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ハスカップとは?栽培のコツや花の色、実の味や効能は?

ブルーベリーのような青色をした細長い実をつけるハスカップは、北海道の特産品として有名な果樹です。その実は、栄養価が高いとされていますが、皮が薄いことから常温では液状化してしまい、保存の手間がかかるためなかなか見かけることがありません。今回は、そんなハスカップについて、学名や育て方、楽しみ方をまとめました。

ハスカップとは?花の色は?

学名
Lonicera caerulea var. emphyllocalyx
科・属名
スイカズラ科スイカズラ属
英名
Haskap
原産地
東アジア
開花期
4月
花の色
別名
黒実鶯神楽(クロミノウグイスカグラ)
ゆのみ

ハスカップは、シベリアから中国、朝鮮半島、日本に分布する低木の果樹で、日本では北海道の勇払原野の東半分だけに自生しています。寒さに強い植物ですが、暑さにはとても弱いという特徴があります。春に対になって白い花を咲かせ、その後結実して青く細長い実をつけます。

ハスカップという名前は、アイヌ語で「枝の上にたくさんなるもの」という意味の「ハシカブ」が語源となっています。また、自生している北海道では、「ゆのみ」という俗名で呼ばれることもあります。これは、「頭の長い粒」を意味する「エヌミタンネ」というアイヌ語に由来しています。

収穫時期が短く、常温では液状化してしまうことから、アイヌ民族にとってハスカップは、不老長寿の妙薬、幻の実とされ、大切に扱われていました。現代では、ジャムやお菓子に加工され、北海道の特産品として親しまれています。

ハスカップの栽培!苗の植え付けの時期と方法は?

ハスカップ

ハスカップは、自家結実性の低い植物で、ブルーベリーのように受粉樹となる他品種と植え付ける必要があります。そのため、苗は品種の違うものを2つ以上近くに植えるようにしてください。植え付けの適期は、12~3月です。

地植えにする場合は、日当たりと風通しのいい場所を選んで、直径と深さが50cm以上の深い穴を掘ります。そして、酸性の土壌を好むので、庭土にピートモスや鹿沼土を混ぜ込みます。さらに土壌の水はけをよくするために腐葉土をすきこんでから植え付けていきましょう。

鉢植えの場合は、直径と深さが50cm以上の鉢を準備します。用土は、赤玉土(小粒)7:酸度未調整のピートモス3を混ぜあわせたものを用います。

庭植え、鉢植えともに深めに植え付けるのがポイントです。また、浅く根を張る性質があるので、根元はピートモスやワラで覆って乾燥を防ぐようにしてください。また、暑さにとても弱いので、夏場は涼しい環境で管理してあげるようにしましょう。

ハスカップの水やり・肥料の与え方は?

水やり

ハスカップは乾燥を嫌います。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。庭土の場合は、夏場の極端に乾燥している日以外は、水やりを与える必要はありません。

肥料の与え方

肥料は、植え付け時に有機質の肥料か即効性の化成肥料を元肥として施しましょう。化学肥料は控えてください。そして、地植えなら10月、鉢植えなら2・6・10月に同様のものを追肥します。

肥料に窒素分が多いと、実がたくさんつかなくなってしまうので注意してください。

ハスカップの植え替え・剪定の時期と方法は?

ハスカップ 花

植え替え

ハスカップの鉢植えは、根詰まりを防ぐことと土質を健全な状態に保つために2年に1回の頻度で、一回り大きな鉢に植え替えを行います。適期は11~2月で、花がつく前に行うようにしてください。

剪定

ハスカップは強い剪定を行う必要はありません。12~2月に弱い枝や混みあった枝などを間引いていく程度で大丈夫です。逆に強く切り戻すと、翌年の実のつきが悪くなってしまうので注意してください。

ハスカップの増やし方!挿し木の時期や方法は?

ハスカップは株分けと挿し木で増やすことができます。株分けは11~2月、挿し木は10~11月か4~5月に行いましょう。特に挿し木は簡単で、長さ20cmほどの挿し穂を作り、2/3ほどを土の中に差し込むだけです。剪定の際に行うのがおすすめです。

ハスカップの栽培で注意が必要な病害虫は?

カイガラムシやハマキムシ、アブラムシなどの害虫が発生することがあります。害虫は、発生し次第取り除いていきましょう。

また、過湿が原因で枝枯れ病や灰色かび病に侵されることもあるので、水の与えすぎに注意し、風通しのいい場所で育てるようにしてください。病気の被害が拡大するようなら、落葉果樹に使用可能な薬剤を散布しましょう。

ハスカップの実の収穫時期や方法は?

ハスカップ 実 収穫

ハスカップは、5月中旬~6月初旬のおよそ1ヶ月しか実を収穫することができません。また、実の熟す時期にはばらつきがあるので、実の色が濃いブルーになったものから順番に手で摘み取って収穫していきます。

実は傷みやすく、常温では液状に変化してしまうので、収穫後すぐに生食するか、冷凍・加工保存して利用するようにしてください。

ハスカップの実の味や効能は?

ハスカップ 枝

ハスカップの実は、ブルーベリーやラズベリーよりもやや酸味が強い味をしています。近年は品種改良によって甘みが増したものもありますが、実は傷みやすいこともあり、生食ではなくジャムや果実酒、お菓子に加工されることが多いです。

実は、他の果実に比べてビタミンC、カルシウム、鉄分、アントシアニンを豊富に含んでいます。特にポリフェノールの一種であるアントシアニンは、強い抗酸化作用があり、血圧の抑制や老化防止、肝機能の向上などの効能が期待できます。

ハスカップのジャムの作り方

材料

● ハスカップ:100g
● 砂糖:50~150g(お好みで調節してください)
● レモン汁:少々

作り方

1. ハスカップの実を洗って水気をきり、砂糖をかけて1時間ほどなじませる
2. 砂糖がなじんだハスカップを鍋に入れ、弱火にかけてアクをとりながら煮詰める
3. とろっとしてきたら、火を止めてレモン汁を加える
4. 粗熱がとれるまで冷まし、煮沸消毒したビンなどにうつす

ハスカップの栽培で実をつけるのは難しい

ハスカップ 実

ハスカップは自家受粉率が大変低く、自分で育てても実をつけるのはとても難しい植物とされています。そのため、異なる品種を植えて人工授粉にチャレンジしてみると、実をつけやすくなるかもしれませんよ。

手間がかかり、育て方も難しい植物ですが、実がとれたらジャムや果実酒などにして楽しんでくださいね。

更新日: 2019年12月22日

初回公開日: 2015年08月06日

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