日ほど)で収穫できることから、「二十日大根」という和名がつけられました。
4~6月頃に種をまき、収穫をせずにいると5~7月頃に白と淡いピンク色をした花を咲かせることがあります。ただし、実は収穫できないので注意してください。
ラディッシュ(二十日大根)の育て方は?
18~30度で、日当たりと水はけのよい土で育てることがポイントです。環境が整っていれば、1年中栽培できますよ。
間引きを適期に行って、根を大きくすると身が大きく育ちます。また、アブラナ科の野菜の中でも比較的に連作に強くはありますが、根こぶ病が発生することもあるので、1~2年は間隔をあけた方が安心です。
ラディッシュ(二十日大根)の種まきの時期と方法とは?
基本的に種まきで育て、1ヶ月以内に収穫します。3月下旬~5月下旬の春まきと、9月上旬~10月下旬の秋まきが種まきの適期です。
ただ、温暖地であれば、7~8月、1~2月の夏と冬を避ければ、いつでも育てることは可能です。1週間ほど時期をずらしながらまくことで、長く収穫を楽しめますよ。
鉢植え・プランター
1. 深さ15~20cmの鉢かプランターを用意
2. 容器の底には発泡スチロールか軽石を敷く
3. ウォータースペースを2cmほどとって用土を入れる
4. 10cmの間隔をとって深さ1cm程度のまき溝を1~2列作る(指や支柱で溝を作る)
5. 1cmの間隔をあけて種をまき、5~10mmほど土を被せて軽く押さえる
6. 水やりをする
地植え
直根性のため直まきで育てます。まず、15cm間隔で深さ1cmのまき溝を作ります。すじまきでパラパラと種をまき、土を1cm程度に薄く覆って軽く押さえてください。
まきすぎると間引きが大変になるので注意してください。種まき後は、たっぷりと水を与えましょう。
ラディッシュ(二十日大根)の土作り、水やり、肥料の時期と方法は?
土作り
鉢やプランターなどで育てる場合、市販の野菜用培養土が簡単でおすすめです。自作の場合は、赤玉土(小粒)6:バーミキュライト2.5:砂1.5に苦土石灰と化学肥料を混ぜた土がおすすめです。
地植えの場合、酸性土壌に弱いので酸性を中和します。植え付けの2週間前に、土1m²に対して苦土石灰100g、堆肥2kg、化成肥料100gをよく混ぜて寝かせておきます。植え付けの1週間前には、高さ10cm程度、幅30~45cmほどの畝(うね)を作っておきます。
水やり
種をまき後、発芽するまでの間は土を乾燥させないように水を与えます。発芽した後は、土の表面が乾いてからたっぷり水を与えてください。
肥料
植え付けの際の肥料だけで十分です。元気のない場合は、化成肥料を本葉が4~5枚の頃にパラパラと少し施しましょう。
ラディッシュ(二十日大根)の手入れ!間引きの時期と方法は?
発芽後、重なり合った葉や元気のない葉を摘み取ります。タイミングが遅れると、状態のよい若葉の根が隣の若葉の間引きで傷がつき、割れたラディッシュになってしまいます。
また、本葉が3~4枚になったら株間を5cm程度になるように間引きましょう。間引きした株は食用できますよ。
ラディッシュ(二十日大根)は種まきで増やせる?
収穫をせずそのまま育てると、やがて菜の花に似た花を咲かせつつ、さやに入った種をつけます。種は乾燥させてから保存し、適期に種をまきます。種まきの時期や方法は上記での育て方と同じです。
ラディッシュ(二十日大根)の育て方で気をつける病害虫は?
比較的病害虫に強いのですが稀に、立枯病や軟腐病、菌核病、白さび病、アオムシ、アブラムシ、ネキリムシなどが発生する場合があります。
立枯病、軟腐病、菌核病、白さび病
連作を避け、正しい土作りや追肥、水やりを適切に行うことで予防することが可能です。
アオムシ、アブラムシ、ネキリムシ
発生したら薬剤を使わずに割り箸やテープで捕殺するか、食品成分を使用した天然成分の殺虫殺菌剤を散布しましょう。ネキリムシは、種まきの段階で殺虫剤を混ぜ込むことで予防できます。
ラディッシュ(二十日大根)の種類・品種は?
狭いスペースでも気軽に育てられるラディッシュはミニ野菜として人気があります。今回はいくつかの品種をご紹介します。
コメット
2cm程度の鮮やかな赤色の根をしている、代表品種です。風味がよいのでサラダや酢の物、塩漬けに適しています。
カラフルファイブ
根色が赤・白・紫・ピンク・薄桃紫色のカラフルな品種です。葉はやわらかく丸い形をしており、根と一緒に煮食や一夜漬けに適しています。
さくらんぼ
さくらんぼを連想させる丸い形をした、鮮やかで赤くきれいな根をしています。サラダや料理の彩りにそえるのに適しています。
レッドチャイム
濃い赤色をした丸い形の根をしています。大きく育っても根が裂けにくく、おいしいと人気の品種です。
雪小町
長さは10cm前後で、太さが1.5cm程度の大きさになります。雪のように透きとおる白さがある品種で、やわらかくみずみずしい根は食味に優れているのでサラダや一夜漬けに適しています。
紅白
首側が赤く、尻側が白い紅白の彩りが美しい長形の品種です。サラダや一夜漬けに適しています。
ラディッシュ(二十日大根)を栽培して収穫しよう
本葉が5~6枚になり、ラディッシュの直径が2~3cmほどとなって地面から根元が見え始めたら収穫の適期です。収穫が遅れてしまうと根が割れてしまうので順次収穫しておいしくいただきましょう。
葉っぱから根の部分まで栄養が豊富でまるごと楽しむことができます。簡単に育てられるので、家庭菜園・野菜栽培の入門としてラディッシュを栽培してみてはいかがでしょうか。
更新日: 2023年05月12日
初回公開日: 2015年09月23日