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撫子(なでしこ)の花言葉|花の種類や季節、開花時期は?

平安時代からは女性や子供の例えに用いられる撫子(なでしこ)の花。奥ゆかしく慎み深い女性を指す「大和撫子」という言葉はほとんどの方が知っているのではないでしょうか?撫子はその名前にふさわしい、かわいらしい花を春や秋に咲かせてくれます。今回は、そんな撫子の花言葉や種類をご紹介します。

撫子(なでしこ)の花言葉とは?

ナデシコ 撫子 なでしこ

『大胆』『純愛』『児戯』

ナデシコの花は、細い糸が集まったような花びらをしています。この花の繊細で清楚な印象が、一歩引いて男性を立てるような女性のイメージと結びつき、「純愛」「貞節」といった花言葉がつけられました。

この2つの花言葉とは真逆の印象を受ける「大胆」という花言葉は、西洋ナデシコの持つ派手な赤色に由来しています。同じ種類の花でも、欧米と日本で違うイメージを持つのは不思議ですよね。

撫子(なでしこ)の花とは?

ナデシコ 撫子 なでしこ

「大和撫子」という単語からも、日本の花というイメージが強いナデシコ(ダイアンサス)ですが、ナデシコはナデシコ科ダイアンサス属の総称です。毎年花を咲かせる多年草でその仲間は世界に300種ほど分布しています。

丈夫で育てやすいことから鉢植えや花壇によく用いられるガーデニングに人気のお花です。

撫子(なでしこ)の花の色や別名は?

ナデシコ 撫子
学名
Dianthus hybrids
科・属名
ナデシコ科ナデシコ属(ダイアンサス属)
英名
pink
gillyflower
dianthus
原産地
ユーラシアから南アフリカ
開花期
3~5月、9~11月
花の色
ピンク、赤、白、紫、複色など
別名
ディアンツス
常夏

撫子(なでしこ)の花の名前の意味は?

ナデシコ 撫子

ナデシコの学名は「Dianthus」です。ギリシア語で神を意味する「Dios」と、花を意味する「Anthos」が合わさったもので、ギリシアの植物学者テオフラストゥスが命名したとされています。和名は、「撫でたくなるほどかわいらしい」という花の姿に由来しています。

撫子(なでしこ)の開花時期や見頃の季節は?

ナデシコ 撫子 なでしこ

秋の七草の1つとされるナデシコですが、元々とても種類が多く、種間交配によって多くの園芸品種が生み出されたことから、植える場所や品種によっては、ほぼ周年に渡って鑑賞することができます。

常緑性で、元々日本に自生する植物なので、日本の環境になじみやすく、ガーデニングや切り花によく利用されます。

撫子(なでしこ)の花の種類は?

ナデシコ 撫子

ナデシコは秋の七草としてたくさんの和歌に詠まれるような、古くから人々に親しまれている植物です。江戸時代に到来した園芸ブームによって中国の常夏(トコナツ)と自然交配が行われ、品種改良が盛んに行われました。

ヨーロッパでは15世紀に栽培されたものがカーネーションの元となり、17世紀にはイギリスで多数の品種が生まれたんですよ。以下に代表的な種類をご紹介します。

カワラナデシコ(河原撫子)

日本各地に自生している代表品種で、秋の七草のナデシコは本種を指します。別名「ヤマトナデシコ」とも呼ばれます。

本州以西から四国、吸収に広く分布し、名前に河原とつきますが、日当たりのよい草原や山地などにも生息します。近年は、外来種の影響で数が減少しつつある種類です。

セキチク(石竹)

中国から平安時代に渡来した品種で、「唐撫子(カラナデシコ)」とも呼ばれます。花色がよく、開花時期の長い四季咲きです。

本種の改良品種である「常夏(トコナツ)」は江戸時代に流行しました。種子繁殖ができないので、挿し芽で増やします。

ヒゲナデシコ(アメリカナデシコ)

ヒゲナデシコ アメリカナデシコ

原産地はアメリカではなくヨーロッパで、苞の先端が長いひげのように伸びていることから、この名前がつきました。茎の先端に多数の小花が咲き、種からでもよく育ちます。

タツタナデシコ

地中海沿岸が原産のナデシコで、カーネーションなど多くの園芸品種の育種に用いられてきました。銀緑色の葉を茂らせ、こんもりとマット状に広がって育ちます。花には蛇の目模様があります。

ヒメナデシコ(姫撫子)

ヨーロッパ原産の園芸品種です。草丈の低く、秋に鮮やかな紫色の花を咲かせます。発芽率が高く、こぼれダネでもよく増える、欧米ではポピュラーなナデシコです。

ハマナデシコ(浜撫子)

茎が株状になり、下の方が木質化する、他のナデシコとは異なる性質を持つ種類です。海岸の岩のすき間や窪みに紅紫色の花を咲かせます。別名「フジナデシコ(藤撫子)とも呼ばれます。

撫子(なでしこ)の花を季節ごとに楽しもう

ナデシコ  撫子

ナデシコの花は、高温多湿にだけ注意していれば、丈夫で育てやすい花です。四季咲き性の品種なら、夏以外の季節はいつでも花を楽しめますよ。

小柄な花姿は、違う種類をいくつか寄せ植えにして、庭で楽しむのがおすすめです。初心者でも育てやすい花なので、ぜひガーデニングをはじめるときは、ナデシコの花を花壇に加えてみてくださいね。

更新日: 2021年08月04日

初回公開日: 2015年08月04日

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