切ればシャキシャキですればトロトロ、煮たり焼いたりすればホクホクと、色々な食感が楽しめる長芋。地中深くまで伸びる根っこは、栄養が豊富で昔から人々に親しまれてきました。今回は、そんな長芋のもつ特色や栄養素、育て方などをまとめてみました。
長芋(ナガイモ)の学名・原産国・英語
- 学名
- Dioscorea polystachya
- 科・属名
- ヤマノイモ科・ヤマノイモ属
- 英名
- Nagaimo
- 原産地
- 中国
- 収穫期
- 5~7月
- 別名
- 長薯(ナガイモ)
長藷(ナガイモ)
長芋(ナガイモ)とは?どんな野菜?
長芋は、ヤマノイモ科・ヤマノイモ属に分類されるツル性の多年草です。栽培の歴史は古く、原産地の中国では紀元前2,000年頃から薬用の植物として育てられてきました。日本でも、平安時代の書物に栽培の記録が残っています。
ツルを2~3mほど長く伸ばして、葉が生い茂る頃には地中でイモが大きくなります。芋は円柱状で長く伸び、1mを超えることもあります。ツルが垂れ下がり葉と葉の間にはムカゴと呼ばれる1cmくらいの球芽ができます。
長芋(ナガイモ)の栽培!育て方のポイントは?
深さ1mくらいまで土を耕し、収穫するときはよく土を乾かしておくことが大切です。長芋は、芋となる根の部分を1mくらい長く伸ばします。地面が硬いとうまく生長しないので注意してください。また、土が湿っているときに掘り起こしてしまうと、腐りやすくなってしまいます。
長芋(ナガイモ)の種芋の植え付け時期と方法は?
長芋は、種芋と言われる根の一部を植え付けて育てていきます。植え付けの適期は、4~5月です。
鉢・プランター
地中深くまで根を伸ばすことから、鉢やプランターでの栽培はむずかしいです。そんなときは、高さが確保できるよう、土を大きな袋に入れて育てていきます。もしくは、緑のカーテンとして育てる目的で栽培するなら、横向きに種芋を植え付けるとよいですよ。
- 容器の7~8割くらい土を入れる
- 種芋がまっすぐに埋まるくらいの植え穴をスコップで掘る
- 種芋を縦に植え付ける
- 土を周りに寄せたり足したりして株を安定させる
- たっぷりと水やりをする
地植え
- 100~150gの大きさに種芋を切り分ける
- 種芋を3~4週間日当たりのよい場所で干す
- 植え付ける2週間前に、畑を地中1mほどまで深く耕す
- 苦土石灰を1㎡あたり100~150g(コップ1~2杯)ほど混ぜ込んで1週間寝かせる
- 植え付ける1数感前に化成肥料を施して、高さ30㎝の畝を作る
- 畝の中央に深さ5㎝くらいの溝をつけて、種芋を植え付ける
- 株同士の間隔は、30cmくらい空ける
- 薄く土を被せ、たっぷりと水やりをする
長芋(ナガイモ)の水やり、肥料の与え方は?
水やり
鉢やプランターは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをして育てます。地植えは、基本的に水やりの必要はありません。ただ、梅雨が空けて土が乾燥すると芋が傷んでしまうので、7~8月頃に株元をワラや腐葉土で覆うと安心です。
肥料の与え方
6月下旬と7月下旬~8月上旬の2回、完熟堆肥を追加で施します。堆肥と土を混ぜあわせたら、株元に寄せておくと生育がよくなります。
長芋(ナガイモ)の支柱立ての時期と方法は?
植え付けから2~4週間ほど、長芋は地上に芽を生やします。そこからツルを生やす前に、2mの支柱を立てておきます。発芽したところから15~20cm離して、3本の支柱で合掌式に立てるとよいですよ。伸びてきたツルは、麻紐などで軽く支柱に結びつけていきます。
長芋(ナガイモ)の収穫の時期と方法は?保存の方法は?
長芋は、10~12月に収穫の適期を迎えます。葉が褐色に枯れたら、10cmくらい残してハサミで茎を刈りとります。そして、刈り残した茎が枯れるまで放っておき、地中の芋を成熟させます。枯れたら、株の周りをスコップで掘り起こして、芋を土から掘りあげていきます。
掘り出した長芋は、新聞紙にくるんで風通しのよい冷暗所におけば、1ヶ月は保存がききます。冷凍保存するなら、すりおろしたものを密閉できる容器に入れておきます。
長芋(ナガイモ)を栽培して楽しもう
長芋は、地中深くに伸ばす根を食べる野菜です。性質自体は丈夫で、これといって大きな手間はかかりません。ただ、根が長いので、ふかふかの土をたくさん必要とします。広いスペースが確保できるなら、畑で育てた方が折れずに生育のよい芋を収穫できますよ。工夫をこらしながら、おいしい長芋の栽培にチャレンジしてみてくださいね。
更新日: 2016年07月01日
初回公開日: 2016年07月01日