チェリーセージは、観賞用のハーブとして人気の植物です。鮮やかな赤色と白色の花びらがかわいらしく、葉を揉むとサクランボのような甘い香りを放つことが特徴です。
今回は、そんなチェリーセージの育て方について、剪定や切り戻し、挿し木での増やし方などをご紹介します。
チェリーセージとは?どんな花を咲かせるハーブ?
チェリーセージは、メキシコに分布する多年草の観賞用ハーブです。サルビア・ミクロフィラをはじめ、近縁種のサルビア・ヤメンシス、サルビア・グレッギーなど数種を総じてチェリーセージと呼ばれます。
春から秋までによく枝を伸ばし、枝分かれした茎先や葉の脇から舌のような形をした鮮やかな真紅の花を穂状に咲かせます。
全体的に自然な雰囲気を持ち、1度に咲く花数が少ないので、控えめな印象を与えます。草丈は0.5~1.5mほどになり、大きく育つとこんもりと茂ります。ハーブとして利用されるほか、ナチュラルガーデンやイングリッシュガーデンにもよく植えられています。
名前の由来
葉を揉むと、サクランボのような甘い香りがすることが名前の由来です。
また、属名でもあるサルビア(Salvia)は、ラテン語の「salvare(治療)」「salveo(健康)」が語源となっており、薬用ハーブとして親しまれているセージの仲間であることにちなんでいます。
チェリーセージの苗植えの時期と方法は?
チェリーセージは、4~5月または、9~10月が植え付けの適期です。苗のうちは寒さに弱いので、はじめて育てるときは春に植え付けるのが安心です。
鉢植えは、苗よりも1~2回り大きな鉢に植え付けていきます。地植えは、日当たりのよい場所を選び、植え付ける2週間前から土作りをはじめましょう。
植え穴は苗よりも1~2回り大きな穴を堀り、株同士の間隔は40~50cmほど空けるとよいですよ。
チェリーセージの土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
水はけと水もちのバランスがよい、中性~弱アルカリ性の土を好みます。鉢植えは、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合で混ぜた土か、市販のハーブ用培養土を使ってください。地植えは、植え付ける2週間前に苦土石灰、1種間前に腐葉土を2~3割混ぜて土質を調節しておきましょう。
水やり
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。特に生育期の春~秋は、毎日水を与えるくらいでちょうどよいですよ。
一方、生育が衰える冬は、水やりの回数を減らして乾燥気味に管理します。地植えは、水やりの必要は特にありません。
肥料
毎年5~9月、2~3ヶ月に1回、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を与え、生育と花付きをよくします。また、花数が少なかったり弱っていたりするようなら、薄めた液肥を与えてもかまいません。
チェリーセージの剪定!切り戻しの時期と方法は?
チェリーセージは真夏と真冬を除いた時期なら、いつでも切り戻しが可能です。芽吹く力が強いので、花が咲き終わった後などに枝先をカットしても、新しい芽が伸びて繰り返し花を付けてくれます。
冬に枯れてしまった枝は、霜の心配がなくなった春に株元付近から切り落としましょう。この作業を行わずにいると、枝の高い位置から芽吹き、株全体のバランスが悪くなります。
また、細かい枝がよく茂るので、風通しをよくするために夏前にも切り戻しを行います。これで、秋にも再び花を咲かせるようになりますよ。
さらに、数年たった太い枝は、花付きの悪い細い枝を出すことが多いです。根元で切り詰め、若い枝を出させましょう。
チェリーセージの植え替えの時期と方法は?
チェリーセージの鉢植えは、1~2年に1回、3~4月に植え替えをして根詰まりを防ぎます。1回り大きな鉢へ植え替えましょう。株が大きくなりすぎているときは、地植えにするのも1つの方法です。手順は、植え付け時と同じです。
チェリーセージの増やし方!挿し木の時期と方法は?
チェリーセージの挿し木は、5~7月が適期です。切り戻した枝を使うか、今年伸びた元気のよい新芽を10~15cmほどの長さに切り取り、挿し穂とします。
1. 枝の先端に付いている葉っぱを2~3枚残し、他を切り落とす
2. 切り口を20~30分ほど水に浸ける
3. 水揚げした後、発根促進剤を切り口に付ける
4. 赤玉土(小粒)やバーミキュライトに枝を挿す
5. 土が乾燥しないよう水やりをして、日陰で管理する
6. 1~2週間ほどで発根し、十分に根が生えたら鉢や地面に植え替える
チェリーセージの育て方のポイントは?
日光に当たる場所に植え、毎年枝を剪定することがきれいに育てるポイントです。太陽の光に当たらないと、花数が少なくなり、香りも薄れてしまいます。
また、細かい枝をよく茂らせ、すぐに株の風通しが悪くなるので、定期的に切り戻すと、病害虫を予防し、きれいな草姿を作ることができますよ。
チェリーセージをガーデニングで育ててみよう
チェリーセージの葉を揉むとサクランボのような甘い香りを放ちます。この香りは、アブラムシが苦手なので、防虫効果にもなるんですよ。
花壇のスペースに余裕のある方は、コンパニオンプランツとしてチェリーセージを植えてみてはいかがでしょうか?
更新日: 2021年05月19日
初回公開日: 2016年01月02日