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【松(マツ)の育て方】挿し木や植え替え、毛虫などの害虫、病気対策は?

松は、ゴツゴツとした樹皮とその木の高さから、威厳と風格を感じますよね。木の寿命が長く、正月の門松に使われるなど古くから長寿やおめでたいことの象徴とされて親しまれてきました。また、潮風にも強いことから、海岸の砂防林や防風林には欠かせない存在です。今回は、松の育て方と、毛虫などかかりやすい病気や害虫についてご紹介します。

松(マツ)の育て方のポイントは?

育つのに十分なスペースを確保し、日当たりと水はけのよい場所で育てるのがポイントです。日が幹に十分に当たらないと、生育が衰え、葉の色が悪くなってしまいます。また植え付けてから2年間は、土が乾かないよう水を十分に与えてください。

松(マツ)の種まき、苗植えの時期と方法は?

種まき

秋に採取した種を、9~11月の間にまくか、乾燥しないように保存して3~6月にまきます。発芽温度は15~20度で、発芽までには1~2ヶ月ほどかかります。また、鉢や地面に植え替えられるようになるまでには1年以上かかるので、気長に育ててみてください。

1. 種を一晩ほど水に浸し、沈んでいる種を使う
2. 赤玉土か鹿沼土、赤玉土7:砂3を混ぜあわせたものを育苗ポットに入れる
3. 深さ1~2cmの穴を指でいくつか空ける
4. 種を1粒ずつ穴にまき、隠れるくらい土を被せる
5. 発芽するまで土が乾かないよう水やりし、日陰で管理する
6. 発芽したら、明るい日陰で、風通しのよい場所に移す
7. 本葉が2~3本になったら、苗が1本になるよう間引く

苗植え

10~5月まで苗植えは可能ですが、休眠期の2月下旬~4月中旬が適期です。根が弱く、植え替えを嫌うので、なるべく植え替えない場所は慎重に選んでください。

鉢植えは、8号以上で深さのあるものを準備し、鉢底ネットを敷いてから植え付けます。棒でつついて根と土をなじませてください。地植えは、日当たりと水はけのよい場所を選び、苗よりも2倍大きな植え穴を掘ってから植え付けます。いずれの場合も、苗の根についた土は落とさないようにしましょう。

松(マツ)の土作り・水やり・肥料の与え方

土作り

水はけのよい土を好みます。鉢植えは、赤玉土(中粒)1:鹿沼土1:腐葉土か堆肥1の割合か、赤玉土(中粒)7:川砂3の土を使います。地植えは、掘りあげた土に腐葉土や砂を2~3割混ぜて水はけをよくしておきます。

水やり

種や苗を植えた後、2年間は根をはるために土が乾かないよう水やりをします。地植えなら、その後の水やりは必要ありません。鉢植えは、土の表面が乾いたら水を与えます。

肥料の与え方

やせた土地でも育つ丈夫な樹木なので、たくさんの肥料は必要ありません。2~3月にゆっくりと効く緩効性化成肥料か、油かすなど有機質の肥料を株元に施します。

松(マツ)の剪定の時期と方法は?

松は、その美しい樹形を楽しむ樹木です。そのためには、5~6月に行う「みどり摘み」と、10~3月に行う「もみあげ」と呼ばれる2度の剪定をする必要があります。

松(マツ)の植え替えの時期と方法は?

鉢植えは、生長した根が鉢いっぱいに回ってしまうと根腐れを起こすので植え替えます。手順や時期は、植え付け時と同様です。根が傷つきやすいので、根についた土は崩さないようにしてください。

松(マツ)の増やし方!挿し木や接ぎ木の時期と方法は?

松は、種まき、接ぎ木、挿し木で数を増やすことができます。ただ、挿し木は発根する確率が低く、接ぎ木は技術が必要となるので、種まきで増やすのが一般的です。種まきの時期と方法は、植え付け時と同じです。

接ぎ木

2~3月か、8~9月が適期です。種まきで2~3年育てた苗を台木にし、前の年に新しく伸びた枝をひっつけて育てていきます。

1. 枝を挿すために、台木の幹に三角形の切り込みを入れる
2. 前の年に伸びた枝を10~15cmの長さに切り取り、葉っぱは10枚ほど残して他を切り落とす
3. 幹の切り込みと合うよう、切り取った枝の切り口を三角形に切る
4. 幹と枝の切り口をあわせ、紐や接ぎ木テープで固定する
5. 接いだ枝の回りにビニール袋を被せる
6. 1年ほど管理したら、接いだ枝から上の苗木を切り取り、鉢や地面に植え替える

挿し木

3~5月に、新芽がついた枝を選んで切り落とし、赤玉土や川砂を入れた鉢に挿します。その後は土が乾かないように水を与えながら、明るい日陰で管理します。ただ、発根する確率は低いので、育ったらいいなという気軽な気持ちではじめてみてくださいね。

毛虫など松(マツ)の栽培で注意する病気や害虫は?

マツカレハ(マツケムシ)

松林に太陽に発生する森林害虫で、落ち葉や樹皮の隙間で越冬した幼虫が、春に木へ登り、葉っぱを食べてしまいます。

7月には成虫となり、産卵してさらに11月頃まで新しい幼虫が葉を食べます。10~11月頃に地上1~2mほどの高さで幹にワラや新聞紙を巻き付け、幼虫を捉えて翌年の春に焼却駆除しましょう。また、大量に発生したときは、9月か4~5月に殺虫剤を散布します。

マツノマダラカミキリ(マツクイムシ)

マツノザイセンチュウによって枯れた木の幹に卵を産みつける害虫です。体内にマツノザイセンチュウを飼っており、成虫になると他の木の枝を食べてしまうだけでなく、マツノザイセンチュウに感染させてしまいます。5~6月に、株全体へ殺虫剤を散布して防除し、感染したら被害の拡大を防ぐために株ごと処分します。

カイガラムシ、アブラムシ

カイガラムシは、幹や枝に寄生して樹液を吸い取り、株を弱らせる害虫です。幼虫のうちに薬剤を散布して駆除していきましょう。また、枝を剪定して風通しをよくすることで予防できます。

アブラムシは、春から秋にかけて発生しやすい害虫で、樹液を吸い取って株を弱らせるだけでなく、排泄物がすす病を誘発します。見つけたらすぐに殺虫剤をまいて駆除しましょう。

松葉枯れ病

ペスタロチア菌が葉っぱに感染し、枯らしてしまう病気です。病気にかかってしまった枝は回復しないので処分し、株全体を消毒することで被害を食い止めます。

松の枯れる原因と対処法は?

1. 害虫や病気によって枯れる

松はたくさんの病気や害虫に犯される危険があります。その中でも特に被害が多いのが、マツノマダラカミキリです。マツノマダラカミキリ1匹に対して、15,000匹の寄生虫、センチュウがいると言われているので、見つけたらすぐに駆除することが大切です。

2. 土が原因で枯れる

土が踏み固められると、根が水分や栄養を十分に吸えず、枯れてしまうことがあります。土は柔らかく、水はけのよいところに植え付け、根が呼吸できるような環境を作りましょう。

松(マツ)は害虫に注意

松は、風格ある和の雰囲気が演出できる樹木で、長い年月と手間をかけて枝作りと樹形の維持をしていきます。ただ、丹精込めて育てた木が、害虫の被害にあって、あっという間に枯れてしまうことも少なくありません。剪定や水やりなどのタイミングで、枝や幹の状態をチェックし、長く育て続けられたらすてきですね。

初回公開日: 2015年10月21日