松の代表的な種類の1つである黒松。黒みを帯びたたくましい幹を上に向かって生やす姿は、雄々しい雰囲気を持っていますよね。その姿から、「雄松」という別名でも親しまれています。大気汚染や潮風に負けない強さを持っていることから、街路樹や防潮林として全国各地で利用されていますよ。今回は、そんな黒松の花言葉と、剪定の時期と方法など育て方についてご紹介します。
黒松(クロマツ/雄松)の花言葉とは?
『不老長寿』『同情』『哀れみ』『慈悲』など
黒松は松の1種なので、花言葉も松と同じものが付けられています。不老長寿は、松の樹齢が長く、月日がたつにつれて品格を増すその姿に由来しています。
黒松(クロマツ/雄松)の学名・原産国・英語
- 学名
- Pinus thunbergii
- 科・属名
- マツ科・マツ属
- 英名
- Japanese black pine
- 原産地
- 日本、朝鮮半島
- 開花期
- 4~5月
- 花の色
- 赤、黄
- 別名
- 雄松(オマツ)
オトコマツ
黒松(クロマツ/雄松)とは?
黒松とは、マツ科・マツ属に分類される針葉樹です。北海道から九州の海岸付近に生えていることが多く、建築や土木の材料として利用されるほか、樹脂は燃料や香料になります。
生長すると樹高は40mほどの大きさになります。樹皮が黒っぽく、赤松よりも太く固い枝を生やすことから、「黒松」「雄松」という和名が付けられました。黒松は雌雄同株で、1本の木に雄花と雌花を付けます。雄花は黄色く、雌花は赤紫色をしています。春になると、雄花からたくさんの黄色い花粉が放たれ、雌花が受粉すると松ぼっくりが作られます。
黒松(クロマツ/雄松)の育て方のポイントは?
大きく生長することから、屋外での栽培が基本です。1年を通してよく日が当たり、風通しのよい場所に植え付けていきましょう。室内で観賞したいときは、盆栽仕立てにするか、幼い苗を鉢植えにします。
黒松(クロマツ/雄松)の苗植えの時期と方法は?
鉢植え
新芽が動く前の2月下旬~4月が苗植えに最適ですが、10~5月の間であればいつ植え付けてもかまいません。鉢植えは、苗よりも2回りほど大きな鉢に、水はけのよい土を準備し、植えていきます。用土は、赤玉土(小~中粒)5:川砂5の割合で混ぜ合わせた土がおすすめです。鉢の底に鉢底ネットと鉢底石を入れ、根に付いた土は落とさずに植えてください。
地植え
日当たりと風通しのよい広いスペースを準備します。そして、苗よりも2回り以上大きな植え穴を掘って、土に腐葉土をたっぷり混ぜ込んで苗を植えます。株が若いときは倒れやすいので、植えたら横に支柱を立てて支えます。
黒松(クロマツ/雄松)の水やり、肥料の与え方
水やり
根付くまで時間がかかる樹木なので、土が乾かないよう2年間は鉢植え、地植えにかかわらず水やりをしていきます。地植えは、その後の水やりは必要ありません。
肥料の与え方
やせた土地でもよく育ちますが、2~3月に油かすなどの有機肥料や、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を株元に施すと生育がよくなります。
黒松(クロマツ/雄松)の剪定の時期と方法は?
黒松などのマツ科の植物は、美しい樹形に仕立てることが栽培の楽しみです。その分、時期ごとに様々な剪定が必要になります。4~6月初旬に「芽摘み」、10~1月には「透かし剪定」と「もみあげ(はむしり)」をするのが基本です。それぞれの手順については、関連記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
黒松(クロマツ/雄松)の植え替えの時期と方法は?
黒松は生育旺盛なので、鉢植えは定期的に植え替えが必要になります。土に水が染みこんでいかない、鉢の底から根がはみ出ているなどのときは、根詰まりを起こしているサインです。
3~4月に1回り大きな鉢に植え替えていきましょう。ただ、最終的には巨木へと生長するので、ある程度鉢植えを楽しんだら、地植えに切り替えるのも1つの方法です。
黒松の増やし方。挿し木の時期と方法は?
黒松を増やすなら、挿し木をするのが一番簡単です。3~5月に新芽が付いた枝を10~15cmほどの長さに切り落とし、赤玉土と川砂を混ぜた土に挿していきます。その後は土が乾かないように水やりをして、根が生えるのを待ちます。ただ、松の仲間は挿し木の成功率が低いので、複数本使って行なったほうがよいですよ。
黒松(クロマツ/雄松)の栽培で注意する病気や害虫は?
たくさんの害虫の被害にあいますが、何より注意が必要なのはマツノマダラカミキリ(マツクイムシ)です。枯れた樹の幹に卵を産みつけ、成虫になると他の木に移ってどんどん株を枯れさせていきます。5~6月に木全体へ殺虫剤を散布して予防し、寄生された株は抜き取って処分します。
黒松(クロマツ/雄松)は盆栽で楽しむこともできる
女性らしい赤松とは対照的に、男性的な姿をしている黒松。松の王様と呼ぶにふさわしい風格があり、庭木や盆栽に人気です。特に年月を重ねるごとに木肌が荒れてくる姿は、味わい深いものがありますよ。針金かけや強い剪定にもよく耐え、色々な樹形に仕立てることができるので、自分好みのスタイルで楽しんでみてください。
更新日: 2021年06月09日
初回公開日: 2016年03月30日