「優美」という花言葉をもつラベンダー。石鹸や香水の香料として使われるなど、その知名度はハーブの中でもトップクラスです。そんなラベンダーを鉢で育てるときに見た目をよくしたり、収穫したりするときには「剪定(せんてい)」が欠かせません。今回はラベンダーの花を毎年楽しむための剪定ついて、切り戻しや刈り込みなどの切り方、茎を切ったあとの育て方などをまじえてご紹介します。
ラベンダーの剪定!切り戻しや収穫とは?
剪定とは、植物の茎や枝を切る作業を意味する園芸用語です。植物を切る場所・方法・タイミングによって「切り戻し」や「収穫」など呼び名が変わりますが、それらを総称して剪定と呼びます。
形を整えたり、花や果実の収穫量を増やしたり、剪定する目的は植物によっても違います。ラベンダーにはラベンダーに合った剪定が必要なんですよ。
ラベンダーを剪定する理由は?
ラベンダーは茎や根を剪定しますが、その目的は次の4つ。
- 形を整えるため
- 収穫するため
- 健康を維持するため
- 数を増やすため
ラベンダーを育てて楽しむには剪定が不可欠です。上手に剪定できれば、毎年ラベンダーの収穫を楽しめますよ。
ラベンダーの目的別の剪定方法!時期によって違う?
剪定の方法や時期によって目的は違ってくるので、先ほどの目的別に分けた剪定の方法と適した時期をご紹介します。
1. 形を整えるため
ラベンダーを鉢で育てて1〜2年ほどたつと茎が自由な方向に伸びて見た目(樹形)が崩れます。伸びすぎた茎が増えたり剪定を怠っていたりするのが原因です。見た目だけを整えるなら、3月、5月下旬〜7月上旬、9月、12月の期間に伸びた分だけか、昨年以前の古い茎は茎元から切り取りましょう。
2. 収穫するため
ラベンダー栽培の醍醐味の1つといえば「収穫」です。5月下旬〜7月上旬の間に花を切り取りましょう。開花してすぐであればあるほど、香りを放つ蕾が残っているので切り花にしたときに香りを楽しめます。
収穫するときは翌年も花を咲かせるようにラベンダーの根元から4〜6つほど節(葉っぱが生えている部分)を残してその上を切ってください。
3. 健康を維持するため
毎年茎が伸びるラベンダーは2年も放っておけばラベンダーの根元が見えなくなるくらい多数の茎を生やします。この状態では風通しが悪いうえに日光が当たりません。放っておくと害虫や病原菌が寄ってきて食べられたり、病気になって枯れてしまいます。
収穫と同じ5月下旬〜7月上旬のタイミングで古い茎や伸びすぎた茎、内側に向けて伸びている茎を選んで根元から2〜3節は残してその上あたりを切ってください。
4. 数を増やすため
ラベンダーは種まきや挿し木といった繁殖方法で数を増やします。挿し木は切り取った茎を土に挿して根を生やさせる方法なので挿し木のためには茎が必要です。挿し木を4〜6月または9月の間に切り取ってチャレンジしてください。
ラベンダーの花が咲かないのは剪定のやり方が悪いから?
ラベンダーを育てていて「あれ、昨年よりもラベンダーの花が少ないかも?」「こんなにラベンダーの花って小さかった?」と思った経験はないでしょうか。もしかすると適切な剪定ができていないことが原因かもしれません。
剪定の際は古い茎から切り取ること、余分に茎数を増やしすぎないことが毎年たくさんの大きな花を咲かせるポイントです。また、茎の数が多すぎると根の吸い上げる水が足りなくなって花が咲きにくくなります。適度に本数を減らしてあげて根への負担を減らしましょう。
冬の時期は注意!ラベンダーに雪が積もるのを剪定で防ごう
雪が降る地域で冬を迎えるなら12月に剪定をしておきましょう。ラベンダーは冬の剪定を苦手とするので冬越しをする場合は注意してください。
ベランダなど雪が積もる可能性のある場所に置く場合、剪定をしておかないと葉や茎に雪が乗って折れたりして放っておくと枯れてしまいます。葉が込み合っていたり、伸びすぎた茎があれば早めに茎元や周りとバランスがよい高さで切りそろえておきましょう。
ラベンダーを剪定して毎年花を楽しもう
ラベンダーの花を楽しみにしている方ほど日々の手入れ、特に剪定は欠かせないもの。一度やり方を覚えてしまえば決して難しい内容ではありません。収穫したラベンダーの使い道を想像しながら、ぜひ剪定を楽しんでみてくださいね。
更新日: 2021年12月15日
初回公開日: 2017年01月17日