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アケビの育て方|栽培のコツや挿し木での増やし方は?

中心がパックリと割れた形がユニークな実をつけるアケビ。茎は古くから利尿に効く漢方薬として利用され、山野では自然に見かける果樹です。つるを伸ばして生長する姿からは、野性的な力強さが感じられ、育てている人も多くいますよ。今回は、そんなアケビの栽培について、育て方のポイントや種まきの時期と方法などをご紹介します。

アケビの育て方のポイントは?

果実を収穫して楽しむなら、種類の違う株を2個以上植え付け、つるを誘引していくことがポイントです。

アケビは、雄花と雌花を同じ株に咲かせますが、1本では受粉率が低いことで知られています。違う種類の株を近くに植えて、受粉しやすい環境を作るようにしてください。また、つるをどんどん伸ばして生長するので、支柱やフェンスなどに誘引して株の姿を美しく保ちます。

アケビの種まきや苗植えの時期と方法は?

アケビ

種まき

アケビは、実の中にある種を採取して育てていきます。乾燥を嫌うので、採取したらすぐにまくか、湿らせたティッシュペーパーに包んで冷蔵庫で保管します。種まきの適期は、9~10月です。

育苗ポットなど適当な容器に、有機質を含まない土を入れ、しっかりと土を種にかぶせて植え付けます。その後は、土が乾燥しないように水やりをしながら日陰で管理していると、翌年の春頃発芽します。実がつくまでには3年以上かかるので、じっくり育てたい方におすすめです。

苗植え

11~3月に、苗を鉢植えか地植えにして育てていきます。鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢に赤玉土(小粒)7~8:腐葉土2~3の割合で混ぜた、水はけと水もちのバランスがよい土を入れて植え付けていきます。鉢のサイズは、7~8号くらいが適当です。土は、市販の果樹用培養土を使ってもかまいません。

地植えは、日当たりのよい場所を選び、植え穴を掘った土に腐葉土や堆肥を混ぜて水はけをよくしてから、苗を植えます。

アケビの水やり、肥料の与え方は?

アケビ 花

水やり

アケビは根が浅いところにはり、乾燥に弱い植物です。鉢植えは、土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。地植えは、根付くまでは土が乾いたら水を与えるようにします。根付いてからは、日照りが続くなど土が乾いたときに水やりをしていきます。

肥料の与え方

鉢植えは2月、5月、10月の計3回、地植えは2月と10月の2回、有機肥料か速効性化成肥料を与えます。ぶどう用に配合された肥料を使うと手軽にすませられますよ。

アケビの支柱立てや誘引の時期と方法は?

つるを絡ませて生長することから、ある程度生長したら支柱を立てて誘引していきます。鉢植えは、植え付け2年目までは2mほどの支柱につるをまっすぐ誘引し、その後はあんどん支柱を使うときれいに仕立てられます。

地植えは、株の近くにフェンスなど巻きつきやすいものを立てて、合わせて剪定をしながら好みの樹形に仕立てていきましょう。アーチ仕立てにすると、見栄えがよいですよ。

アケビの剪定!時期や方法は?

アケビ 実

アケビは、前の年に伸びた茎の中に花芽が作られます。そのため、剪定をすればするほど花数が減り、結果的に実がつきづらくなってしまいます。できるかぎり剪定はしない方がよいですが、伸びすぎたつるは1~2月と7月の年2回切り詰めていきましょう。冬の剪定は、花芽を2~3個残して剪定をするくらいがちょうどよいですよ。

アケビの植え替えの時期と方法は?

根をどんどん伸ばして生長するので、生育度合いに合わせて2~3年に1回植え替えをしていきます。時期や手順は植え付け時と同じです。

アケビの増やし方!挿し木の時期と方法は?

アケビは接ぎ木でも増やすことができますが、植物の栽培に慣れていない人は挿し木が簡単です。6~7月頃、新しく伸びたつるを5~10cmほどの長さに切り取ります。

先端の方の葉っぱを半分に切り、切り口付近の葉っぱは全て取り除いきます。そして1~2時間ほど切り口を水に浸しておいてから、つるを土に挿していきましょう。

肥料の混ざっていない土を使うことがポイントです。発根率は高くないので、剪定で出たつるを何本か利用するとよいですよ。

アケビの育て方で注意する病害虫は?

アケビは、特にうどんこ病が発生しやすい果樹として知られています。一度かかると、株全体が白い粉で覆われたようになり、美観が損なわれるだけでなく、株が弱ってしまいます。うどんこ病にかかった部分は見つけたらすぐに切除し、殺菌剤を散布して拡大を防いでください。

アケビの育て方を楽しもう

アケビ

アケビを家庭で育てるイメージはあまりないかもしれませんが、決して栽培がむずかしい植物ではありません。むしろ、自然の中でたくましく生き抜いている植物なので、丈夫で病害虫にも強く、手間はほとんどかかりません。

実を収穫するためには、2本以上植え付けなければいけませんが、手入れが簡単なら、じっくり育てて楽しめそうですね。

更新日: 2022年04月13日

初回公開日: 2016年02月11日

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