健康への関心の高まりから、最近注目を集めているスーパーフード。その中で、栄養価が豊富な雑穀として知られるのがアマランサスです。ゴマのように小さな粒ですが、私たちの体に必要な栄養がたっぷりとつまっているんですよ。今回、そんなアマランサスとはどんな植物なのかや、栽培方法、花言葉などをご紹介します。
アマランサスの花言葉とは?
『粘り強い精神』『心配ご無用』『不老不死』『不滅』
夏の終わりを迎えると、アマランサスは葉っぱを黄や赤に色づかせ、その脇に小さな花を咲かせます。この葉っぱの色がなかなか枯れないことから「粘り強い精神」「不老不死」といった花言葉が付けられました。ちなみに、アマランサスという名前自体も、「しおれない、しぼまない」という意味のギリシャ語が語源となっています。
アマランサスの学名・原産国・英語
- 学名
- Amaranthus caudatus
- 科・属名
- ヒユ科・ヒユ属
- 英名
- Pigweed
Amaranth
- 原産地
- 南アメリカ
- 開花期
- 8~10月
- 花の色
- 赤、赤紫、緑、黄
- 別名
- 葉鶏頭(ハケイトウ)
雁来紅(ガンライコウ)
カマツカ
アマランサスとは?花や葉っぱの特徴は?
アマランサスは、ヒユ科・ヒユ属に分類される一年草です。インカ文明の時代から、南アメリカでは穀物として種が食べられてきました。日本へは江戸時代に観賞用の植物として渡ってきました。近年、カルシウムやビタミンB6など栄養素を豊富に含むスーパーフードとして世界中で注目を集めています。
草丈は、1~2mと高くなります。葉っぱは扇型で、葉脈がくっきりと表面に浮き出ていることが特徴です。そして、晩夏から秋にかけて、小さな小花が穂のように集まって咲きます。
アマランサスの栄養、効果・効能は?
アマランスの種は、その高い栄養価から、「スーパーグレイン(驚異の穀物)」とも呼ばれています。同じようにその栄養価の高さから宇宙食にも利用されるキヌアと、よく比較されます。
アマランサスの栄養で注目されるのは、カルシウムや鉄分、マグネシウムの含有量が多いこと。特にカルシウムは同量の白米とくらべて約30倍、鉄分は約40倍となっています。また、脂肪を燃焼させるリジンという必須アミノ酸や、中性脂肪を減らすスーパービタミンEも含まれます。これらの成分によって、貧血や便秘の予防、美肌、ダイエットなど様々な体によい効果をもたらしてくれます。
アマランサスの種類や品種は?
アマランサスには、穀物用に育てられるもの、茎葉を食べる野菜として育てられるもの、観賞用のものの3種類があります。穀物用として、センニンコク、ヒモゲイトウ、スギヒモゲイトウなどがあり、野菜用には葉鶏頭があります。最も多く栽培されているはヒモゲイトウです。
アマランサスの栽培方法!育て方のポイントは?
雑草をこまめに摘みとって苗を守っていくことが大切です。アマランサスの苗は、生長がゆっくりで雑草に負けて枯れてしまうことがあります。植え付けてから本葉が10枚ころになるまでは、間引きのタイミングで雑草を取り除いていってください。
アマランサスの種まきの時期と方法は?
発芽するためには地温が17度以上なので、4~6月が種まきの適期です。寒さに弱いので、霜の降りる心配がなくなってから育てはじめてください。
鉢・プランター
8~10号鉢に1株、60cmプランターに2~3株が植え付けの目安です。育苗するときは、本葉が3~4枚になったタイミングで、鉢やプランター、畑に植え替えます。
- 鉢底石を敷く
- 容器の8割くらい市販の野菜用培養土を入れる
- 株同士の間隔が20cm以上空くよう、深さ0.5cmくらいの穴を指で空ける
- 種を3~5粒穴にまく
- 薄く土を被せたら、たっぷりと水やりをする
- 土が乾かないよう水やりをして管理する
- 本葉が3~4枚になったら、1ヶ所あたり3~4株になるよう間引く
- 本葉が8枚になったら、1ヶ所につき1株になるよう間引く
地植え
日当たりと水はけのよい場所を選んで種まきをしていきます。土の酸性度合いが強いようであれば、苦土石灰を混ぜ込んで中性になるよう中和していきます。そして、幅60cm、高さ10~15cmの畝を立て、20~40cm間隔に種まき用の穴を空けていきます。間引きのタイミングは、鉢・プランター植えのときと同じです。間引きのときに、雑草も取り除くようにしてください。
アマランサスの水やり、肥料の与え方は?
水やり
地植えは、よほど乾燥しているとき以外、水やりは不要です。鉢やプランターは、土の表面が乾いたら水やりをしてください。
肥料の与え方
リン酸が多く含まれる肥料を、種まきから1ヶ月くらいたったら施していきます。株の周りの土に肥料を混ぜ込んだら、倒伏の防止のためにも、土を株元に寄せておくと生育が保たれます。
アマランサスの収穫の時期と方法は?
アマランサスの花が咲き、3~4ヶ月ほどたつと種が成熟していきます。手のひらで軽く茎に触れると、種がこぼれ落ちるようなら収穫の目安。茎ごと刈り取ったら、まずは日当たりのよい場所に数日間吊るして十分に乾燥させます。その後、ブルーシートなどの上で茎を叩いて種を落とし、最後にフルイにかけて細かいゴミを取り除けば収穫は完了です。
穀物なので、種は十分乾燥させたら、密封できる容器に乾燥剤と一緒に保存しておきます。
アマランサスの栽培で注意する病気や害虫は?
アマランサスは病気や害虫の被害にほとんどあわない、丈夫な植物です。
アマランサスは育て方もむずかしくない
アマランサスは、鑑賞として楽しむもよし、葉や芽、種子を採取して食べるのもよしと、いろいろな楽しみ方ができる植物です。特に種がスーパーフードとして注目されますが、葉っぱや花の鮮やかな色合は、庭の主役になれるほど。病害虫の心配もなく、丈夫で育てやすいので、気になる方はぜひ庭の仲間に加えてみてくださいね。
更新日: 2016年06月29日
初回公開日: 2016年06月29日