大きな葉っぱに大胆な切れ込みが入った人気の観葉植物、モンステラ。その小型種がヒメモンステラです。小さいのでスペースをとらず、加えて、日が当たらなくても育つ丈夫な性質があるので置き場所を選びません。今回は、そんなヒメモンステラの育て方や挿し木、剪定、植え替えなどの方法をご紹介します。
ヒメモンステラ(姫モンステラ)はどんな観葉植物?
ヒメモンステラとは、サトイモ科・モンステラ属に分類される植物のうち、小型なものの総称です。代表品種は「アダンソニー」で、ほかにも「デリシオサ・コンパクタ」などいくつか品種があり、葉っぱの切れ込みの入り方など見た目はさまざまです。
寒さや暑さ、湿気や日陰といった極端な環境に強く、病害虫にもかかりづらいことから、人気の観葉植物になっています。
ヒメモンステラ(姫モンステラ)を育てる準備!何が必要?
- 鉢に植えられたヒメモンステラ
- ジョウロ、霧吹き
- 液体タイプの肥料
- 剪定バサミ
ヒメモンステラは、陶器などの鉢に植えられた状態で売られていることがほとんどです。買ったらすぐに飾って楽しんでくださいね。育てている途中で、さまざまな手入れが必要になるので、上記のグッズをあらかじめ用意しておくと便利ですよ。
ヒメモンステラ(姫モンステラ)の育て方!どこに置いたらよい?
枯れにくいだけで、光に浴びなければ細く弱々しい茎に育ってしまいます。「少し明るい日陰」くらいで育ててあげてください。窓が小さい暗めの部屋でも大丈夫です。
原産地が南アメリカなので、高温多湿に強く、気温が5度以上であれば枯れずに育ってくれます。東京より西側では外に置いて育てることもできますが、霜に当たると枯れてしまうので、温度変化には注意しましょう。
ヒメモンステラ(姫モンステラ)の育て方!水やりの仕方は?
ヒメモンステラは原産地のカラッとした天候を再現するように手入れをすれば、枯れずに長く育ってくれますよ。実際にどんな手入れをすればよいのか、水やりと肥料の与え方をご紹介します。
水やりの仕方
年間を通して、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。特に春~夏にかけてはよく生長し、かつ、土が乾きやすいので、土が白っぽくなったらすぐに水をあげます。
反対に、冬は生長がゆるやかになるので、土が乾いてから2~3日後に水やりをするくらいでかまいません。乾燥を防ぐために、水やりとは別に霧吹きで葉っぱに水を吹きかける「葉水(はみず)」を行うのもよいですよ。
ヒメモンステラ(姫モンステラ)の育て方!肥料の与え方は?
肥料の与え方
じわじわ効き目が出てくる緩効性の化成肥料の中でも、固形のものを与えます。5~10月の発育が活発な時期に、2ヶ月に1回の頻度で与えるとよく生長します。ただ、どんどん大きくなってしまうので、コンパクトに育てたいときは肥料を控えめにしてください。
ヒメモンステラ(姫モンステラ)の植え替え方法は?
ヒメモンステラは茎や葉の生長にともない、鉢の中の根もぐんぐんと伸びていきます。結果的に、鉢が根でいっぱいになってしまい、呼吸できずに腐って枯れてしまうことがあります。そのため、一回り大きな鉢に植え替える必要があります。
時期はヒメモンステラの生長が盛んな5~9月がおすすめです。晴れた日の午前中を選んで、グッズを用意して以下の手順で作業を行いましょう。
植え替えに必要なグッズ
- いまよりも一回り大きな鉢
- ピンセット
- 観葉植物用の培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石か軽石
- 割りばし
- 支柱(背丈が1m以上に生長する場合)
- 麻ひも
- ゴム手袋か軍手
- 小型のシャベル・スコップ
- ビニールシートか新聞紙
植え替えの手順
- 水やりを控えて土を乾燥させる
- 作業する場所にビニールシートを敷く
- 新しい鉢の底穴に鉢底ネット、鉢底石を順に敷く
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる
- 鉢からヒメモンステラを抜き、根についた土を手でやさしく揉んで落とす
- 黒ずんでいる腐った根を剪定バサミで切る
- 鉢の中心に植物を置き、縁から下4cmのところまで土を入れる
- 支柱を立てて、麻ひもで植物と結ぶ
- 土の表面を割りばしでつつき、根の隙間まで土をなじませる
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをする
ヒメモンステラ(姫モンステラ)は剪定が必要?
大きく生長すると、下の方の葉が落ちて全体のバランスが悪くなって見苦しくなります。そうなったら剪定(せんてい)で茎や葉っぱを切って形を整えます。
作業はシンプルで、伸びた茎の生えぎわから剪定バサミで切っていくだけです。ただし、ヒメモンステラは、茎や葉っぱの切り口から汁が出てきます。この汁には、シュウ酸カルシウムが含まれており、触れるとかぶれてしまうので、作業をするときは手袋を着けておくと安心ですよ。
ヒメモンステラ(姫モンステラ)の増やし方!挿し木ってどんな方法?
ヒメモンステラを育て続けていると、「数を増やして色々なところに飾りたい!」と考え始める人も多いのではないでしょうか。その場合は「挿し木」という方法で数を増やせます。挿し木とは、切り取った茎などを別で用意した土に挿して苗にまで育てる繁殖方法です。切った断面から根が生えて土に定着するんですよ。
挿し木に必要なグッズ
- コップかボウル
- 挿し木用の土
- 3号鉢
- 割りばし
- 発根促進剤
挿し木の手順
- 枝を先端から10cm前後に切る
- 切り口がとがるようにV字に切って、吸水面を増やす
- 先端の葉っぱを2〜3枚残し、ほかを全て取り除く
- 葉っぱが大きければ半分に切る
- 水を入れたコップに切り口を数時間つける
- 植え替えと同じく、鉢に鉢底ネット、軽石を入れ、挿し木用の土を入れる
- 土に割りばしか指で穴をあけ、枝を挿す
- たっぷりと水やりをする
ヒメモンステラ(姫モンステラ)の育て方で注意する病害虫は?
ヒメモンステラは乾燥に強い一方で、空気が乾燥しすぎると病気や害虫の被害を受けることがあります。たとえばカイガラムシが挙げられます。カイガラムシとは、茎や葉っぱをかじって汁を吸い、植物を弱らせる虫です。大量に発生したときは、薬剤を散布して駆除してください。
葉っぱの裏を中心に葉水をしたり、濡れたタオルで葉っぱを拭いたりすると予防できますよ。葉っぱに積もったホコリも取り除けて一石二鳥です。
ヒメモンステラの育て方を知って、剪定して綺麗に飾ろう
モンステラは独特な葉が特徴で、インテリアに人気のある植物です。中でも、ヒメモンステラは小型で管理しやすく、移動も簡単で育てやすいですよ。リビングのシンボルツリーとして飾ってみるのもよいですね。
更新日: 2022年07月20日
初回公開日: 2016年05月27日