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緩効性肥料とは?遅効性や速効性の違いや使い方は?

植物が元気に茎葉を伸ばし、花をたくさん咲かせるために、肥料は必要です。ただ、種類がたくさんって、何をいつ、どうやって使えばいいのか迷ってしまいますよね。特によく利用されるのが「緩効性の肥料」なのですが、どういった特徴があるのでしょう。今回は、緩効性肥料とは何か、遅効性や速効性肥料との違いや使い方についてご紹介します。

緩効性肥料とは?

肥料 人 手

緩効性肥料とは、肥料の効き方がゆっくりで、一定期間効果が長続きする肥料のことをいいます。最近のガーデニングでは、緩効性肥料をメインの肥料として施し、生長時期や開花期にあわせて、肥料の不足分を液肥などで補うのが一般的な方法です。

緩効性肥料のメリットとは?

もともと肥料は、花や枝、茎を大きく生長させる肥料成分がすぐに水に溶け出してしまうため、肥料効果の調節がしにくい、効き目が強すぎて肥料焼けを起こすなどの欠点がありました。

そこで開発されたのが、肥料成分が溶け出すスピードを緩やかな緩効性肥料です。緩効性肥料は、ゆっくり溶けていくため、肥料焼けを起こしにくく、また、肥料の継続期間も1~2ヶ月と長くなり、初心者でも扱いやすい点がメリットです。また、植え付け時の土に混ぜたり、追加で施したりと色々なタイミングで活用することができます。

緩効性肥料の成分は?

肥料 種類

窒素、リン酸、カリウムといった肥料の3大成分が含まれています。窒素は茎葉の生育、リン酸は花や実の生長、カリウムは球根や根を丈夫にする働きがあります。これらの配合量は、肥料によって異なるので、施すときは成分表示をよく確認しましょう。

また、マグネシウムやカリウム、亜鉛などの微量成分を含むものや、油かすや骨粉など有機性肥料を含んだものもあります。

緩効性肥料の種類は?

緩効性肥料は、その加工方法によって3つの種類があります。以下に、それぞれの特徴をご紹介します。

1. 生物的安定性肥料

土の中にいる微生物の活動をコントロールする薬品を加えたものです。微生物が活動すると、土の中の尿素がアンモニアに変化したり、硝酸イオンが窒素に変わったりすることがあり、土の性質を変えてしまう可能性があります。これらを微生物の活動を抑えることで防ぎ、長く肥料の効果を持続させます。

2. 化学的緩効性肥料

主に窒素が土に溶け出すスピードを抑えるように処理が施されたものを指します。水に溶けづらい性質があり、土の中の水や微生物によってゆっくりと成分が溶け出していきます。肥料の効果が土の温度や水分、微生物の活動量によって変化することから、粒の大きさを調節して施すことがポイントです。

3. 物理的緩効性肥料

肥料の粒の表面を加工し、肥料が溶け出すスピードを調節しているものです。別名、「コーティング肥料」とも呼ばれます。植物の生長に応じて、必要な量だけを施すことができます。

緩効性、遅効性、速効性の違いは?

観葉植物 肥料 液肥 肥料

肥料は、肥料効果があらわれるまでの時間によって、緩効性、遅効性、速効性の3種類に分けられます。

 緩効性

上述した通り、ゆっくりと効く肥料のことです。元肥として利用することが多く、最も利用されるタイプです。

遅効性

肥料を施してからしばらく時間がたって、効果がではじめる肥料です。微生物が肥料を分解することで肥料成分が一気に溶け出す性質があります。主に骨粉や油かすなど、動物や植物由来の有機質の肥料を指し、なかなか溶けない化成肥料も遅効性肥料と呼ばれます。

元肥や追肥として利用することが多く、天然の肥料のため他の肥料との組み合わせによって効果が増減することがあります。

速効性

肥料をまいてから、すぐに効果があらわれる肥料です。その分、肥料効果がなくなるまでの時間も早く、開花期や最盛期などの限られた期間の追肥、または、固形の肥料が利用しにくい環境の場合に多く利用されます。

尿素など、水に溶けやすい性質を持つ化成肥料や、水に薄めて使う液肥などがこれに当たります。すぐに肥料成分が植物に吸収される分、持続期間が1週間ほどと短いことが特徴です。そのため、肥料を与える回数が多くなります。

緩効性肥料の使い方は?

肥料 緩効性化成肥料 追肥

緩効性肥料は、花木や観葉植物、ラン、野菜、果樹など家庭で楽しむ植物のほとんどに対して使えます。与えるタイミングは、植え付け時と生育期の主に2回。

植え付け時に使うときは、土に混ぜ込んでおきます。このとき、苦土石灰と一緒に混ぜてしまうと、肥料の窒素が反応して、アンモニアガスを発生させる恐れがあるので、植え付ける2週間前に苦土石灰、1週間前に緩効性肥料と施すタイミングをずらしましょう。

その後、生育期の2~3ヶ月に1回植物に緩効性肥料を施すと、生育がよくなります。

緩効性肥料はガーデニングに欠かせないものの1つ

肥料といっても色々な種類があり、しっかり使い方を知ることで植物を元気に育てることができます。緩効性肥料は、植え付け時に使うことで植物に長期間しっかりと栄養を届けてくれる効果があります。

また、液肥と違い、生育途中にたびたび肥料を与えずに済むのもメリットです。これからガーデニングをはじめる方は、緩効性肥料上手に利用してみてくださいね。

更新日: 2023年03月08日

初回公開日: 2015年12月24日

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