何か植物を育ててみようかな?と思っても何からはじめたらいいのか最初はだれでもわからないもの。そんな方におすすめしたいのがハーブで有名なラベンダーです。今回は初心者でも育てやすいラベンダーの育て方について、苗を鉢に植えて育てる方法や植え替えの仕方などをご紹介します。
ラベンダーとは?
ラベンダーとはシソ科ラベンダー属に分類される多年草です。多年草とは、一年ではなく数年にわたって咲き続ける植物のことです。芳香剤や香水、石鹸、薬用などに香料としてよく利用され、「ラベンダーの香り」として日用品に利用されるほど香りが有名なハーブとして知られています。
ラベンダーの育て方!苗の鉢植えがおすすめ
ラベンダーは収穫した花の使い勝手がよく、料理やドライフラワー、薬草などに利用されます。毎年育てては収穫できることから、園芸では初心者でも育てやすいハーブとして有名です。種からでは時間がかかるので、初心者の方は春に植えて秋に収穫できる苗から育てるのがおすすめ。
ラベンダーは種類によって若干栽培の時期が違うので、今回は流通数の多いイングリッシュラベンダーの育て方を参考にご紹介します。
開花時期 | 5月〜7月頃 |
植え替え時期 | 3月〜5月/9月〜11月 |
耐寒性 | 強い ※品種によって異なる |
耐暑性 | 弱い |
フレンチラベンダーの耐寒性は強いのですが、レースラベンダーは耐寒性が弱く、品種によって異なるので、注意してくださいね。
ラベンダーの育て方!まずは苗と植木鉢、土を用意しよう
ラベンダーを育て始めるときに必要なグッズをご紹介します。用意する土は、ハーブ用の培養土でも構いませんが、できれば「ラベンダー」と名前のついた専用の土が好ましいです。
育て始めるのに必要なグッズ
- ラベンダーの苗
- 植木鉢
- ハーブ用の培養土か、ラベンダー用の培養土
- 鉢底石
- 鉢底ネット
ラベンダーの育て方!苗を鉢に植え付ける方法は?
ラベンダーの苗が準備できたら早速、新しい鉢に植えていきましょう。室内で植え替えるならゴミ袋やブルーシートの上で作業すると周りを汚さずにすむのでおすすめです。
植え付け時期・方法
- 4〜5月が適期。新しい鉢の底へ鉢底ネット、鉢底石の順に入れる
- 土を鉢の1/3ほどのところまで入れる
- 苗をポットから取り出す
- 苗を鉢の中心に置いて周りを土で埋める
- 鉢の縁から4cm下に高さをそろえて土を入れ、苗を固定する
- 水やりをして風通しのよい明るい場所に置く
ラベンダーの育て方!水やり、肥料の与え方は?
ラベンダーの苗を新しい鉢に植えたあとは水やりや追加の肥料など、花を咲かせるためのお手入れが必要になります。
水やり
鉢の土が乾燥したら水やりのタイミングです。鉢の底から流れ出るくらい水をたくさん与えてください。ラベンダーには直接かからないよう注意してください。
肥料
3〜7月までは定期的に肥料を与えましょう。
月に1回ほど固形の緩行性化成肥料を根元を囲むようにおいてください。液体タイプの肥料にするなら、10日に1回水やりの代わりに与えます。
ラベンダーの育て方!咲いた花の剪定、収穫方法は?
ラベンダーの花が咲いたら、そのまま飾って楽しんだり、切り取ってドライフラワーにしたりと収穫後の使い道は色々あります。花が咲くまでに利用方法を考えてみてください。
収穫の時期・方法
収穫するなら5月下旬〜7月上旬の間に行いましょう。またラベンダーを放っておくとどんどん茎を伸ばして混み合ってくるので、適度に茎を切り取って(剪定して)通気性を確保する必要があります。根元から5cmほどを目安に茎を切ってあげてください。
剪定の時期・方法
風通しをよくし、見た目を整える剪定は3月、5月下旬〜7月上旬、9月、12月のタイミングで行いましょう。おおよそ3の倍数の月なので覚えやすいですね。特に注意したいのは梅雨の前の時期です。
ラベンダーは蒸れに弱いので、梅雨前には株の間が透けるぐらいに剪定してしまった方がよいかもしれませんね。
ラベンダーの育て方!夏越し、冬越しのコツとは?
ラベンダーは暑さよりも寒さに強いハーブです。そのため、これらの時期を除いた春と秋の温かい時期に1番生長します。夏は直射日光が当たらず、風通しのよい所で管理しましょう。
冬はできるだけ日当たりのよい場所で管理してください。夏と違ってカーテンはあけておき、もし暗い場所においているなら週に1回は日光浴をさせましょう。夏は乾燥のさせすぎや水やりをしすぎない、冬は外に置くなら雪が積もらないように注意して育てるのが枯らさないコツです。
ラベンダーが枯れる原因は?
毎年花を咲かせるラベンダーも育て方を間違えると枯れることがあります。枯れる原因として最も多いと考えられるのが「根腐れ」です。根腐れは、いわゆる「根の窒息状態」のことをいいます。
春に成長期を迎えたラベンダーがどんどん茎を生やし、茎が混み合ってきます。そうすると土の乾燥が遅くなり、土に水分が多く含まれて空気が循環しないのです。茎が混み合ってきたら剪定してください。
また、土と相性がよくない場合もラベンダーは枯れることがあります。土には酸性・アルカリ性というタイプ(指標)がありラベンダーはアルカリ性の土を好みます。今の土がアルカリ性なのかどうかは「pH計、pHメーター、pHモニター、pH測定器、酸性度計測器」などと呼ばれる園芸グッズで確認できるので、気になる方は一度計測してみてください。
ラベンダーの育て方!苗の植え替えの時期と方法は?
植え替え時期
鉢でラベンダーを育てて1〜3年ほどたったなら植え替えの時期かもしれません。鉢の裏をのぞいてみてください。根がはみ出ていたり、水の吸収や浸透にかかる時間が以前よりも長くなったら植え替えのサインです。
生長期の3〜5月、9〜11月に新しい鉢と土を用意して植え替えを行いましょう。ただし、ラベンダーは根が弱く、繊細な植物のため、根が傷つく植え替えを嫌います。できるだけ丁寧に行いましょう。
植え替え方法
- 水やりを控えてラベンダーの鉢の土を乾燥させておく。
- 新しい植木鉢に鉢底ネット、鉢底石の順に入れる。
- さらに土を鉢の1/3ほどまで入れる。
- 鉢をひっくり返してラベンダーを抜く。
- 傷つけないように根についた土を落とす。
- 黒ずんだ根があればハサミで切り取る。
- ラベンダーを新しい鉢に入れて土ですき間をなくす。
- 水やりを行う。
ラベンダーの増やし方!新しい苗は挿し木で育てるとよい?
ラベンダーは種まきや挿し木といった繁殖方法で数が増やせる植物です。ラベンダーの増やし方としては挿し木が一般的で、剪定などで切り取った茎を土に埋めて根を生やさせ、新しい苗として育てることができますよ。
ラベンダーの寄せ植えの時期と方法は?
ラベンダーの栽培を楽しむ方法の1つに寄せ植えがあります。寄せ植えとは開花期や育つ環境が似た植物を大きな鉢へ一緒に植えて楽しむガーニング方法です。
ラベンダーを寄せ植えにするなら、オレガノやレモングラス、レモンバーベナなどほかのハーブと一緒に植えてみてはいかがでしょうか。花の色、葉の形など配置を工夫して彩りを楽しんでみてください。
ただし、もともとラベンダーは植え替えを得意としない点、寄せ植えにすると根詰まりを起こしやすい点などからいずれは枯れてしまう前提で育てるようにしましょう。
用意するグッズ
- ラベンダーの苗
- 一緒に植えたい他の植物の苗
- 全植物を植えられるほど大きな容器(プランターなど)
- 鉢底ネット
- 鉢底石
寄せ植え方法
- 3~5月で植え替えのタイミングや新しく苗を育てるタイミングを狙う。
- 鉢の底に鉢底ネットと鉢底石をし、土を軽くいれる。
- 1番大きな苗を鉢の奥にして他の植物の苗の配置を決める。
- 苗を置いて周りに土を入れていく。
- 全ての苗が固定されたら水やりをする。
ラベンダーの育て方を楽しもう
栽培するだけでなく収穫や寄せ植えなども楽しめるラベンダー。育てやすいハーブとしてはもちろんのこと、ドライフラワーやポプリなどにしたりお部屋に色を加えてくれます。普段はインテリアとして、初には香り付けのお花として、お部屋づくりに役立ててみるのも面白いかもしれませんね。
更新日: 2023年04月05日
初回公開日: 2015年05月11日