橋の柱の頭部についている宝珠形の装飾(ギボシ)に、花の姿が似ていることから名付けられたギボウシ。葉の色や模様にもバリエーションがあり、アメリカなどの海外では庭木として人気です。今回は、ギボウシの株分け、冬越し、植え替えの時期や方法など、育て方についてご紹介します。
ギボウシとは?育て方のポイントは明るい日陰
日陰でもよく育つことを「耐陰性が高い」といいますが、ギボウシは、日の当たらない庭でも元気に育つ、耐陰性が高い植物です。ただし、光合成はするので、明るい日陰で育てるのがポイントです。
7~9月頃の直射日光には当てないようにします。カラーリーフと呼ばれる、個性的な葉っぱが葉焼けをおこし、枯れてしまいます。
ギボウシの種まき・苗植え(鉢植え/地植え)の時期と方法は?
種と苗から育てますが、種は市販されておらず、自分で採種したものをまきます。また、種から育てた株は葉の模様が親と違うことがあり、開花まで3~5年ほどかかるので、早く育てたい、同じ模様がみたいときは市販の苗から育てましょう。
種まき
2~3月に、赤玉土や鹿沼土だけを入れたポットへ種をまき、水をかけます。土が乾かないように水やりをすると、2~4週間ほどで芽が出ます。芽が出たあとは、液体肥料を2週間に1度与えながら育てましょう。
苗植え
2~3月か、9~10月に苗植えをします。小型の品種は鉢植え、大型の品種は地植えが適しています。
鉢植えは、苗よりも一回り大きな鉢と水はけのよい土を用意します。鉢の底に鉢底石を敷き、浅く土を入れ、ポットから苗を取り出し、土は崩さずに植え付けます。
地植えは、午前中に日が当たり、午後は日陰になる場所が理想です。40~50cm四方の穴を掘って、土に堆肥と腐葉土を3割ほど混ぜ、2週間ほど寝かせた後、植え付けます。複数植えるときは苗の2倍の間隔を空けておきましょう。
ギボウシの育て方!土作り、水やり、肥料の与え方や時期は?
土作り
水はけがよければ、どんな土でも元気に育ちます。鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂2の割合で混ぜた土がおすすめです。地植えの場合は、掘り起こした土に川砂、腐葉土を3割ほど混ぜます。
水やり
鉢植えは、土の表面が乾いたら、たっぷり水を与えます。11~3月は休眠期で水をあまり必要とせず、乾燥に時間がかかるため、回数は少なめで。地植えは、植え付けた直後と乾燥しているとき以外は水やりの必要はありません。
肥料の与え方
あまり必要ありません。やせた土でもよく育ち、元気がないときは、3月と9月に固形の油かすを与えてください。5号鉢に親指大5~6個分が目安です。
ギボウシの植え替えの時期と方法は?
地植えは、3~5年に1回、鉢植えは1~2年に1回、2~3月か9~10月に植え替えます。株の生育をよくするために植え替えが必要な植物で、掘り上げた株は、根についた土を半分ほど落とし、傷んだ根をカットしてください。
株分けを兼ねて行うと効率よく数が増やせますよ。手順や土は苗の植え付けと同様です。
ギボウシの増やし方!株分けの時期と方法は?
ギボウシは、株分けで数を増やします。2~3月か、9~10月に株を掘り上げ、1株に3個以上の芽がつくようにナイフやハサミで切り分けます。大型種だと3株に分けることも。分けた株は、それぞれ苗の植え付けと同様の手順で植え付けます。
ギボウシの育て方で冬越しのポイントは?
ギボウシは冬越しできる植物です。基本的には、地植えでも鉢植えでも特別な対策を取る必要はありません。ただし、鉢植えにしている場合、土が凍ってしまうと根が傷んでしまうため、凍らない場所に移動させておきましょう。
冬の間、葉は枯れてしまいますが、春になるとまたきれいな葉っぱを芽吹かせてくれますよ。
ギボウシの育て方で注意する病害虫は?
5~10月の暑い時期、白絹病に感染することがあります。発病すると土や生え際が白い糸で覆われ、徐々に枯れていきます。
治療することができないので、感染した株は、見つけ次第抜き取って処分しましょう。また、土壌に菌が残っていると他の植物にも感染が広がるので、バリダシンやリゾレックスなどの殺虫剤で土を消毒します。
ギボウシは日陰でも十分に育つ植物
他の植物が育ちにくい日陰で元気に育ち、美しい葉や花を楽しめるギボウシ。グランドカバーや寄せ植えなど、活用の仕方もさまざまです。冬は葉が枯れて、少し寂しくなってしまいますが、春になるとまた新芽をふいて楽しませてくれますよ。
更新日: 2021年12月03日
初回公開日: 2015年09月05日