植物を楽しむときに、ちょっと工夫を凝らしたい方におすすめなのが、苔玉(コケダマ)。苔で植物を覆うことで緑の量が多くなり、涼やかなインテリアができあがりますよ。今回は、苔玉の作り方や、苔玉におすすめの植物などをご紹介します。
苔玉とは?
苔玉とは、植物の根を土で包み、その周りを苔で固定した苔の固まりの容器です。鉢やポット、グラス容器を必要とせず、苔玉の状態で鑑賞用として飾ることができます。
元々は、根がびっしりと張って強固に固まった状態で容器から引き抜き、そのまま飾る「根洗い」という盆栽の手法を応用した方法です。インテリアとして飾りやすく、個性的な雰囲気が演出できるのが特徴です。
苔玉で育てられる植物は?
苔玉を作るときは、ホームセンターや100均で販売されているミニ観葉植物がおすすめです。
市販の苔玉には、樹木や花、山野草など様々な植物が植えられています。しかし、本来は数メートルに生長する木や、栄養をたくさん必要とする草花は、苔玉に向いている植物とはいえません。また、室内で育てることから、日陰でも耐えられる植物を選ぶこともポイントです。
苔玉におすすめの植物は?
ポトス、アジアンタム、シュロチク、ドラセナ、アレカヤシ、パキラ、コーヒーノキ、テーブルヤシ、シェフレラなど
苔玉を作り方に必要な材料は?
苔玉用の材料は、植物、苔、土、軍手、テグスや木綿糸です。土や苔以外の材料は100均でも手に入るので、お金をかけず気軽にはじめられますよ。以下に必要な材料をご紹介します。
1. 苔
手に入りやすいハイゴケやスナゴケを使うのがおすすめです。あらかじめ苔に付着したゴミや茶色くなった部分をあらかじめ取り除いておき、貼りつけやすいよう水をはったトレーに浸けて吸水しておきましょう。
2. 植える植物
根の土をほぐして取り除き、伸びすぎた根や枯れた茎葉はカットしておきます。
3. 土
植物を固定しやすくするために、ケト土をメインに何種類かの土を混ぜあわせて土台を作ります。この土台の中心に山野草用培養土を入れることで、栄養分が増し、生育を促すことができますよ。
ケト土7:赤玉土(小粒)3か、ケト土5:富士砂2:赤玉土(小粒)3などの割合で混ぜた土がおすすめです。
4. テグス、木綿糸
土の周りに貼りつけた苔がはがれないように、糸でまいて固定します。透明か黒いものを選ぶと、苔の色と自然になじみます。
5. 軍手
ケト土は手につくとなかなか取れないので、汚れないように軍手をはめて作業します。
苔玉の作り方は?
用土を丸めるときは、きれいな球体よりも、しずく型にした方が安定します。ただ、必ずしも丸くする必要はなく、底を平らにしてみたり、二段にしてみたりと自由な形を作ってみてくださいね。
1. 水を加えながら土をこねて、耳たぶくらいの柔らかさにする
2. 丸めた土の中心をへこませ、お椀型にする
3. 中心のくぼみに山野草用培養土を入れる
4. 中心のくぼみに植物を置く
5. あんこを包むようにお椀の口を閉じ、全体の形を整える
6. 土の表面に苔を貼る
7. ☓(バツ)を描くように糸で苔を固定する
8. バケツに水をはり、完成した苔玉を5分間沈める
9. お好みの容器の上に苔玉を飾る
苔玉の作り方の注意点や手入れは?
根の周りに土がないと、植物は栄養を補給できません。土と根の間にすき間ができないようにしっかり土を入れていきましょう。割り箸を使うと細かい作業もしやすいですよ。
また、苔は直射日光が苦手ですが、全く日に当てないと光合成ができず、弱って枯れてしまいます。3日に1回は屋外の明るい日陰に出し、苔の美しさを維持していきましょう。
苔玉のキットはある?
自分で土や材料を揃えるのは面倒。そんな方には、苔玉を作るために必要な材料が全て入ったキットが販売されています。価格は、1,000~8,000円と幅があり、苔の種類によって異なります。まずは、ハイゴケのキットが手軽にはじめられるので、おすすめですよ。
苔玉の作り方を楽しもう
どんな器に飾るのかも、苔玉作りの楽しみの1つです。器の色や形、模様によって和風にも洋風にもアレンジできます。また、ハイドロボールやカラーストーンなどの小物を活用してオリジナリティを出すことができます。全体のバランスを見ながら、自分らしく苔玉作りにチャレンジしてみてくださいね。
更新日: 2020年04月15日
初回公開日: 2015年10月17日