ハーブと一口に言っても、お茶などにして楽しむものから、アロマ、ポプリなど香りを楽しむもの、虫よけ効果のあるものまで、その利用方法は様々です。そんなたくさんのハーブのうち、タンジーは防虫効果に優れたハーブとして知られています。また、夏の間に咲く花は、もこもこしていて、かわいらしいんですよ。今回は、そんなタンジーとはどんなハーブで、どんな育て方をするのかご紹介します。
タンジーの花言葉とは?
『平和』『挑戦する』『婦人の美徳』
タンジーは、夏から秋にかけて強いい香りを放つ黄色い花をたくさん咲かせます。この花姿から連想されて、「平和」「婦人の美徳」といった花言葉が付けられました。
タンジーの学名・原産国・英語
- 学名
- Tanacetum vulgare
- 科・属名
- キク科・ヨモギキク属
- 英名
- Tansy
Buttons
Golden buttons
- 原産地
- ヨーロッパ~アジア
- 開花期
- 7~9月
- 花の色
- 黄
- 別名
- 蓬菊(ヨモギギク)
蝦夷蓬菊(エゾヨモギギク)
タンジーとはどんなハーブ?
タンジーは、キク科ヨモギギク属に分類される多年草です。ヨーロッパからアジアにかけての広い範囲を原産とし、北アメリカにも野生化したものが見られます。日本では北海道に自生していることから、蝦夷蓬菊という和名を持っています。
草丈は70~150cmほどに生長する中~大型なハーブです。羽のように細かく切れ込んだ葉っぱは、深緑色をしていて、蓬に似ています。また、夏になると茎の先にたくさんの黄色い花を咲かせます。花びらが密に付いてボタンのように見えることが、「Golden button」という英名が付けられました。
葉っぱは、樟脳のような香りがあり、防虫効果に優れています。そのため、窓のそばで栽培するとよいですよ。また、古くはケーキやプディングの香り付けに利用されていましたが、今では有毒成分が含まれているので食べられることはありません。
タンジーの育て方のポイントは?
日当たりと風通しのよい場所で育てることがポイントです。寒さにも暑さにも強く、冬になると地上部は枯れてしまいますが、春には再び芽吹きます。ただ、蒸れには少し弱いところがあるので、株同士の間隔は十分に空けるようにしてください。また、繁殖力が旺盛で、思ってもいない場所にまで広がってしまうことがあるので、植え場所をブロックで区切るなどして制限するとよいですよ。
タンジーの種まきの時期と方法は?
3~5月か9~10月がタンジーの種まきの適期です。
- 育苗ポットに種まき用培養土を入れる
- 指で土に浅く3ヶ所付けるくぼみを
- 種を1粒ずつくぼみにまく
- 薄く土を被せ、たっぷりと水やりをする
- 土が乾かないよう水やりをして管理する
- 本葉が2~3枚になったら、生育のよい株を1つ残して、他を間引く
- 本葉が4~5枚になったら、鉢やプランター、地面に植え替える
タンジーの苗植えの時期と方法は?
5~6月か10~11月が苗植えの適期です。株同士の間隔は、50~60cmと十分空けて蒸れを防ぎます。鉢植えは10号鉢に1株、60cmプランターに1~2株が植え付けの目安です。
- スコップで苗よりも1回り大きな植え穴を掘る
- 根に付いた土は崩さず、植え穴に苗を置く
- 掘り起こした株を埋め戻す
タンジーの土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
水はけさえよければ、特に土質は選ばずよく育ちます。赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜあわせた土か、市販のハーブ用培養土が鉢やプランター植えにはおすすめ。地植えは、植え付ける1週間以上前に、土へ苦土石灰を1㎡あたり100g(コップ1杯くらい)混ぜ込んで酸性度合いを中和します。
水やり
過度な水やりは株の蒸れを招く原因となります。鉢植えは、土の表面が乾いてから水やりをしてください。水蒸気に変わりやすい日中ではなく、朝や夕方など涼しい時期に水やりをすることがポイントです。地植えは、特に水やりをする必要はありません。
肥料の与え方
植え付けるタイミングで、緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきます。そして、生育が悪いようなら、3~5月と9~11月の間、2~3ヶ月に1回油かすを与えるか、液体肥料を適宜施します。生育がよいなら、追加の肥料は必要ありません。
タンジーの植え替えの時期と方法は?
どんどん地下茎を伸ばして生長するので、毎年植え替えが必要です。株が大きくなりすぎたときは、株分けするのも1つの方法です。植え替えの手順や時期は、苗植えに準じます。
タンジーの増やし方!株分けの時期と方法は?
タンジーは、種まき、挿し木、株分けで数を増やすことができます。ただ、こぼれ種でどんどん数が増える他、地下茎も広がっていくので、特に増やす工夫をする必要はありません。
株分けは、植え替えを兼ねて行うと効率的です。それぞれの株に芽が均等に付くよう、掘りあげた株を2~4つに分けていきます。根に付いた土をきれいに取って、ハサミやナイフで切り分けます。その後は、鉢や地面にそれぞれ植え付け、通常どおり管理していくと自然に育っていきますよ。
タンジーの収穫の時期と方法は?
開花期に花を茎ごと摘み取っていく他、葉っぱは春~秋の間であればいつでも収穫して楽しめます。ドライフラワーとして花を使うときは、咲きはじめたタイミングで、茎ごと刈り取って風通しのよいところに吊るしておくとよいですよ。葉っぱは乾燥させて、ポプリに利用します。
タンジーの栽培で注意する病気や害虫は?
虫よけの効果があるほどなので、病気や害虫の心配はまずありません。
タンジーは繁殖力旺盛なハーブ
繁殖力旺盛で丈夫なタンジーはガーデニング初心者でも気軽に育てられるハーブです。多年草なので、一度植えれば毎年花を咲かせてくれますよ。たくさん収穫できたら、サシェにしたり、逆さに吊るしてドライフラワーにしたりと、思い思いに楽しめます。防虫剤があるので、家のあちこちに飾ってもよいですね。
更新日: 2016年06月18日
初回公開日: 2016年06月18日