ライチは、美肌をはじめ女性にうれしい効果や栄養をもっている人気のパッションフルーツです。日本の野菜売り場ではあまり見かけませんが、台湾などでは6~7月になると生のライチがたくさん市場に並んでいるんですよ。今回は、そんな日本では珍しいライチの栽培について、鉢植えでの育て方のコツや苗植えの方法などをご紹介します。
ライチ(レイシ)の基本情報!学名・原産国・英語
- 学名
- Litchi chinensis
- 科・属名
- ムクロジ科・レイシ属
- 英名
- Lychee
- 原産地
- 中国
- 開花期
- 2~4月
- 収穫期
- 6~8月
- 別名
- レイシ
ライチー
ライチ(レイシ)とは?どんな果物?
ライチとは、ムクロジ科レイシ属に分類される果樹です。漢字で「茘枝」と書き、「レイシ」とも呼ばれます。本来、樹高は8m以上に生長する落葉性高木で、やや細長い楕円形の葉っぱを茂らせ、2~4月に黄緑色の花をかたまって咲かせます。
6~8月には果実を実らせ、収穫して果肉をデザートとして楽しみます。実は2~3cmの球形で、亀の甲羅のようにゴツゴツしている赤い皮が特徴です。ゴツゴツした皮と違って、中の果肉はクリーム色で、甘くよい香りを放ちます。
ライチの育て方のコツは?
鉢植えにして日当たりのよい場所に置く
高温多湿の環境を好むので、1年を通して日当たりがよい場所で育てていきます。気温が0度くらいあれば冬を越せますが、霜に当たると枯れてしまうので場所を移動しやすい鉢植えが基本です。関東より北の地域での地植えはむずかしいです。
ライチ(レイシ)の栽培の流れ!どんな土を用意するの?
ライチの育て方の流れ
- 3~4月土作りをして苗を植える
- 定期的に肥料を施しながら育てる
- 気温が下がってきたら室内に取り込む
- 翌年の2~5月に花を咲かせる
- 6~8月に実が付くので収穫する
- 8~9月に剪定をする
- 1~2年に1回、4~6月に植え替えをする
ライチの好む土は?
ライチは、水はけのよい弱酸性の土を好みます。鉢植えで育てるなら、1週間前から土作りをはじめておきます。赤玉土(小粒)7:3や赤玉土(小粒)6:ピートモス2:川砂2の割合で混ぜた土へ、化成肥料か有機肥料を混ぜて1週間ほど寝かせてください。市販されている園芸用培養土を使っても構いませんが、鹿沼土を3割ほど混ぜて水はけを調整しておきましょう。
ライチの栽培!苗植えの時期と方法は?
ライチは、寒さに弱い果樹です。温暖な地域で育てるか、冬は暖かい場所へ移動させやすい鉢植えで育てるのが一般的です。種から10年ほどかけて収穫まで育てることもできますが、市販されている苗を鉢植えにする方が早くて簡単でよ。3~4月頃、苗よりも一回り大きな植木鉢に苗を植えて大きく育てていきましょう。
- 植木鉢と土作りをすませた土を準備する
- 鉢底石を敷いてから鉢の1/3ほどまで土を入れる
- 苗を中心に置き、周りに土を入れて安定させる
- たっぷりと水やりをする
- 直射日光の当たらない明るい場所に置いて管理する
ライチを上手に栽培しよう!水やり、肥料の与え方
ライチの水やりは?
ライチは、多湿を好みますが、土が常に湿っていると根腐れを起こしてしまいます。鉢植えなら土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをしていきましょう。特に結実する頃にたっぷりと水を与えることで、甘くおいしい実が収穫できますよ。一方、休眠期でたくさんの水を必要としないので、乾燥気味に管理します。
肥料
4~11月の間、2~3ヶ月に1回肥料を与えます。固形の有機肥料か、リン酸成分が少し多めに入っている化成肥料がおすすめです。
ライチの剪定の時期と方法は?
ライチを放置していると、どんどん上へ伸びていき10mほどになってしまいます。せめて樹高は高くても2~3mに調整しておきましょう。適期は8月で、混み合った枝を減らしながら、日差しが幹に届くようにしましょう。上に伸びていく枝は切りつめて、高さを調節してください。
ライチ(レイシ)の栽培で注意する病気や害虫は?
ライチは、カイガラムシ、ハダニ、カメムシなどの害虫の被害にあいやすい果樹です。それぞれの害虫に効果的な薬剤を散布して、予防と退治につとめましょう。
ただ、カイガラムシは成虫になると駆除がむずかしいので、幼虫の間に薬剤を散布するか、ブラシなどで直接引きはがしてください。また、カメムシは果汁を吸うので、実を1つ1つ袋で覆う作業(袋掛け)をすると被害を予防できますよ。
ライチの収穫の時期と方法は?
ライチの実は、しっかりと熟したものを6~8月に収穫していきます。実が鮮やかな赤色になったら熟しているサイン。すぐに鮮度が落ちてしまうので、収穫した実はすぐの皮をむいて食べてください。食べきれないときは、冷凍庫で保存します。
ライチ(レイシ)の植え替えの時期と方法は?
ライチはよく生長するので、1~2年に1回鉢の土を植え替えます。土の状態をリフレッシュすることで、より大きく生長したり、根詰まりによる枯れを防げます。
植え替えのときは、苗植えのときと同じ土を用意してください。8~10号鉢を平均的なサイズの目安にして、大きくしたくないなら同じサイズ鉢を、生長させたいなら株より一回り大きな植木鉢を準備します。株を取り出したとき、根が傷つくと枯れてしまうので根に付いた土は崩さずに植え替えます。株を大きくしたくないなら、根っこを少し切ってから植え替えると同じサイズの鉢でも育て直せますよ。
ライチの増やし方!種まきや挿し木の時期と方法は?
種まき
ライチは、収穫した実からとれる種からも育てられます。種は乾燥してしまうと発芽する力が極端に落ちてしまうので、実を収穫したらすぐに種をとってまいていきましょう。種は1つの果実から1つだけ集められます。
- 種を水洗いして果肉をきれいに取り除く
- 育苗ポットに種まき用培養土や赤玉土(小粒)を入れて1粒ずつ種をまく
- 軽く種に土を被せる
- 土が乾かないよう水やりをして管理する
- 1~2週間で発芽し、高さが15~20cmになったら鉢に植え替える
ライチの栄養や効果・効能は?食べ過ぎに注意
ライチには、ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCはメラニンの生成を抑える作用があるので、しみを予防し、美白効果も期待できます。ほかにも、むくみを解消してくれるカリウムや赤血球の生成を促す葉酸など、女性にうれしい栄養素がたっぷり。
ただ、ライチの原産国の中国や台湾では、ライチを食べ過ぎてはいけないといわれています。ライチには体の熱を上げる作用があり、のぼせの原因となると考えられているためです。人によっては下痢や腹痛が起こることもあるので、一度にたくさん食べるのは控えた方が安心かもしれませんね。
ライチの栽培は気温の管理が大切
日本では九州や沖縄など温かい地域でしか地植えにして栽培できないライチ。寒さに当たると枯れてしまいますが、鉢植えにすれば室内に移動させて育てられるので、他の地域でも育てられるかもしれません。生のライチはほとんど流通していないので、ぜひ自分で栽培したライチを食べてみてください。
更新日: 2023年02月23日
初回公開日: 2016年08月14日