うどんやそば、冷ややっこの薬味に使われるアサツキ。丈夫で病害虫の心配が少ないことから、はじめての家庭菜園に人気の野菜です。一度植えると、2~3年の長い間収穫を楽しめるのもうれしいポイント。刻んだものをちょっと加えるだけで、料理に彩りがプラスできますよ。今回は、そんなアサツキとはどんな野菜なのかや、栽培方法、花の特徴などをご紹介していきます・
アサツキ(浅葱)の学名・原産国・英語
- 学名
- Allium schoenoprasum var. foliosum
- 科・属名
- ユリ科・ネギ属
- 英名
- Asatuki
Japanese Chives
- 原産地
- 中国
- 開花期
- 5~6月
- 収穫期
- 3~4月/10~11月
- 別名
- イトネギ
センブキ
センボンネギ
センボンワケギ
ヒメエゾネギ
アサツキ(浅葱)とは?花の特徴は?
アサツキとは、ユリ科・ネギ属に分類される多年草です。中国が原産で、日本全国で栽培されています。ネギの1種で、葉っぱが淡い緑色をしていることから、「浅葱(アサツキ)」と名付けられました。
地下にらっきょうのような鱗茎を持ち、細長くて中が空洞の葉っぱを30~40cmくらい伸ばします。この葉っぱを食べるために収穫するので、花を見る機会は少ないですが、初夏になるとちいさな花を茎先にたくさん咲かせます。紫色の小花がボール状にまとまって咲くのが特徴で、その姿は同属のアリウム・ギガンチウムとよく似ています。
アサツキ(浅葱)の栽培のポイントは?
日当たりのよい場所を選んで、浅く土に植え付けて育てていきます。アサツキは丈夫で、放っておいても収穫ができるほど栽培の簡単な野菜です。肥料を与えなくても十分大きくなりますが、途中で肥料を与えた方が、収穫量を増やせますよ。
アサツキ(浅葱)の種球や苗の植え付け時期と方法は?
アサツキは、種球と呼ばれる球根か苗を8~9月に植え付けていきます。複数植えるときは、株同士の間隔を5~15cmくらい空けてください。また、種球は7~8個がひと塊になっているので、薄皮をむいて分けてから植え付けていきます。
鉢・プランター
- 容器の底に鉢底石を敷く
- 容器の7~8割くらい土を野菜用の培養土を入れる
- 先端が土から少し出るくらいの深さに種球を植え付ける
- たっぷりと水やりをして植え付け完了
地植え
植え付ける2週間前に、苦土石灰を1㎡あたり100g(コップ1杯くらい)混ぜあわせて寝かせます。そして1週間後、堆肥や化成肥料を混ぜ込んでいきます。その後は、株同士の間隔を十分に空けて、鉢植え同様に種球を植え付けていきます。
アサツキ(浅葱)の土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
アサツキは、中性~弱アルカリ性で水はけのよい土を好みます。鉢やプランター植えは、市販の野菜用培養土を使うか、赤玉土(小粒)7:腐葉土2:バーミキュライト1の割合で混ぜた土を使います。地植えは、植え付ける2週間前に苦土石灰を混ぜあわせて酸性度合いを中和しておきます。
水やり
乾燥に弱いので、水やりは頻繁に行います。鉢やプランター植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。地植えは、葉っぱがしおれて元気がないようであれば、水やりをしてください。
肥料の与え方
植え付けるタイミングで、土に野菜用の化成肥料を混ぜあわせておきます。その後は、追加で肥料を与えなくても育ちますが、収穫まで1週間おきに液体肥料を与えると葉っぱがよく茂り、収穫量が増えます。
アサツキ(浅葱)の収穫時期と方法は?
3~4月か10~11月が収穫の適期です。葉っぱが20~30cmくらいに生長したら、株元を4~5cm残して刈り取っていきます。収穫後、液体肥料を与えるとまた葉っぱを伸ばして収穫できるようになります。そのまま、2~3年は毎年収穫が可能です。
アサツキ(浅葱)の栽培で注意する病気や害虫は?
ほとんど病害虫の心配はありませんが、まれにベト病やサビ病といったウイルス性の病気を発症することがあります。ベト病は発生したばかりであれば、症状が出た葉をちぎって処分するだけで大丈夫です。サビ病は低温で雨の多い時期に発生しやすくなります。発生がひどくなると薬剤も効きにくくなるので、早めに病気にかかった葉っぱを切り落とし、殺菌剤を散布してください。株同士の間隔を十分に空け、風通しをよくすることで予防できます。
アサツキ(浅葱)は育て方の簡単な野菜
アサツキにはビタミンやミネラルなどの栄養素が含まれる野菜です。疲労回復に役立ち、お肌や粘膜を健康に保ってくれる働きがあります。庭やベランダでも気軽にはじめられるくらい育て方が簡単で、長く収穫が楽しめるので、ぜひ家庭菜園をはじめるときは取り入れてみてくださいね。
更新日: 2016年07月01日
初回公開日: 2016年07月01日