鉄分やカロテンが豊富な緑黄色野菜として、食卓にならぶ機会も多いほうれん草。霜や寒さに当たると甘さが増すことから、冬に収穫を楽しめます。また、品種が多いことから、年間を通して栽培できるのも魅力です。今回はそんなほうれん草の栽培について、育て方のポイントや種まきの方法などをご紹介します。
ほうれん草(ホウレンソウ)の育て方!種まきの時期と方法は?
時期に合った品種を選び、育てていきます。発芽適温は15~20度で、25度を超えると発芽率が下がっていきます。地域によっても違いますが、春植えは3~5月にまいて収穫は4~7月、秋植えは8~11月にまいて9~2月に収穫ができます。植え付ける前に、一晩水に浸けておくと、発芽しやすくなりますよ。
鉢植え・プランター
10号以上の鉢か、45~60cmのプランターを用意し、土を入れたら、長い棒で溝を作ります。その溝に、種をすじまきにしていきましょう。溝の間隔は、10cmくらい空けます。土を多めに被せたら、水をたっぷりと与えて完成です。
発芽するまでは土が乾かないように管理し、その後本葉が生えたタイミングで株同士の間隔が1~5cmほど空くように間引いて育てていきます。
地植え
- 土作りをすませた土畑に幅0.6~1m、高さ10~15cmほどの畝を作る。
- 幅が15~20cm空くよう、まき溝を作る。
- まき溝の種をすじまきにしていく。
- たっぷりと水を与え、発芽して双葉が生えたら、株同士の間隔が5~10cm空くように間引く。
鉢植えでも地植えでも、まき溝をキレイに水平にすると生育が良くなります。また、種まき後の覆土もできる限り平らになるようにしましょう。間引きの時に残す株の根を傷めないように気を付けて下さい。場合によってはハサミで根元から切り取るのも有効です。
ほうれん草(ホウレンソウ)の育て方!土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
中性~弱アルカリ性の土を好みます。鉢やプランターで栽培するときは、赤玉土(小粒)6~7:腐葉土2~3:バーミキュライト1を混ぜあわせて作るか、野菜用培養土を使います。
地植えは、畑の土を耕したら、1㎡あたり手のひらいっぱいくらいの苦土石灰を混ぜ込み、酸性度合いを調節します。そして、1週間寝かせてから、堆肥や肥料を混ぜ込んでさらに1週間寝かせてから種まきをしていきます。
水やり
ほうれん草は、乾燥を嫌うので、鉢植え・地植えにかかわらず水やりをしていきます。鉢植えは、鉢の表面が乾いたら水やりをしていきます。地植えは、晴れた日は必ず水やりをしていくくらい頻繁に行うとよいですよ。ただ、与えすぎは根腐れの原因となるので、土が乾いていないときや夕方は水やりを控えます。
肥料
植え付けるタイミングで、野菜用の粒状肥料を混ぜあわせておきます。その後は、最初の間引きのとき土にひとつまみくらい(10g)の粒状肥料を混ぜて株元に土を寄せます。そして、その後は10日に1回液体肥料を施すと生育がよくなり、収穫量も増えていきます。
ほうれん草(ホウレンソウ)の育て方のポイントは?
寒さに当てながら、中性~弱アルカリ性の土で育てていくことがおいしいほうれん草を育てるコツです。酸性の土を嫌うので、あらかじめ土作りをしてから栽培をはじめていきましょう。
また、品種によって周年栽培できますが、夏の暑さには弱く、茎が固くなる「とう立ち」を起こすので、はじめて育てるときは秋からの栽培がおすすめです。
ほうれん草(ホウレンソウ)の手入れ!雨除けや保温の方法は?
雨除け
春に種をまいて育てると、梅雨など長雨に当たる機会が多くなります。たくさんの雨に当たると根腐れを起こすだけでなく、病気にもかかりやすくなるので、雨除けをしていきます。トンネル支柱をプランターや畝に立て、上部をビニールで覆うとよいですよ。
保温
ほうれん草は寒さに当たると甘くなりますが、霜や寒風、凍結によって葉っぱが傷んだり、黄色く変色したりしてしまいます。寒くなってきたら、寒冷紗や不織布を畑全体にべたばりにするとよいですよ。
ほうれん草(ホウレンソウ)の収穫の時期と方法は?
草丈が20~25cmになったら、ほうれん草は収穫のタイミングです。春は種まきから30~40日、秋は種まきから30~50日ほどで収穫できるようになります。十分に育った株は、根本を抑えて土から引き抜いていきましょう。
ほうれん草(ホウレンソウ)は種まきから栽培する
ほうれん草は、苗が販売されておらず、種から育てていくのが基本です。はじめてだと発芽するかどうか心配になりますが、ほうれん草は発芽率が高く、初心者でも栽培が楽しめる野菜です。また、育てはじめてから収穫までの期間が短いこともうれしいポイント。色々なレシピに活用できるので、家庭菜園をはじめるなら1度は育ててみたいですね。
ほうれん草を食べる時は、根元の赤い部分には鉄やマンガンなどの栄養が豊富なので余すことなく食べましょう。また、豊富に含まれるカロチンは、油と一緒に食べると吸収が良くなるので、バターソテーや炒め物などは特におススメの食べ方ですよ。
更新日: 2021年08月18日
初回公開日: 2016年05月01日