エニシダは、初夏にたくさんの黄色い花を咲かせる常緑もしくは落葉性の樹木です。満開の時期になると蝶が木に群がっているように見えることから、蝶形花(チョウケイカ)とも呼ばれます。今回は、そんなエニシダの育て方について、剪定や挿し木、植え替えの時期と方法などをご紹介します。
エニシダ(金雀枝)の育て方のポイントは?
種類による耐寒性の違いを理解し、高温多湿に注意することが大切です。園芸店でみかけるエニシダには2種類あり、ヒメエニシダは耐寒性が低いことから、鉢植えで育てます。
通常のエニシダは、花が下に垂れ下がっているのに対して、ヒメエニシダは上を向いて花を咲かせることが見分けるポイントになります。また、高温多湿の環境が苦手なことから、夏の管理には気を配りましょう。
エニシダ(金雀枝)の種まき、苗の鉢植え・地植えの時期と方法は?
種まき
10月に実から採取した種を保存し、翌年の3~4月にまいて育てます。鹿沼土(小粒)など清潔な土を育生ポットに入れ、薄く土をかぶせます。そして、土が乾燥しないように水やりをして管理すると、10~20日で発芽します。
生育が旺盛なので、半年ほど経って十分に育ったら、鉢か地面に植え替えましょう。種まきから3年ほどで、花を咲かせるようになりますよ。
苗植え
3~4月に苗を鉢か地面に植え付けます。鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢、地植えは、苗よりも1回り大きな植え穴を掘って植えてください。マメ科は連作障害を起こしやすいので、以前にマメ科の植物を育てた場所には植えないようにします。
エニシダ(金雀枝)の土作り、水やり、肥料の与え方は?
土作り
水はけのよい、弱アルカリ性の土を好みます。鉢植えは、赤玉土(中粒)4:日向土(小粒)4:堆肥か腐葉土2の割合で混ぜた土がおすすめです。
地植えは、植え付ける2週間前に植え穴を掘って、苦土石灰を混ぜ込んでおきます。そして1週間前にはさらに腐葉土や堆肥を2~3割土に混ぜて寝かせておきましょう。
水やり
地植え、鉢植えともに、植え付けて2年以内の株は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。鉢植えはその後も同様に水やりをしますが、地植えはその後の水やりは特に必要ありません。
肥料
植え付けるときに、有機肥料か、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を土に混ぜておきます。そして、地植えは毎年2月に有機質肥料を株元の周辺に埋めます。鉢植えは、毎年3月に緩効性化成肥料を追加で施すと花つきがよくなりますよ。
エニシダ(金雀枝)の剪定の時期と方法は?
花がら摘み
咲き終わった花をそのままにしておくと、種ができて株が弱ってしまいます。たくさんの実や枯れた花を摘み取るのは大変ですが、種を採取しないときは取り除きましょう。
剪定
木が若いうちは、樹形が自然とまとまるので剪定の必要はありません。3年以上木が育ち、混み合ってきたら、6~7月に剪定をします。
適度に枝を間引き、幹への日当たりをよくしていきます。太い枝を切り落としたときは、切り口に癒合剤を塗って雑菌の侵入を防ぎましょう。
エニシダ(金雀枝)の植え替えの時期と方法は?
根がはりにくいことから、植え替えを苦手とします。鉢植えは、3~4月に1回り大きな鉢に、根を傷つけないよう、土は取り除かず、ていねいに植え替えてください。植え替えの手順は、植え付け時と同じです。
エニシダ(金雀枝)の増やし方!挿し木の時期と方法は?
エニシダは、種まきと挿し木で数を増やすことができます。種まきは、植え付け時にご紹介した通りです。挿し木は、3~4月に前の年に伸びた枝、6~7月にその年に伸びた枝を使って行います。
1. 枝を5~10cmに切り取る
2. 先端の葉っぱを2~3枚残して、他を切り落とす
3. 切り口を斜めに切り、水に0.5~1時間浸ける
4. 枝を赤玉土(小粒)など清潔な土に挿す
5. 直射日光の当たらない場所で、土が乾かないよう水やりをして管理する
6. 根が十分に生えたら、鉢か地面に植え替える
エニシダ(金雀枝)の育て方で注意する病害虫は?
あまり病気や害虫の心配はありませんが、まれにアブラムシの被害にあうことがあります。アブラムシは、幹や枝葉に寄生して栄養を吸い取る害虫です。大量に発生するので、見つけたら早めに薬剤を散布して駆除していきます。
エニシダ(金雀枝)の育て方を楽しもう
エニシダは、病害虫に強く、あまり剪定の必要がないことから、ガーデニング初心者の方におすすめの育てやすい植物です。黄色い花からは、沈丁花にも似た、よい香りがしますよ。
花壇の花や黄色の花が欲しくなったときは、花春の訪れを知らせてくれるエニシダを育ててみてはいかがでしょうか。
更新日: 2020年04月19日
初回公開日: 2015年12月30日