冬は鍋に入れる野菜がおいしい季節ですよね。冬のベランダでも栽培できるものも多く、冬から家庭菜園を始める人も多くいます。今回は、プランターや鉢などで育てられる栄養たっぷりの野菜と栽培方法をご紹介します。
家庭菜園におすすめの冬野菜① ネギ
植付時 | 3~4月/9~10月 |
収穫期 | 11~3月 |
ネギはどんな野菜?
ネギは、古くから薬味などに利用される中央アメリカ原産のユリ科の野菜です。鍋の具材としても欠かせないもので、疲労回復や血行促進の効能があることから、食べると体がポカポカしてきますよね。
プランター栽培向きの種類は?
プランター栽培では九条ねぎなどの葉ネギがおすすめです。
育て方ポイント
水はけのよい土を好むので、土作りは念入りに。また、植え付けてから2~4週間後、2ヶ月後、3ヶ月後の3回、根元に土を寄せることで、やわらかくきれいな白い部分を作ることができますよ。
さらにネギは、刈っても刈っても少しずつ新葉が出てくるため、少しの面積でも十分栽培することができます。
家庭菜園におすすめの冬野菜② ホウレンソウ
植付時 | 9~10月 |
収穫期 | 11~12月 |
ホウレンソウはどんな野菜?
ホウレンソウは、江戸時代から盛んに栽培されるようになった野菜です。和え物や味噌汁の具材などの和食だけでなく、パスタやグラタンといった洋食にも幅広く利用されます。アクが強いので基本的には加熱して食べますが、最近ではアクの少ないサラダホウレンソウも出回っていて、生食も可能になりました。
栄養素
ホウレンソウは、カロテン・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンC・葉酸・鉄分など、様々な栄養素をバランスよく含むので積極的に食べたい野菜です。
育て方ポイント
ホウレンソウは、種まきから収穫までが早く、プランターでも手軽に栽培できる野菜の1つ。
小型プランターでも9~10月に種をまけば、十分な量を収穫することができます。ただ、発芽の適温は15~20度なので、涼しくなってから種をまきましょう。秋に種をまいて、冬に収穫すると甘みが増しますよ。また、発芽した後は、本葉が1~2枚になったときと、3~4枚になったときの2回、間引きをして混みあった部分を整理すると、きれいな株に育ちますよ。
家庭菜園におすすめの冬野菜③ 小松菜
植付時 | 2~11月 |
収穫期 | 種まきから30~45日後 |
小松菜はどんな野菜?
小松菜は、東京都江戸川区の小松川地区で江戸時代初期に盛んに栽培されるようになったアブラナ科の植物です。1年中いつでも植え付けができ、旬の冬は特にしっかりと丈夫な株が育ちます。
栄養素
β-カロテン・ビタミンCが豊富で、風邪の予防や肌の調子を整えるのに効果が期待できます。また、カルシウムは特に豊富なので、お子様にもぜひ食べていただきたい野菜です。
育て方ポイント
プランターでも簡単に育てられますが、アブラナ科の植物なので虫がつきやすくなっています。秋~冬は害虫の心配は少ないですが、防虫ネットや寒冷紗で虫を防ぐと安心です。
家庭菜園におすすめの冬野菜④ 大根
植付時 | 7~9月 |
収穫期 | 10~12月 |
大根はどんな野菜?
大根は、古代エジプトの時代から栽培されている根菜で、日本には弥生時代に伝わってきました。平安時代には栽培の記録が残っており、現在でも煮物やサラダ、漬物など幅広い用途に利用されます。特に冬の大根は甘みが増してとても美味しくなります。
プランター栽培向きの種類は?
大根は畑、もしくは深さがしっかりあるコンテナなどでの栽培が向いています。ラディッシュ(二十日大根)などの小型種がプランターでの栽培に向いるのでおすすめ。
育て方ポイント
生育に適した気温は15~20度で、涼しくなってから栽培をしていきます。直根性で、白い根を地中深くまで伸ばします。土は深さ30cmほどまでしっかりと耕し、堆肥を混ぜてふかふかにしておきましょう。
家庭菜園におすすめの冬野菜⑤ カブ
植付時 | 8~10月 |
収穫期 | 9~12月 |
カブはどんな野菜?
ぷっくりと丸い茎がおいしいカブ。春の七草『すずな』とはカブのことだとご存知でしたか。平安時代には栽培の記録が残っており、日本では栽培の歴史が古い野菜の1つとされています。地域によって形や色、大きさは様々で、種類が楽しめることも魅力です。
育て方ポイント
アブラナ科を育てていた土で育てると、病害虫の被害や生育不良を引き起こす連作障害にあいやすくなるので、新しい土を使って栽培することがポイントです。プランター栽培なら、小さな小カブを育ててみてはいかがでしょうか。
収穫ポイント
キレイな形のカブを収穫するためには、間引きが大切です。大株なら直径8-10cm、小カブなら直径4-5cmくらいが収穫の目安なので、それに合わせて余裕を持って間引きをしていきましょう。
家庭菜園におすすめの冬野菜⑥ ブロッコリー
植付時 | 7~9月 |
収穫期 | 10~2月 |
ブロッコリーはどんな野菜?
もこもことした房が特徴的なブロッコリー。実はキャベツの仲間で、イタリアで品種改良されて作られた野菜なんです。日本には、第二次世界大戦以降に普及しました。
栄養素
鉄分やカルシウム、葉酸などの栄養価が豊富なことから、子供や妊婦さんにもおすすめの野菜です。特にビタミンCはレモンの約2倍も含まれています。
育て方ポイント
外側の葉っぱを大きく育てることが、大きな株を収穫するコツです。栄養が豊富な土を好むので、植え付けるときにしっかりと完熟堆肥や肥料を土に混ぜ込んでおきましょう。また、湿気が苦手なので、水やりは控えめに育てていきます。
花蕾ができてくると、鳥がそれを食べにきます。防鳥ネットなどで守ってあげると安心ですよ。
家庭菜園におすすめの冬野菜⑦ カリフラワー
植付時 | 7~9月 |
収穫期 | 11~1月 |
カリフラワーはどんな野菜?
カリフラワーは、地中海沿岸原産のケールが、突然変異して生まれたとされる野菜です。ブロッコリーによく似ていますが、全く違う種類で、白い茎の部分がサラダに使われます。日本に普及した第二次世界大戦以降は、ブロッコリーよりもよく用いられていました。
栄養価はブロコリーより劣りますが、青果物の価格は断然高いので、家庭菜園での栽培がお得感もありおすすめの野菜です。また、ブロッコリーよりも花蕾が大きくなり、食べ応えも十分にあります。
育て方ポイント
ブロッコリー同様、外側の葉っぱを大きく生長させることが、おいしい株を収穫するポイントです。純白なカリフラワーを収穫するためには、大きく育った葉で花蕾部分を包んで、日光が当たらないようにすることが重要です。逆に、オレンジ色や紫色などの有色花蕾になる品種は、日光がしっかりと花蕾部分に当たるようにしましょう。
プランター栽培向きの種類は?
カリフラワーは、小型の品種を選べばプランターでも育てることができます。主な小型品種として『美星(みせい)』や、オレンジ色の花蕾になる『オレンジ美星』などがあります。生食でもコリコリした歯ごたえで、甘みもあってとても美味しいですよ。
家庭菜園におすすめの冬野菜⑧ 白菜(ハクサイ)
植付時 | 8~9月 |
収穫期 | 10~1月 |
白菜はどんな野菜?
白菜は、鍋料理には欠かせない冬野菜の1つです。日本で本格的に栽培されるようになったのは昭和になってから。キャベツに似た丸まった葉っぱは縦長で、食物繊維やミネラルを豊富に含んでいます。
プランター栽培向きの種類は?
白菜のプランター栽培では、小型の品種がおすすめです。『お黄にいり』、『黄味小町』、『タイニーシュシュ』、『娃々菜(わわさい)』、『プチヒリ』などがあります。
育て方ポイント
アブラナ科の植物なので、病気や害虫の被害を防ぐために新しい土に植え付けていきます。また、本葉が10枚ほどになったときと、丸まってきたときに、株元に土を寄せて肥料を与えると、外側の葉っぱが大きく育ち、立派な株を収穫できます。
家庭菜園におすすめの冬野菜⑨ チンゲンサイ
植付時 | 9~10月 |
収穫期 | 10~12月 |
チンゲンサイはどんな野菜?
中国野菜を代表する、身近な存在のチンゲンサイはクセが少なく、炒め物やクリーム煮などのどんな調理にも使えます。また、ビタミンやミネラルをバランスよく含み、栄養も豊富です。秋以降に収穫されたものがおいしいといわれていますよ。
育て方ポイント
日当たりさえよければ、種からでも簡単に栽培できることから、家庭菜園初心者におすすめです。植え付けるとき、土にしっかりと苦土石灰を混ぜておけば、ある程度放っておいても元気に育ってくれます。
ただし、栽培中に乾燥させると葉先が傷みやすいので、土の表面が乾いたらしっかりとお水をあげるようにしましょう。
冬に栽培・収穫できる野菜には甘みがいっぱい
寒さが増すほど甘みを増す冬野菜は、旬の時期に収穫すると栄養価も高くなっています。また、秋から冬にかけて栽培すると、害虫の心配が少ないこともポイントです。冬に栽培できる野菜を色々な料理に利用して、楽しんでくださいね。
家庭菜園で冬野菜の栽培を楽しもう!
冬が旬となる野菜には、栽培が簡単なものが多くあります。また、栄養が豊富で寒い季節に嬉しいものも多くあります。初心者の方からベテランの方まで、ぜひ「冬」の野菜を楽しみましょう!
更新日: 2018年12月25日
初回公開日: 2015年11月05日