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ウツボカズラ(ネペンテス)の育て方と花言葉|植え替え方や時期は?

ウツボカズラは、ツボのような形をした食虫植物です。ツルの先の捕虫袋に虫を誘い、落とし込んで消化、吸収します。奇妙な形と独特な色彩が個性的で、夏になるとホームセンターや園芸店でも販売されている植物です。しかし、その生態や育て方について知っている方は少ないのではないでしょうか。今回は、そんなウツボカズラの花言葉と、植え替え方や時期など育て方についてご紹介します。

ウツボカズラ(ネペンテス)の花言葉は?

『甘い罠』『からみつく視線』

「甘い罠」は、甘い香りで虫を誘惑して食べてしまう、ウツボカズラの特徴を言い表した花言葉です。

「からみつく視線」は、つるを伸ばして草木に絡まり、あちこちに袋をぶら下げて虫を捕らえる姿にちなんでつけられました。

ウツボカズラ(ネペンテス)の花の色や開花時期は?

学名
Nepenthes
科・属名
ウツボカズラ科・ネペンテス属(ウツボカズラ属)
英名
Nepenthes
原産地
東南アジア、オーストラリア
開花期
6~7月
花の色
別名
靫蔓(ウツボカズラ)
靫葛(ウツボカズラ)
ネペンテス

ウツボカズラ(ネペンテス)とは?どんな食虫植物?

ウツボカズラ

ウツボカズラは、ネペンテス属に分類される食虫植物の総称です。東南アジアが主な生息地で、つる性で樹木に絡まって生長するのが特徴です。サイズも0.1~15mと様々です。

ひょうたん型の捕虫袋と呼ばれる部分が特徴で、形や大きさは種類によって様々です。捕虫袋のフタの部分から甘い香りを放ち、虫を中に誘い込んで捕らえます。捕虫袋の中はつるつるなので、虫は出ることができず、底に溜まった強い酸性の消化液によって溶かされ、養分として吸収されます。

また、雄株と雌株があり、株が生長すると6~7月に、花びらが4枚の小さな黄色い花をたくさん咲かせます。

ウツボカズラ(ネペンテス)の種類は?

種類 品種 木立 ウツボカズラ ネペンテス 

ウツボカズラ属の植物は、約70種存在するとされています。多くは高温多湿の熱帯雨林に生息していますが、高山や山岳地帯に自生している品種もいます。今回は、ウツボカズラの代表的な種類や品種をいくつかご紹介します。

ネペンテス・ラフレシアナ

マレー半島やスマトラ島など東南アジアの広い地域に自生している品種で、ウツボカズラというと一般にこの種類を指します。常緑のつる性で、捕虫袋には点々模様があります。

ネペンテス・アラタ(ヒョウタンウツボカズラ)

ホームセンターなどでもよく見かける品種で、「ヒョウタンウツボカズラ」という和名を持っています。東南アジア全域に自生し、乾燥に強く栽培が簡単なことから、食虫植物をはじめて育てる方におすすめです。突然変異が起こりやすく、たくさんの品種が存在します。

ネペンテス・アンプラリア(ツボウツボカズラ)

別名「ツボウツボカズラ」といい、東南アジア全域に自生しています。株元に丸みのある捕虫袋をたくさんつけ、アリなどが集まってきます。

ネペンテス・ローウィ―(シビンウツボ)

ボルネオ島に自生している品種で、捕虫袋が尿瓶のような形であることから、「シビンウツボ」という別名があります。捕虫袋が変わった形なことから人気があり、世界中の愛好家が好んで栽培しています。

ネペンテス・ブルケイ

フィリピンの固有種で、ずんぐりと膨らんだ真っ赤な捕虫袋をしています。栽培がむずかしいとされる高山種の中では、育生が比較的簡単とされています。

ネペンテス・ビカルカラータ

ボルネオ島に自生しており、とても大きく生長する品種です。捕虫袋のフタの下に、2本の牙のような突起があります。

ウツボカズラ(ネペンテス)の育て方のポイントは?

ウツボカズラ

高温で湿度が高い環境で育てることと、枝が長く伸びたら切り戻しをすることがきれいな捕虫袋をつけるコツです。気温は25~30度、湿度80%以上の環境を保てると、生育がよくなりますよ。

ただ、枝がたくさんつくと捕虫袋ができづらくなってしまい、樹形のバランスが悪くなるので定期的な切り戻しを心がけましょう。

ウツボカズラ(ネペンテス)の苗植えの時期と方法は?

ウツボカズラ

ウツボカズラの種は発芽率が低く、管理がむずかしいことから、苗から育てるのが一般的です。また、高温で湿度が高い環境を好み、乾燥を苦手とするので、移動させやすい鉢植えにします。適期は、5~6月です。

鉢の1/3ほど軽石を入れ、その上に湿らせた水苔を入れて株を植えていきます。株が土に植えられていたときは、根についた土をきれいに落としましょう。

ウツボカズラ(ネペンテス)の土作り、水やり、肥料の与え方は?

土作り

水苔が最も適した土です。土を使うときは、赤玉土(小粒)6:軽石(小粒)2:ピートモス2の割合で混ぜ合わせた土がおすすめです。

水やり

4~10月にかけては、屋外の明るい日陰で管理し、土が乾かないように水やりをします。一方、11~3月は、室内のガラス越しに置き、土が乾いてから水を与えます。季節を問わず、1~2日に1回霧吹きで葉っぱに水を吹きかけて湿度を保ってやると安心です。

肥料の与え方

生育期の4~10月の間は、2ヶ月に1回液体肥料を与えるか、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を6~9月の間月に1回施します。

ウツボカズラ(ネペンテス)の植え替えの時期と方法は?

ウツボカズラ 天井 鉢植え ハンギング 植物園 ネペンテス 

水苔の状態を清潔に保つため、毎年5~8月の間に植え替えをします。根は細いので、丁寧に扱うようにしてください。また、黒く変色した根や傷んだ根はハサミで切り落としましょう。

ウツボカズラ(ネペンテス)の切り戻し剪定の時期と方法は?

捕虫袋ができやすくするために、つるの本数が多いときや、長く伸びすぎたときは、適宜、剪定をします。たくさんのつるを切って株のバランスを整えるなら、5月頃に行うのが最適です。

ウツボカズラ(ネペンテス)増やし方!挿し木の時期と方法は?

ウツボカズラ ハンギング 鉢植え ネペンテス 赤 

ウツボカズラは、6~8月頃、挿し木で数を増やします。

1. つるを先端から10~15cmほどの長さに切り落とす
2. 切り口付近の葉っぱを切り落とす
3. 残した葉っぱの中で大きいものは、半分の大きさにカットする
4. 茎の切り口を斜めにカットする
5. 水苔に茎を挿す
6. 水苔が乾かないよう水やりをしながら、明るい日陰で管理する
7. 30~45日ほどで発根し、新しい捕虫袋ができたら鉢に植え替える

ウツボカズラ(ネペンテス)の育て方で注意する病害虫は?

カイガラムシ

茎葉に寄生し、栄養を吸い取る害虫です。成虫になると、硬い殻で覆われて薬剤が効きにくくなるので、ブラシなどを使って株から引きはがします。幼虫のうちに見つけ、殺虫剤を使って早めに駆除しましょう。

アブラムシ

新芽や茎葉に針を挿し、栄養を吸い取って株を弱らせます。また、排泄物はすす病を引き起こすので、見つけたら薬剤を散布して駆除していきます。

ウツボカズラ(ネペンテス)の育て方は、冬の管理が鍵

ウツボカズラ ネペンテス 地植え 自生 アマゾン 熱帯 食虫植物

ホームセンターに売られているウツボカズラは、日本でも育てやすい品種とされており、気軽に手に入れることができます。ただ、冬の管理に失敗し、枯らしてしまうことも。

10~15度以上気温がないと株が弱ってしまうので、冬は室内の暖かい場所に取り込み、管理していきましょう。また、乾燥にも弱いので、葉っぱに水を与えて湿度を保つようにすると安心ですよ。

更新日: 2022年01月26日

初回公開日: 2015年11月01日

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