ラベンダーといえば香りの高いハーブとして有名ですよね。その中で代表的な種類の1つがフレンチラベンダーです。甘い香りを漂わせながら、うさぎの耳のようなかわいらしい花を咲かせます。今回は、そんなフレンチラベンダーの育て方について、剪定や増やし方などをご紹介します。
フレンチラベンダーとは?どんな種類?
フレンチラベンダーとは、ストエカスラベンダー系と呼ばれるラベンダーの一種です。年間を通して暖かく乾燥した環境で育つ多年草で、4〜7月頃にうさぎの耳のような形の花を咲かせます。ラベンダーの中では暑さに強く夏越しがしやすい種類と言われ、育てやすいハーブとして知られています。
フレンチラベンダーの鉢植えに必要なグッズは?
- フレンチラベンダーの苗(苗、ポット苗、小ポットなどと呼ばれている)
- 苗よりも一回り大きな植木鉢
- ラベンダー用かハーブ用の培養土
- 鉢底石
- 鉢底ネット
フレンチラベンダーは鉢に植えて育てる(鉢植え)のがおすすめです。手軽にはじめられるうえ、移動させやすいので置き場所も簡単に変更できます。4〜5月が育て始めるのに適した時期なので、それまでに上記の鉢植えグッズを用意をしましょう。
フレンチラベンダーの育て方!苗を鉢に植え直す方法は?
フレンチラベンダーを鉢植えにする準備が整ったら、苗を鉢に植えましょう。市販されている苗をビニールのポットに入ったまま育てると、根の生長するスペースがなくなって枯れてしまいます。手元に届いたら、できるだけはやく一回り大きな鉢に植えなおしてあげてくださいね。
■ 苗を植える手順
- 4〜5月にグッズを揃える
- 植木鉢の底に鉢底ネットをしいて鉢底石を詰める
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる
- ポットから苗を取り出す
- 根を傷つけないよう根の周りをていねいに揉んで土を落とす
- 苗を新しい鉢の中心に置いて周りに土を入れる
- たっぷりと水やりをする
- 風通しがよく日当たりのよい場所に置く
フレンチラベンダーの育て方!水やりや肥料の与え方は?
フレンチラベンダーを元気に育てるなら鉢に植えた後のお手入れが大切です。水やりと肥料の与え方がポイントになるので、それぞれについてご説明します。
水やりの仕方
春から秋までは鉢の土の表面が乾燥したら水やりをします。鉢の底から流れ出るくらいたっぷり与えましょう。冬は鉢の表面の土が乾燥してさらに数日は放置してから水を与えてください。蒸れて枯れる原因になるため鉢の受け皿に溜まった水はすぐに捨てましょう。
肥料の与え方
フレンチラベンダーは肥料が少なくても十分育つハーブです。ただ、養分が少なすぎると生長が鈍くなるので3〜7月の間に肥料をあげてサポートしてあげましょう。固形の緩行性化成肥料を用意し、根元から離して鉢の縁にちりばめてください。1〜2ヶ月ほど効果が持続します。
もし、茎が弱って元気がないようなら、即効性のある、薄めた液体タイプの肥料を与えてみてください。10日に1回の頻度で水やり代わりに与えます。
フレンチラベンダーの夏や冬の育て方は?
フレンチラベンダーは他の種類よりも夏の気温に強い種類です。ただ、湿気が多いと枯れてしまうので梅雨の時期はベランダなどは避けて室内に入れたり、風通しのよい場所に移動させたりして管理してください。
また、冬は雪が積もったり、霜に当たったりしないように注意が必要です。雪が積もると茎が折れやすくなり、霜に当たるとフレンチラベンダー全体が枯れていきます。
フレンチラベンダーの収穫時期は?剪定方法は?
フレンチラベンダーは花が咲きはじめたら収穫のタイミングです。5月下旬〜7月上旬の間に花のすぐ下あたりで切り取りましょう。この花や茎を切ることを園芸では剪定(せんてい)といいます。収穫も剪定の一種で、切りとったフレンチラベンダーは切り花やドライフラワーなどにして楽しめますよ。
また、湿気状態が続いて枯れてしまうので、風通しをよくするために3月、5下旬〜7月上旬、9月、12月頃、混み合った茎や伸びすぎた茎があれば、葉っぱを5〜6つほど残してその上を切り取ってください。
咲いた直後に花を切ることに抵抗を覚えるかもしれません。ただ、悪いことではないんですよ。花に送るはずの養分が蓄えられて、翌年以降の花の生長に使われます。思い切って剪定に挑戦してみてくださいね。
フレンチラベンダーの育て方!鉢の植え替え時期と方法は?
フレンチラベンダーを鉢に植えて1〜3年ほどたったら植え替えの時期です。鉢の裏をのぞいてみて根がはみ出ていたり、以前より水を与えたあと水の浸透に時間がかかるようになったら植え替えのタイミング。
鉢の中で根がギュウギュウ詰めになっているので3〜5月、9〜11月の間に植え替えを行いましょう。
■ 用意するグッズ
- 一回り大きな植木鉢
- ラベンダー用の培養土
- 鉢底石
- 鉢底ネット
植え替え手順
- 水やりを控えてフレンチラベンダーの鉢の土を乾燥させる
- 新しい植木鉢に鉢底ネットをしき、鉢底石を入れる
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる
- 鉢をひっくり返してフレンチラベンダーを抜く
- 根を傷つけないよう、やさしく根についた土をもみ落とす
- 黒ずんだ根があれば清潔なハサミで切り取る
- 新しい鉢にフレンチラベンダーを入れて土ですき間をなくす
- 水やりをして日陰で1週間ほど管理する
フレンチラベンダーは増やし方!挿し木の時期と方法は?
フレンチラベンダーは「挿し木」という繁殖方法で数を増やせます。栽培に慣れてきたらぜひチャレンジしてみてください。
4〜6月または9月の間が挿し木に適した時期なので、挿し木用のグッズを用意して手順を進めましょう。
■ 用意するグッズ
- 新しい植木鉢(プランターや小鉢など)
- 無菌のバーミキュライトなどの土か、挿し木用培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 清潔な剪定バサミ
- 茎の切り口に塗って根の生長をサポートする薬剤(発根促進剤)
挿し木手順
- コップに水を入れる
- 新しい鉢の底へ鉢底ネット、鉢底石、無菌の土を順に入れる
- 5〜6cmだけフレンチベンダーの茎を切り取る
- 葉っぱを下半分だけ取り除く
- 切り口を水に1時間ほどつけ、水からあげたら切り口に発根促進剤を塗る
- 鉢の土に指や割り箸で穴を空けて茎を挿し込む
- 土が乾燥しないよう定期的に水やりをする
- 直射日光の当たらない窓辺など明るい日陰におく
- 3週間ほどたって根が生えたら新しい苗として植え直す
フレンチラベンダーの栽培で注意する病気や害虫は?
フレンチラベンダーの新芽には、アブラムシやハダニがつきやすいので注意してください。特にハダニは乾燥した状態を好むので、水やりとは別に定期的に霧吹きなどで葉や茎に水をふきかけて湿らせることで予防できます。ハダニを見つけたら霧吹きで水を吹きかけるか、薬剤を散布してください。
フレンチラベンダーの育て方はほかのラベンダーとほとんど同じ
フレンチラベンダーはラベンダーの中でも暑さに強く、比較的育てやすい品種です。また、ほとんどのラベンダーと栽培方法が同じなので、ラベンダーを育てたことのある方にとっては扱いやすいかもしれません。
ガーデニング初心者の方にもおすすめなので、庭やベランダに余裕のある方は、ぜひフレンチラベンダーを育ててみてくださいね。
更新日: 2022年07月06日
初回公開日: 2016年04月18日