多肉植物のガステリアの育て方について解説します。ガステリア属は明るい日陰での管理が適している種類で、株分けや葉挿しで増やせます。今回は最適な置き場所から水やりまでまとめたので、現在ガステリア属の植物を育てている人、これから栽培したい人はぜひご覧ください。
ガステリアはどんな多肉植物?
ガステリアは、アロエのような見た目をした多肉植物です。葉は肉厚で光沢があり、少し凸凹しています。多肉植物のなかでも珍しい種類で、小さな花を春から夏にかけて咲かせる植物です。
ガステリアの基本情報
- 科名
- ススキノ科・ツルボラン科・ユリ科
- 属名
- ガステリア属
- 原産地
- 南アフリカ
- 生育期
- 春・秋
- 耐暑性
- やや弱い
- 耐寒性
- やや弱い
- 生長速度
- ゆっくり
- 開花時期
- 4~7月
- 花色
- 朱色
ガステリアの育て方!土づくりのコツは?
ガステリアは乾燥した土壌で育った植物なので、水はけのよい配合が適しています。目安の配合は以下のとおり。
- 赤玉土:3
- 鹿沼土:3
- 腐葉土:3
- 軽石:1
使用する土の粒サイズは、中粒がおすすめです。
ガステリアの育て方!日当たりや置き場所は?
置き場所は風通しの良いところがまず基本で、雨には当てず、明るい日陰が適しています。雨を避ける理由は、雨に当たりすぎると葉に染みができるからです。
冬は室内での管理をおすすめします。購入して初めて迎える冬の管理は、慎重になったほうがいいでしょう。環境に慣れれば株が強くなり、しっかり生長するようになります。
品種によっては、直射日光を避けたほうが無難です。
ガステリアの育て方!水やりのコツは?
土が乾いてから水をたっぷり与えるのが、ベースの与え方です。1年を通して、水が葉にかからないようにしてください。葉焼けや蒸れなど、トラブルのもとになるからです。
夏
夏は水の量・頻度ともに、少なめがポイントです。一度に与える水の量も、土の表面が軽く濡れる程度に抑えます。
たくさん水分を与えてしまうと、根が吸いきれず、土がずっと湿ったままになるからです。その状態が続くと根腐れすることもあります。
また、暑い時間に水やりするのもおすすめしません。水が熱されてしまうため、朝・夕の比較的気温の低いタイミングを選んでください。
そのため、夏に与える水やりは、量と行う時間帯に注意しましょう。
冬
冬も水やりは控えめで問題ありません。水やりするおすすめのタイミングは、暖かい午前中や晴れが続く日です。寒いときに与えてしまうと、根が凍ったり傷んだりする可能性があります。
ガステリアの育て方!肥料の与え方は?
肥料はそこまで必要ではないものの、元肥や追肥を行うと生育がよくなります。追肥は固形・液体どちらでも大丈夫です。使用量や頻度を肥料のパッケージを確認して与えてください。
ガステリアの育て方!植え付けや植え替えの時期は?
時期は春の4~5月が最適です。根を張るタイプの植物なので、商品名に「深型」と記載されているような、深めの鉢がおすすめです。
植え付けるときは、一回り大きい鉢を用意して植え替えます。植え替えするサインは、鉢より株が大きくなったときや鉢底から根がはみ出たときです。鉢を一回り大きくしてあげると、再びのびのびと育ち始めます。
ガステリアの増やし方は?
株分けと葉挿しを行うベストタイミングは4~5月です。株分け・葉挿し・種まきで増やせます。
株分け
ガステリアは子株ができる植物なので、子株がある程度大きくなったら親株から切り離しましょう。切り離すときは丁寧に行ってください。
葉挿し
葉挿しするときは、切り口はしっかり乾燥させてから新しい鉢へ植えましょう。植えるときは深くさすのではなく、浅くて構いません。
種まき
種まきの適期は10月頃です。15℃以上の環境で管理します。根が生えてある程度育ったら植え替えしてください。花が咲いたあとに種が採れるので、咲き終わったら忘れずに種を採りましょう。
ガステリアの育て方!注意すべき病害虫と対策法は?
植物を育てているときは、病気になったり害虫がついたりすることもあります。ガステリアの場合は、次の内容に気をつけましょう。
軟腐病
高温多湿のときに病気になりやすいので、注意が必要です。温度が高いときは水を与えないようにしましょう。屋外管理時は梅雨の長雨は避けるようにしてください。
カイガラムシ
乾燥した環境に長く置き続けると、カイガラムシが付着する確率が高まります。風通しをよくして害虫がつかないようにしましょう。
ナメクジ
ナメクジはカイガラムシとは違い、ジメッとしたところを好む害虫です。屋外で、鉢を地面から離さずに置いていると、被害に合いやすくなります。
台や棚の上など、地面から少し離して管理するといいでしょう。ナメクジは葉を食べるので、見つけ次第取り除いてください。
ガステリアの育て方で注意すべきポイントは?
ガステリアは以下のポイントに注意して育てましょう。
根腐れ
根腐れは、風通しが悪い環境や暑いときの水やりで起こりやすいです。多肉植物は乾燥した土壌が好きなので、水の量や頻度にも気をつけてください。
ガステリアの種類、品種
代表的なガステリアの種類・品種をご紹介します。
臥牛(かぎゅう)・臥牛錦
臥牛は昔から日本で栽培されてきた品種で、綺麗に葉が左右に重なり合って育つのが特徴です。
もう1つの臥牛錦は斑入りの種類で、こちらも人気があります。
ピランシー・恐竜ピランシー
ピランシーはなめらかな葉と丸みのある葉が特徴です。一方、恐竜ピランシーは、ピランシーのなかから選抜された品種で、強い光を好みます。
ガステリアを育ててみよう
ガステリアは生長速度がゆっくりです。一度徒長すると形を再び整えるまで時間がかかります。したがって、強すぎない適度な日光に当てることが大切です。ガステリア属の育て方そのものはそこまで難しくないので、ぜひチャレンジしてみてください。
更新日: 2023年05月25日
初回公開日: 2020年04月20日