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人参の育て方|種まきや間引き、栽培のコツは?

β-カロテンが豊富な緑黄色野菜として知られる人参。カレーやシチュー、肉じゃがなど、日本の食卓に欠かせない野菜ですよね。長さによって、五寸人参、四寸人参、三寸人参、大長人参などの呼び名があり、スーパーで市販されている多くは、五寸人参なんですよ。今回は、そんな人参の育て方について、栽培のポイントや収穫時期と方法などについてご紹介します。

人参(にんじん)の栽培のポイントは?

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人参の生育適温は、15~22度です。日本の夏の暑さが苦手なので、よく日の当たるところで適度な気温と水やり、肥料を施すと元気に生長してくれますよ。

家庭菜園なら種から育てることが多く、春まきと夏まきの2種類があります。地植えでの家庭菜園なら夏まき、プランター栽培なら根が小さなミニ人参がおすすめです。また、苗の移植は根を痛めるほか、変形根の原因となるので、鉢やプランター植えなら、移植や植え替えはせずに、収穫まで育てるのがポイントです。

人参(にんじん)の種まきや苗植えの時期と方法は?

人参の種まきは、春まきであれば3月中旬~4月中旬、夏まきは7月下旬~8月上旬ごろが適期です。日光を好み、発芽適温が15~25度と割りと高めなので、夏まきのほうが生長は早いです。種は発芽率を上げるため、一晩水に浸して吸水させて使いましょう。

  • 鉢植え、プランターのポイント

鉢植えなら深さが25cm以上あるもの、プランターなら横幅60cm以上の容器がおすすめです。根を深く張るため、深鉢や深型のプランターを選びましょう。

  • 地植え

種まきや苗植えの2週間前までに、耕して苦土石灰を散布し、よく混ぜておきます。また、人参の根が変形しないよう土の中の石なども取り除いておきます。1週間前には、肥料を混ぜて苗や種を植える畝を作っておきましょう。

植え付け

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  1. 鉢植え、プランターなら鉢底に軽石や鉢底石を敷いて土を入れる。
  2. 土にたっぷり水やりをする。
  3. 棒などを使って深さ1cmの種をまく溝を作る。
  4. 1cm間隔で種をまき、苗なら20cm以上あける。
  5. 日光を浴びて発芽する好光性種子なので、風で飛ばないよう薄く土を被せる。
  6. 土が乾燥しないように、発芽するまで水やりや霧吹きで湿らせ続ける。
  7. 本葉が1~2枚になって、隣と触れ合うようになったら株間2cmで間引く。
  8. 本葉が3~4枚になったら株間3~4cmに間引く。
  9. 本葉が5~6枚になったら株間10cmで不要な苗は根元から間引く。
  10. 間引いて凹んだ部分の土はならして、残った株元に土を寄せる。
  11. 株元に不織布やもみ殻をかけてマルチングする。

人参(にんじん)の土作り、水やり、肥料の時期と方法は?

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土作り

市販の野菜の培養土か、自分で作るなら赤玉土5:バーミキュライト3:川砂2の割合で混ぜた土がおすすめです。1㎡あたりコップ1杯(100〜150g)の苦土石灰を植え付けの2週間前に混ぜ、1週間寝かせたら肥料を混ぜてさらに1週間寝かせます。

伴野さん
人参の場合は、堆肥が根の変形の原因となることがあるので堆肥は使わない方が無難かと思います。

水やり

種まき後は、発芽するまで土を乾燥させないよう、毎日霧吹きや水やりを続けましょう。発芽後は徐々に頻度を減らし、土の表面が乾燥したら水やりをするようにしましょう。双葉が育ってくると、過湿状態は根腐れやカビの原因になるので注意してください。

肥料

人参は、種をまいて60日くらいしたら肥料の吸収がよくなりますので、それまでの肥料は控え目にします。1回目の追加肥料は、本葉が3~4枚で、2回目の間引き後に化成肥料を1株3~5g程度施します。2回目の追肥は、本葉が5~6枚で、3回目の間引きの後に施しましょう。株元に肥料をまいたら、周囲の土と軽く混ぜ合わせ、さらに株元に寄せておきます。

人参(にんじん)の収穫の時期と方法は?

ニンジン にんじん 人参 収穫

人参の収穫は、春まきであれば5月下旬~6月下旬、秋まきであれば10月下旬~2月下旬が適期です。根元をつかんで一気に引き抜いて収穫します。

品種によって違いはありますが、五寸人参で約100~120日、ミニ人参で約70~90日ほどで収穫が始まります。目安としては、用土から出ている根の上部が4~5cm、ミニ人参であれば親指大くらいになった頃が適期ですよ。収穫期を逃すと、根が割裂するので気を付けてくださいね。

人参(にんじん)の保存方法は?

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人参の保存は、暗く涼しい場所に置いておくのがよいでしょう。また、涼しい季節であれば、長期保存もできますよ。この時、フタを少しあけて呼吸ができるようにしておきましょう。

  1. 葉っぱを根元から切り落とす。
  2. 段ボールに籾殻を入れる。
  3. 人参同士がくっつかないように立てて並べる。
  4. さらに上から籾殻を入れて埋める。
  5. 冷暗所で保管する。

葉には根以上に豊富に栄養が含まれます。葉も捨てずにおいしくいただきましょう。葉は、洗ったのち乾かして冷凍すれば6か月ほど保存できます。

人参の栽培中に注意することは?

人参は発芽までに時間がかかる野菜です。この間に乾燥させないように気を付けましょう。水やりによって種が流れてしまう失敗もよくあります。

人参の上部が緑化することがありますが、土寄せが不足していることが原因です。日光に当たって光合成をはじめ、緑色に変化してしまうので、品質も落ちてしまいますよ。完全に土に隠れるように、その都度土寄せをしておくとよいでしょう。

人参(にんじん)の栽培中に注意する病気や害虫は?

軟腐病、根腐病

軟腐病や根腐病は、過湿状態が続いたときに発生しやすい病気です。どちらも糸状菌が原因で発病し、根の部分を住処にして腐らせます。できるだけ風通しや水はけのよい土作りを心かげるのが予防策です。病気にかかった部分は、切り取って処分してしましょう。

アオムシ

人参が最も注意したいのがキアゲハの幼虫です。発生すると、葉っぱの部分をあっという間に食害します。幼虫は見つけ次第駆除し、葉っぱに丸くて黄色い粒がついていたらそれは卵なので、同じく軍手や他の道具で退治してください。マルチングや防虫ネットで、害虫の飛来を防ぐのも効果がありますよ。

人参(にんじん)の育て方を楽しもう

人参は、いろいろな料理に使えるため、私たちの食卓には欠かせない万能野菜です。ただ、お子さんの中には人参が苦手だという子も多いかと思います。一緒に人参を育てて収穫を楽しみ、収穫した人参や野菜で料理を作ると克服につながるかもしれません。ぜひ、お子さんと一緒に人参を育ててみてはいかがでしょうか?

最近は、オレンジ色だけでなく白や黄色、紫色などカラフルな品種も増えています。色々作ってみても、楽しいと思いますよ。

更新日: 2021年06月02日

初回公開日: 2016年05月06日

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