カモミールは、リンゴのような甘くやさしい香りで、心をほっと和ませてくれる花です。リラックス効果のあるメディカルハーブとしてや、安眠を促すハーブティーが広く知られています。今回は、そんなカモミールの花言葉の意味や由来、香りやハーブの種類についてご紹介します。
カモミール(カミツレ)の花言葉!意味や由来は?
『苦難に耐える』『逆境で生まれる力』
素朴な見た目に反して、カモミールにはたくましい花言葉がつけられています。耐寒性があり、風雨に耐え、踏まれてもよく育つ生命力の強さに由来して「苦難に耐える」「逆境で生まれる力」という花言葉が付けられました。
『清楚』『あなたを癒やす』
世界最古のハーブとして知られるカモミール。神や太陽に捧げるハーブという印象から「清楚」という花言葉が、りんごのような香りで人々をリラックスさせる効果があることから「あなたを癒やす」といった花言葉がつけられました。
カモミール(カミツレ)とは?どんな香りのハーブ?
カモミールとは、西ヨーロッパやアジア北部が原産のキク科の一年草、または多年草です。花が咲くと青りんごのような甘い香りを放ちます。草丈が30〜60cmほどで、白い花びらと黄色い花托(かたく)をつけるのが特徴です。
花びらの形や色、香りのよく似たいくつかの植物をまとめてカモミールと呼んでいるため、開花時期はまちまちです。カモミールは、約4,000年前の時代から使われていた最古の薬草ともいわれています。収穫した花を乾燥させたハーブティーや薬草、害虫予防のコンパニオンプランツとして利用されています。
名前の由来
カモミールが伝わってきたのは江戸時代末期です。オランダより伝わり、西洋医学の民間薬として広まりました。名前はオランダ名の「カミルレ」がなまって日本では「カミツレ」という名前で広まりました。カモミールという名前は、りんごのような香り由来して、「khamai(大地の)」と「melo(リンゴ)」というギリシャ語が合わさったものです。
カモミール(カミツレ)の学名・原産国・英語
- 学名
- Anthemis nobilis(ローマンカモミール)
Matricaria recutita L.(ジャーマンカモミール)
- 科・属名
- キク科・ローマカミツレ属(ローマン・カモミール)
キク科・シカキク属(ジャーマンカモミール)
- 英名
- Roman Chamomile
German Chamomile
- 原産地
- ヨーロッパから北アジア
- 開花期
- 6~7月(ローマンカモミール)
3~5月(ジャーマンカモミール)
- 花の色
- 白、黄
- 別名
- カモマイル
カミツレ
カモミール(カミツレ)の開花時期と見頃の季節は?
カモミールは、ローマンカモミールとジャーマンカモミールの大きく2つに分類されます。ジャーマンカモミールの開花期は3~5月、ローマンカモミールは6~7月が開花期です。春に咲くのがジャーマンカモミール、夏に咲くのがローマンカモミールとなっています。
満開になったあと花はどうなる?
カモミールの花びらは、満開になったあと外に反り返って折りたたまれるか、地に落ちます。真ん中の黄色い花托(かたく)は下から押し出されるようにむき出しの状態になるのが特徴です。
カモミール(カミツレ)の種類や品種!よく似たハーブ(植物)は?
カモミールと呼ばれる植物は、ジャーマンカモミールとローマンカモミールの2種がほとんどです。他の種類や品種、よく似た植物がいくつかありますので合わせてご紹介します。
ジャーマンカモミール
ジャーマンカモミールは、真ん中の黄色い部分が膨らんだ一年草です。花の部分にしか香りがなく、ハーブティーにすると蜜リンゴのような香りがします。流通数や生息数が多く、カモミールと呼ばれている多くは本種のことです。
抗炎症作用のあるアズレンという成分の含有量が多いため、かゆみや虫刺されといった肌トラブルに効果的です。また、古くから肌荒れ、冷え性、PMS(月経前症候群)といった女性の悩みに有効なハーブとしても用いられてきました。
ローマンカモミール
ローマンカモミールは、ジャーマンカモミールよりも花が大きく、草丈の低い多年草です。草全体から青リンゴを思わせるフルーティーな香りを放ちます。花には鎮静作用のあるエステル類を多く含み、その香りは心身をリラックスさせて不眠に効果があるとされています。ハーブティーにすると、ジャーマンカモミールに比べて穏やかに作用します。
ダイヤーズ・カモミール
ダイヤーズカモミールは、ローマンカモミールと同じアンテミス属の仲間です。マーガレットやたんぽぽを思わせる黄色い花が特徴で、毎年夏~秋にかけて花が咲きます。花びらは染色の原料によく使われ、「紺屋カミツレ(こうやかみつれ)」という別名でも親しまれますよ。ハーブティーなどには利用しません。
ワイルド・カモミール(マトリカリア/フィーバーフュー/夏白菊/モロッコカモミール)
ワイルド・カモミールは、別名マトカリアやフィーバーフューと呼ばれる種類です。カモミールという名前で呼ばれることはありますが、抗炎症作用があることから、精油によく用いられます。
ジャーマン・カモミールとローマン・カモミールの違いは?
ローマンカモミールとジャーマンカモミールの2種は同じキク科ですが、属名のほかに花姿や香り、効能が違います。以下にその違いをまとめました。
名前 | ジャーマンカモミール | ローマンカモミール |
科・属 | キク科・シカギク属 | キク科・カマエメルム属 |
性質 | 一年草 | 多年草 |
開花時期 | 3~5月 | 6~7月 |
花 |
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草丈 | 60cm | 20〜30cm |
香り | りんごのような香り | |
効果効能 | 肌荒れ、冷え性、PMS(月経前症候群) |
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カモミール(カミツレ)の花言葉は我慢強い方にピッタリ
カモミールは、古くからハーブティーや精油、ポプリ、リキュールなどに幅広く利用されてきたハーブです。ただ、ハーブティーにすると味や効果・効能が種類によって違うので、その違いを楽しめるようになると栽培も楽しめますよ。
また、カモミールは「苦難に耐える」「逆境で生まれる力」といった、これからチャレンジされる方や我慢強い方にピッタリの花言葉をもっています。もし、周りに花言葉の似合う方がいれば、自宅で栽培したカモミールをプレゼントしてみてはいかがでしょうか?
更新日: 2021年09月22日
初回公開日: 2015年07月10日