アクが少なくクセのない小松菜は、おひたし、煮びたし、炒めものなどいろいろな料理に使える緑黄色野菜です。葉もの野菜が不足しがちな冬にありがたい存在ですよね。また、ほうれん草に匹敵するほどの栄養価が高いこともうれしいポイント。今回は、そんな小松菜とはどんな野菜なのか、育て方のポイントや種まきの方法などをご紹介します。
小松菜(コマツナ)の学名・原産国・英語
- 学名
- Brassica rapa var. perviridis
- 科・属名
- アブラナ科・アブラナ属
- 英名
- Komatsuna
Turnip leaf
Turnip green
Japanese Mustard Spinach
- 原産地
- 日本
- 収穫期
- 5~12月
- 別名
- 冬菜(フユナ)
鶯菜(ウグイスナ)
餅菜(モチナ)
小松菜(コマツナ)とは?どんな野菜?
小松菜とは、アブラナ科・アブラナ属に分類される緑黄色野菜です。クキタチナを品種改良し、江戸時代に武蔵国葛飾郡小松川村(現在の東京都江戸川区小松川付近)で栽培が盛んにされるようになったことから、名付けられました。野菜売り場で周年見かけますが、寒さに強く、本来は寒い冬に採れる野菜です。霜が降りた方が、甘みが増して葉っぱがやわらかくなりますよ。
※各地方で栽培される、餅菜や正月菜、若菜、黒菜、女池菜などと呼ばれる野菜は同じように見えますが実はコマツナとは別のものです。
小松菜(コマツナ)の育て方のポイントは?
5度以上で管理し、花芽が付く前に収穫していきます。生育適温は15~25度で、-3度の低温まで耐える強さを小松菜は持っています。
ただ、13度以下の低温に一定期間当たると、大きく育つ前に花芽ができてしまいます。寒い時期に栽培するときは、5度以上の環境が保てるよう、トンネル支柱にビニールを張るなど保温対策を施すと安心です。
小松菜(コマツナ)の種まきの時期と方法は?
発芽適温は15~25度なので、3~10月の間であれば、いつでも種まきをして育てていけます。品種によって適期が違う可能性があるので、種の袋の裏に書いてある適期を守ると確実です。
プランター
45cmプランターや10号鉢を利用していきます。株同士の間隔が最終的に5~10cmほど空けば、どんな容器を使ってもかまいません。土は、赤玉土(小粒)7:腐葉土2:バーミキュライト1か市販の野菜用培養土を使います。
- 容器の底に鉢底石を敷く。
- 容器の8割くらいまで土を入れる。
- 支柱などほど長い棒を使って土にスジを作る。
- 複数スジを作るときは、10~15cmほど間隔を空ける。
- 重なり合わないようスジに種をまく。
- うっすら土を被せ、上からそっと手で押さえる。
- たっぷりと水やりをする。
地植え
- 種まきの2週間前に、苦土石灰を1㎡あたり100~150g(コップ1杯くらい)土に混ぜ込んでおく
- 1週間たったら、腐葉土や堆肥、緩効性化成肥料を土に混ぜ込む。
- 幅100~150cm、高さ10~15cmの畝を立てる。
- 支柱を使って、畝の縦方向に幅15~20cmほど空けてスジを作る。
- 種が重なり合わないようスジにまいていく。
- 種が流れてしまわないよう注意しながら、たっぷりと水やりをする。
小松菜(コマツナ)の間引きの時期と方法は?
小松菜は、本葉が1~2枚と2~3枚になったときの2回間引きをして、株同士の間隔を調節していきます。
種まきから5~7日ほどたった頃が1回目の間引きのタイミングです。株同士の間隔が3~5cmほどになるよう、生育のよすぎるものや悪いものを抜き取っていきます。無理に抜き取ろうとせず、株元をハサミで切り取ってもかまいません。
そして、本葉が2~3枚になったら、株同士の間隔が5~10cmほど空くように生育の悪いものを引き抜いていきます。間引きした株は、ベビーリーフとしてお味噌汁やサラダに加えるとおいしく味わえますよ。
小松菜(コマツナ)の水やり、肥料の与え方
水やり
小松菜の苗は乾燥に弱いので、草丈が10cmくらいになるまでは、鉢植え、地植えにかかわらず土の表面が乾いたら水やりをしていきます。地植えは、その後の水やりは必要ありません。鉢植えは、土の表面が乾いたら定期的に水を与えます。
肥料の与え方
肥料が多いと、小松菜は味が悪くなってしまいます。植え付けるときに緩効性化成肥料を施したら、追加で与えなくても元気に育ちます。
小松菜(コマツナ)の収穫時期と方法は?
種まきから30~40日ほどたち、葉っぱの長さが20cmくらいに生長したら、収穫のタイミングです。ただ、気温によっても収穫までの期間は異なり、寒い時期は植え付けから70日ほどかかってしまうときがあります。
十分に大きくなったら、株をそっと土から抜き取っていきます。このとき、根も一緒に抜き取るようにしてください。また、草丈が30cm以上になると繊維質が増えてかたくなり、味が落ちてしまうので注意します。
小松菜(コマツナ)の栽培で注意する病気や害虫は?
アブラムシやコナガの被害にあうことがあります。ただ、秋に種まきをすれば、発生は抑えられますよ。また、植え付けたら防虫ネットを張って虫の飛来を防ぐと効果的です。
種まきの時期をずらして長く小松菜(コマツナ)を楽しむ
小松菜は生育が早く、丈夫で育てやすい野菜です。そのため、はじめて家庭菜園で育てるにはぴったり。ただ、思ったよりもたくさん収穫して食べるのが大変…なんてことも少なくありません。
30~35日と栽培期間が短いので、一度にたくさんの種をまかず、時期をずらしてみてください。そうすれば、収穫の時期がずれて、長く自家製の小松菜を楽しむことができますよ。
更新日: 2023年02月23日
初回公開日: 2016年06月24日