葉っぱに白やピンクの模様が入るヒポエステス。種類によって色合いが異なり、自分好みのものを見つける楽しみがある観葉植物です。1つ飾るだけで、お部屋が華やぎますよ。今回は、そんなヒポエステスの育て方や挿し木での増やし方、冬を越すためのコツなどをご紹介します。
ヒポエステスはどんな観葉植物?
ヒポエステスは、キツネノマゴ科・ヒポエステス属に分類される植物の総称です。
葉っぱに入る白やピンク、赤の斑点模様が特徴で、この様子が顔にできるソバカスを連想させるので、「ソバカスソウ」という和名でも親しまれています。
背丈が5〜100cmと低く、お部屋に飾りやすいサイズのものがよく出回っています。シンプルな鉢に植えると、葉っぱの色合いが際立ちますよ。
ヒポエステスを育てるときに準備するグッズは?
- 鉢に植えられたヒポエステス
- ジョウロ、霧吹き
- 液体タイプの肥料
- 剪定バサミ
ヒポエステスは、育苗ポット(いくびょうぽっと)と呼ばれるビニール製の鉢に入れられた苗の状態と、すでに鉢に植えられている状態の2通りで販売されています。
はじめての栽培なら、すでに鉢に植えられているものを購入すると気軽に育てられますよ。合わせて必要なグッズをそろえておくと、このあとの作業がスムーズになります。
苗を購入した場合は、あとでご紹介する植え替えの手順を参考に、ちょうどよいサイズの鉢へ植え直してくださいね。
ヒポエステスはどこに飾る?冬を越すコツは?
鉢に植えられたヒポエステスは、太陽の光がたくさん浴びられる場所に飾ります。窓際はもちろん、ベランダや玄関先に置いても元気に育ってくれますよ。
ただし、3度までの寒さにしか耐えられません。冷気に当たると弱るので、10月以降は外にある鉢を室内に取り込み、お部屋のできるだけ内側に飾りましょう。
日当たりが心配なら、午前中だけ日光浴をさせると葉っぱのツヤがよくなりますよ。
ヒポエステスの日々の育て方は?
ヒポエステスを飾り終えたら、日々水と肥料を与えて育てていきます。特によく生長する4〜10月は、こまめに様子を観察してあげましょう。
ここでは、ヒポエステスの日々の水や肥料の与え方をご紹介します。
水の与え方
春から秋はヒポエステスがよく生長する時期で、水をたくさん吸収します。土の表面が白っぽく乾いたら、たっぷりと水を与えましょう。特に生長が盛んな7〜9月は、毎日水やりするくらいでかまいません。
これ以外の時期は、生長がゆっくりになるので水やりを控えめに。鉢の土が乾いて数日たってから水を与えるくらい乾燥気味に育てましょう。
肥料の与え方
よく生長する時期は、土の中に含まれている以上の栄養を必要とします。なので、4〜10月頃は肥料を与えましょう。
液体肥料なら10〜15日に1回、固形の緩効性化成肥料なら、2ヶ月に1回くらいが適量です。
ヒポエステスの栽培で注意する病気や害虫は?
夏の暑さで空気が乾燥すると、小さな虫がヒポエステスの葉っぱにつきます。これは「ハダニ」という害虫で、放っておくと大量に発生し、茎や葉っぱを食い荒らします。見つけたら薬剤を散布して駆除しましょう。
乾燥しやすい環境なら、水やりとは別にヒポエステスの周りや葉っぱに霧吹きで水を吹きかける「葉水(はみず)」をすると予防につながりますよ。
ヒポエステスを植え替える時期と方法は?
ヒポエステスは、1〜2年に1回、4〜8月に一回り大きな鉢へ植え替えます。生長が早く、2年以上同じ鉢で育て続けていると、伸びた根が鉢の中いっぱいに広がり、それ以上根を生やす場所がなくなります。
根が生えすぎると「根づまり」という状態になって枯れるので、定期的に植え替えをして育つスペースを確保してあげることが大切です。
苗で購入した場合も同じ要領で、グッズを用意し、鉢に植えてあげてください。
■ 植え替えに必要なグッズ
- 今よりも一回り大きな鉢
- 観葉植物用の培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 割りばし
- ゴム手袋か軍手
- 小型のシャベル・スコップ
- ビニールシートか新聞紙
■ 植え替えの手順
- 水やりを控えて土を乾燥させる
- 作業する場所にビニールシートを敷く
- 新しい鉢の底穴に鉢底ネット、鉢底石を順に敷く
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる
- ヒポエステスを古い鉢から引き抜き、根についた土を手でやさしく揉んで落とす
- 黒ずんでいる腐った根を剪定バサミで切る
- 鉢の中心にヒポエステスを置き、縁から下2〜3cmのところまで土を入れる
- 土の表面を割りばしでつつき、根の隙間まで土をなじませる
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをする
ヒポエステスの剪定の時期と方法は?
定期的に植え替えをしながら、長い間ヒポエステスを育てていると、茎や葉っぱがたくさん生え、間延びしたような見た目になります。
そんなときは、4〜6月頃に背丈が1/3ほどになるようにバッサリと切って形を整えます。この作業を園芸で「剪定(せんてい)」といいます。
切り口からは左右に新しい茎が生え、見た目が整いますよ。切り取った茎は、このあとご紹介する挿し木という繁殖方法に活用することもできますよ。
ヒポエステスは茎を使って増やせるの?挿し木での増やし方は?
ヒポエステスは茎を使って繁殖を楽しめます。この方法を「挿し木」といいます。
新たにそろえるグッズも少なく、方法も茎を使うだけと簡単なので、興味のある人は剪定と合わせてチャレンジしてみてください。
毎日少しずつ茎から根を生やす様子を見ると、植物の生命力の強さが感じられますよ。
■ 挿し木に必要なグッズ
- コップかボウル
- 挿し木用の土
- 3号鉢
- 割りばし
- 発根促進剤
■ 挿し木の手順
- 茎を先端から10cm前後に切る
- 切り口がとがるように斜めに切って、吸水面を増やす
- 先端の葉っぱを2〜3枚残し、ほかを全て取り除く
- 大きい葉っぱがあれば半分に切る
- 水を入れたコップに切り口を数時間つける
- 植え替えと同じく、鉢に鉢底ネット、軽石を入れ、挿し木用の土を入れる
- 土に割りばしか指で穴をあけ、茎を挿す
- たっぷりと水やりをする
挿し木が完了した鉢は、土が乾かないよう水やりをしながら、日陰で管理します。数週間もすれば新しい芽と根が生えてきますよ。十分に育ったら、苗をそれぞれ適した大きさの鉢に植え替えてください。
ヒポエステスは美しい葉を持つ観葉植物
暖かい環境で育てると、どんどん生長するヒポエステス。葉っぱに入るソバカスのような模様は、お部屋に彩りを加えてくれますよ。
ちょっとお部屋が寂しいと感じたときは、ぜひ育ててみてください。品種によって色合いが違うので、いくつかそろえるのも見ていて楽しいですよ。
更新日: 2021年05月12日
初回公開日: 2015年11月28日