自然界では最大2m以上にまで育つモンステラ。名前の由来であるラテン語の「モンストラム(怪物)」の通り、とても大きく育ちます。そのため、生長が早く、適度に「植え替え」をしないと部屋で育てるのは難しくなります。今回は、モンステラの植え替えについて、具体的な時期や方法などをご紹介します。
モンステラの植え替えはどうして必要?
そもそも「植え替え」はモンステラに限らず、ほとんどの植物に必要な作業です。その理由は「環境のリセット」にあります。
長年同じ鉢で植物を育てていると、根の生長で鉢内は窮屈な状態に、加えて、土の粒も粉々になってヘドロ上になり、水はけが悪くなります。
一回り大きな鉢に植え替えをすることで、根の生長するスペースが生まれ、呼吸もしやすくなります。土も新鮮なものにかわって、植物が育ちやすい環境が整うわけです。
モンステラの植え替えの目安は?どこで見極める?
では、何が植え替えをするサインなのでしょうか?1つの目印に「根づまり」があります。「根づまり」とは根がつまった状態のことで、これを見極めることで植え替えのタイミングが分かります。具体的には次のような状態になったら植え替えが必要だと判断してください。
- 鉢の底穴から根が出ている
- 土の乾燥が早くなった/水の染み込みが遅くなった
- 葉っぱの色が悪い(黄色い)/水やりをしてもしおれる/根元の葉が枯れてきた
- 鉢植えがよく倒れる/鉢とモンステラの大きさのバランスが悪い
モンステラの植え替え時期はいつ?
モンステラの植え替えは、1番生長する時期に行います。つまり、生育期の春〜夏が植え替えに適しています。その理由は、植え替えが植物にとって負担のかかる作業だからです。
植え替えは、植物が慣れ親しんだ環境を変えるため、土から引き抜き、場合によっては根を切ることもあります。こうした負担がかかっても、生育期であればすぐに回復してくれるわけです。
もしこの期間に作業ができない場合は、次の年までできるだけ待つようにしてください。
生育期の期間中であればいつでもよく、晴れた温かい日の午前中を選んで作業しましょう。
モンステラの植え替えに必要なグッズは?土は何を使う?
- モンステラ
- いまよりも一回り大きな鉢
- 観葉植物用の培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石か軽石
- 割りばし
- 支柱(背丈が1m以上に生長する場合)
- 麻ひも
- ゴム手袋か軍手
- 小型のシャベル・スコップ
- ビニールシートか新聞紙
上記のグッズをそろえて植え替えを行います。土は市販の観葉植物用の培養土でかまいません。背丈が低ければ支柱、麻ひもは不要です。サイズが大きければ2人で作業するとスムーズに進みますよ。
モンステラの植え替えの方法は?
- 水やりを控えて土を乾燥させる
- 作業する場所にビニールシートを敷く
- 新しい鉢の底穴に鉢底ネット、鉢底石を順に敷く
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる
- 鉢からモンステラを引き抜き、根についた土を手でやさしく揉んで落とす
- 黒ずんでいる腐った根を剪定バサミで切る
- 鉢の中心に置き、縁から下4cmのところまで土を入れて固定する
- 支柱を立てて、麻ひもでモンステラと結ぶ
- 土の表面を割りばしでつつき、根の隙間まで土をなじませる
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをする
モンステラをいまと同じ鉢に植え替えられる?
植え替えをするときに「いまの鉢をそのまま使って育てたい」と思う人も多いのではないでしょうか。
その場合は、「根」と「葉っぱ」のバランスをとることが大切です。
植え替え手順の6. で根の長さを全体的に1/2〜1/3にカットし、葉っぱも茎ごといくつか切り落とします。こうすることで根が吸収する水分の量と、葉が蒸発させる水分の量とのバランスがとれます。
もし、根と葉っぱのバランスが取れていないと、うまく水が循環せず、根腐れなどを起こして枯れる可能性があります。根を1/2に、葉(茎)も1/2にといった具合に調整してあげましょう。
モンステラを植え替えたあとの管理方法は?
モンステラを植え替えた後は、すぐにもとの管理方法で管理してよいわけではありません。負担がかかった根に、できるだけ刺激を与えないために、直射日光のあたらない「明るい日陰」で管理します。
土が乾いたら都度水やりをします。肥料は特に必要ありませんよ。根が土にしっかり定着すれば、茎が伸びたり、新しい芽を出したりしてくれます。
モンステラの植え替えをやってみよう
モンステラの植え替えが必要なのは、それまでの育て方がよく、うまく育てられた証でもあります。この調子で、植え替えにも挑戦してみましょう。手間がかかる分、より愛着も湧いてくるものです。モンステラの生長をぜひ見届けてあげてください。
更新日: 2023年01月05日
初回公開日: 2017年02月05日