生長が早く、育てている手応えが見てとれるウンベラータ。栽培している中で「放置していたら病気になっていた」「いつの間にか害虫がついていた」という経験をした方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなウンベラータの栽培で注意したい病気やハダニなどの害虫について、予防や対策をご紹介します。
ウンベラータって病気や害虫の被害にあいやすいの?
ウンベラータに合わない環境で育てていると、葉っぱが黄色く変色して枯れることがあります。
ただ、もともとウンベラータは「病気や害虫(病害虫)」の被害にあいやすいわけではありません。「常に土が湿っている状態」など、悪い栽培環境が原因となって病害虫を引き寄せるのです。
病原菌や害虫をひきつけやすいウンベラータの栽培環境って?
「病原菌や害虫」が寄ってきやすい環境といわれてもピンときませんよね。ウンベラータを育てていて注意したい栽培環境は2つ。
1つはさきほども紹介した「常に土が湿っている状態」、もう1つが「日当たりや風通しの悪い環境」です。
それぞれの栽培環境でかかりやすい病気やよってきやすい害虫について、対処法や予防策をご紹介します。
環境別に見たウンベラータに寄る害虫やかかりやすい病気の対処法は?
ウンベラータが病害虫の被害にあうと、葉に穴が空いたり、白い点が現れたりといった症状がでてきます。
これらは早めに発見すれば被害を最小限に抑えられ、予防策も打っておけるので異常はないか観察するようにしましょう。
次に3つの環境で寄ってくる害虫や病気と、その対処法についてご説明します。
湿気が高いと寄ってくる「アブラムシ」「カイガラムシ」「コナカイガラムシ」
梅雨などそもそも湿っぽい時期、風通しが悪く湿気が高くなる置き場所などでは、「アブラムシ」「カイガラムシ」「コナカイガラムシ」という害虫がよってきます。
葉がベタベタしてきたらアブラムシやカイガラムシたちの仕業かもしれません。幼虫なら、殺虫剤をまいて退治できます。
カイガラムシは成虫になると殻にこもって殺虫剤が効かなくなるので、使い捨ての歯ブラシなどでこすり落としましょう。発生したら一斉に退治することがポイントです。
アブラムシやカイガラムシを放置していると発生する「すす病」
枝や葉がすすで覆われたように黒く変色する病気がすす病です。アブラムシやカイガラムシの排泄物にひかれて菌が寄ってきます。
すす病になるとただ見た目が悪くなるだけでなく、光合成ができなくなってウンベラータが衰弱しやすくなります。
すす病にかかっている部分を見つけたら、殺虫殺菌剤を散布するのと、近くにアブラムシやカイガラムシがいないか確認し、それらも退治しましょう。
乾燥した葉っぱによってくる「ハダニ」
乾燥した環境を好んで寄ってくるのがハダニという害虫です。ウンベラータの葉や茎に住みつき、養分を吸って葉を弱らせます。
ハダニは体長2〜3mmで、葉の裏などに小さな白い無数の斑点や、かすり傷を見つけたらハダニの被害かもしれません。
被害を見つけたら、殺虫剤を散布して退治してください。ハダニは水分が苦手で、霧吹きを定期的に吹きかけておけば予防になります。
被害がすすんだ葉っぱはその部分だけ切り取るか、見た目が悪くなるなら葉が生えている元から切って処分してください。
ウンベラータが病気や害虫にやられた…何かできることはある?
ウンベラータに被害を及ぼす害虫や病気があることはわかっていても、その被害にあうことはあります。困るのは、なんの病気になったのか、なんの害虫なのかわからないときです。
そんなときでも大切なのは、できるだけ早く対処すること。
被害にあったパターンを、害虫が「大量発生した場合」と「少量だけ発生していた」2つのパターンに分けて、被害にあった際にできることをご説明します。
害虫が少量発生した場合
予防のかいなく害虫や病気の被害にあって気づくのが遅れた場合、まず被害にあった部分を切り取って、病気にかかって落ちた葉を回収しましょう。
被害が進行した部分が回復することはほぼありません。二次被害や他の植物への感染を防ぐための行動が大切です。
その後、殺虫剤などで予防をしながら、早期発見するために、毎日ウンベラータの葉や土を観察する習慣をつけましょう。
害虫が大量発生した場合
害虫が大量発生した場合は被害にあった部位を処理するだけでなく、スプレータイプや液体タイプの殺虫殺菌剤か、殺虫剤で鉢をまるごと殺菌します。
鉢全体にスプレーを吹きかけ、液体タイプの殺虫剤を薄めたバケツの中に植木鉢を沈め、害虫を退治するのと合わせて土全体も殺菌してください。
鉢をバケツから取り出して水をきり、さらに錠剤や粒タイプの殺虫剤をまいて予防に努めます。もしこのあと枯れてしまったのであれば、残念ですがウンベラータを処分するしかありません。
毎日ウンベラータを観察して予防と早期発見につとめよう
ウンベラータを育てていて害虫や病気の被害にあいたいと思っている方は1人もいません。ただ、害虫や病原菌は服について侵入したり、窓から入ってきたりと誰もが被害にあう可能性があります。
もし少しの被害で収まったのであれば、これをいい機会として病害虫が発生しないような栽培環境を整え、万が一被害にあったとき早期で発見して対処できるよう日々の観察やお手入れをしてあげてくださいね。
更新日: 2017年01月28日
初回公開日: 2016年02月29日