ピンクや黄色、紫色をした小さな花がかわいらしいスターチス。種まきから簡単に育てられ、切り花やドライフラワーにして楽しみやすいことから、ガーデニングに人気のある草花です。今回は、種まきや苗の植え方など、スターチスの育て方についてご紹介します。
スターチスの育て方のポイントは?
水はけと風通しのよい場所で育てることがポイントです。スターチスは、暑さと湿気に弱く、蒸れた環境では株が傷んでしまいます。また、水や肥料を与えすぎると茎が伸びすぎて見栄えも悪くなってしまうので、梅雨の時期は屋内や軒下で雨をしのぎましょう。
さらに、寒さには比較的強いですが、霜に当たると枯れてしまいます。屋外で育てるときは、12月頃に株元を腐葉土やワラで覆うと安心です。
スターチスの種まきや苗の植え方や時期は?
種まき
発芽適温は20度ほどなので、9~10月に種をまきます。
1. 育苗箱にピートモスかバーミキュライト単体、もしくはピートモス1:パーライト1の土を準備する
2. 種をばらまき、薄く土を被せる
3. 土が乾かないように水やりをして管理すると、3~5日で発芽する
4. 本葉が2~3枚になったら、生育のよい苗だけを育苗ポットに1つずつ植え替える
5. 土が乾かないように引き続き水やりをして管理し、週1回ほど薄めた液体肥料を与える
6. 本葉が8~10枚に育ったら、鉢や地面に植え替える
苗植え
鉢植え、地植えともに10~11月に苗を植え付けていきます。地面に垂直に生える根を傷つけると、株が弱って枯れてしまいます。植え付けるときに、根をていねいに扱ってください。
鉢植えは、苗よりも1回り大きな鉢へ、根についた土は落とさずに植え付けていきます。地植えは、日当たりと水はけのよい場所を選び、株同士の間隔を25~30cmほど空けて植えてください。株が大きく生長するので、植え付けたら支柱を立てます。
スターチスの土作り・水やり・肥料の与え方
土作り
水はけがよく、中性~弱アルカリ性の土を好みます。鉢植えは、赤玉土(中粒)5:腐葉土3:ピートモス2か、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂1の配合の土がおすすめです。市販の草花培養土を使ってもかまいません。
地植えは、苗を植え付ける2週間前に庭土に苦土石灰を土に混ぜ込んでおき、1週間前に堆肥や腐葉土を2~3割混ぜ込んで土作りをしておきます。
水やり
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。水やりのしすぎは、弱い茎に育ってしまうので注意してください。地植えは、水やりの必要はありません。
肥料の与え方
植え付ける土にゆっくりと効く緩効性肥料を混ぜ込んでおきます。そして、鉢植えは、2~5月に1回同様の肥料を与えるか、薄めた液体肥料を10~15日に1回水やり代わりに与えます。肥料の与えすぎは株のバランスを悪くしてしまうので、あまり神経質になる必要はありません。
スターチスの植え替えの時期と方法は?
一年草のものは植え替えの必要はありません。宿根草の鉢植えは、1~2年に1回、2~3月に1回り大きな鉢に植え替えます。植え替えの手順は、植え付け時と同じです。
スターチスの剪定の時期と方法は?
枯れた葉っぱや花をそのままにしておくと、蒸れや病気の原因となります。開花期の5~7月は、こまめに枯れた花や葉を株の周りから取り除いていきましょう。
スターチスの増やし方!種まきの時期と方法は?
花が咲き終わった後につく種を採取して、数を増やすことができます。時期や手順は、植え付け時と同じです。
収穫した種は、毛に包まれており、発芽率が低い状態にあります。種と砂を混ぜて手でよくもみ、水に一晩浸けてから植え付けていきましょう。
スターチスの栽培で気をつけたい病害虫は?
立枯病
土に潜んでいた病原菌に感染し、株全体の生育悪くなる病気です。根詰まりや過湿、肥料不足が原因で起こりやすくなります。清潔な土に植え、水はけと風通しのよい場所で育てていきましょう。
アブラムシ
年中発生しやすい害虫で、針を新芽や茎葉に突き刺して栄養を吸い取り、株を弱らせてしみます。風通しをよくすると、発生が抑えられます。発生したら、殺虫剤を散布して駆除していきます。
スターチスの育て方を覚えて楽しもう
暑さに弱いスターチスは、宿根草であっても夏を越すのがむずかしい植物です。ただ、簡単に種まきでも育てられるので、一年草と割りきって、色々な種類を育てるのも楽しいですよ。ドライフラワーにしても花色がそのままなので、開花期に花を切り取って長く楽しむのがおすすめです。
更新日: 2022年01月26日
初回公開日: 2015年11月05日