グラキリスは、パキポディウムの王様とも呼ばれている塊根植物です。たっぷり水分を蓄えていると、幹がどっしりと丸いフォルムに仕上がります。基本的春~秋までは屋外、冬は屋内管理が適している植物です。本記事ではグラキリスの育て方を詳しく解説します。
グラキリスはどんな植物?
グラキリスはパキポディウム属の一種で、しっかり日光に当てて育てると、ぼってりと丸みのある幹に育ちます。
原産地はアフリカやマダガスカルなどの熱帯地域で、夏が生長期です。そのため、暑さには強いものの、寒さには弱い特性があります。
春から秋は屋外、冬は屋内管理が向いている塊根植物です。和名は象牙宮で、これは表面に象の肌っぽく見える部分があるところからきています。
幹がぼってりとしているのは、たくさんの水分をそのなかに蓄えているからです。
基本情報
- 科名
- キョウチクトウ科
- 属名
- パキポディウム属
- 学名
- Pachypodium rosulatum var. gracilius
- 和名
- 象牙宮
- 原産地
- マダガスカル・アフリカ
- 生育型
- 夏
- 耐寒性
- 弱い
- 耐暑性
- 強い
- 花色
- 黄色
グラキリスの育て方!土づくりのコツは?
市販の多肉植物やサボテンの培養土で育てられます。水はけのよい配合が最適です。赤玉土に軽石や鹿沼土を加えるといいでしょう。
グラキリスの育て方!日当たりや置き場所は?
屋外なら直射日光がよく当たり、風通しのよいところで管理してください。雨に濡れても基本的には、大丈夫です。春から秋までは屋外管理で問題ありません。
晩秋、葉が落ち始めたら休眠のサインです。冬は屋内で管理しましょう。寒さに弱いので、置き場所の気温が10℃以下にならないよう気をつけてください。
気をつけたいのは梅雨の時期です。この時期は雨に当てず、軒下へ移動させるといいでしょう。室内で管理するときは、サーキュレーターを回して風の流れを作ってください。
グラキリスの育て方!水やりのコツは?
乾燥した環境を好み、土の表面が乾いてきてから水を与えましょう。多少の乾燥には問題なく耐えられます。
冬に入り、休眠したら水やりを断水気味にし、温かくなってきてから再開します。水の与えすぎはよくないので、回数や量に注意してください。
グラキリスの育て方!肥料の与え方は?
生育期に肥料を与えます。緩効性肥料なら少量を土へ混ぜ、液体肥料なら水に薄めて水やり代わりに与えてください。肥料が多すぎるのはよくありません。
グラキリスの育て方!注意すべき病害虫と対策法は?
カビの病気とカイガラムシに注意が必要で、カイガラムシは葉と幹の付け根や葉の裏側に発生しやすいです。
カイガラムシが発生すると、植物の養分を吸ってしまうため、生育不良に陥ります。さらに残った排泄物から病気が発生するので、しっかり薬剤散布して予防したり風通しのよいところで管理したりしましょう。
もし幹にカイガラムシがついていたら、ブラシで丁寧に擦り落としてください。
グラキリスの育て方!植え付けや植え替えの時期は?
2年に1度、4~6月の間に植え替えをしましょう。植え替えをしないまま育てていると、土が痩せたり通気性が悪くなったりするので、定期的な植え替えは植物にとって大切です。植え替え方法は以下のとおり。
- 鉢からグラキリスを取り出す
- 古い土を少し落とし、根を整理する
- 緩効性肥料とオルトランDXを混ぜ込んだ新しい土へ植える
グラキリスの増やし方は?
グラキリスは種から増やせ、種はお店で購入可能です。種まき用の土へ蒔いて育てましょう。
このとき、発芽するまでの種はカビやすいので注意してください。また、種には鮮度があるので、購入してからだいぶ経過した古い種はおすすめしません。
しっかり生長している通常の大きな株は土が乾いてきてから水やりしますが、グラキリスを種から育てた1年目は土が乾燥する前に水をあげてください。
とくに植え替えしてすぐは乾燥させないよう注意しましょう。また、実生1年目の冬は休眠させず、温室での管理をおすすめします。その場合の水やりは、2~3週間に1度くらいのペースで水やりしてください。
グラキリスの育て方で注意すべきポイントは?
グラキリスは、根腐れと寒さに気をつけて育てるのがポイントです。根腐れはたくさん水を与えてしまったときに起こりやすいため、タイミングや水分量に注意してください。
冬になったら屋外から屋内へ管理場所を変更しましょう。この季節の水やりは、ほとんどしなくて構いません。休眠中のため、あまり水は必要ないからです。春が来るまで、乾燥気味に管理してください。
グラキリスを育ててみよう
パキポディウム属のグラキリスは、直射日光に当てても平気で冬越しだけきちんとできれば問題ない植物です。初心者でも比較的簡単に栽培できるでしょう。増やすときは種からの実生がおすすめで、大きくなるまで時間はかかるものの、どんどん育つ様子に愛着が湧くはずです。ぜひグラキリスを育ててみましょう。
更新日: 2020年05月19日
初回公開日: 2020年05月19日