見た目がかわいらしく、形もさまざまなことから、インテリアとして人気の高い多肉植物。長く楽しむために、避けて通れない作業が「植え替え」です。今回は、そんな多肉植物の植え替えについて、方法や時期、どんな土が適しているのかなどについてまとめました。
多肉植物を植え替える理由とは?
そもそも多肉植物を植え替えるのはどうしてでしょうか?
植え替えの目的は「環境をリフレッシュ」することなんです。年月がたつと土が細かく砕かれ、密度が高まり、水はけが悪くなります。また、植物自体も大きく生長し、根が伸びて鉢の中がいっぱいに広がる「根詰まり」を起こします。
植物にとって生長しづらくなった環境を、「鉢」と「土」を入れ替えることでリフレッシュします。多肉植物はできれば毎年、少なくとも1~3年に1回のペースで新しい土へ植え替えて、環境を整えましょう。
多肉植物の植え替えが必要かどうかは何で判断する?
植え替えが必要かどうかを判断するには、「根詰まり」を確認しましょう。育てている多肉植物に以下のようなサインが現れたら、植え替えのタイミングです。
植え替えのサイン
- 鉢の底から根がはみ出てきている
- 湿気が多くないのに、葉が何枚か枯れている
- 下のほうの葉っぱが落ち、茎から根が出てきている
- 2年以上植え替えをしていない
- 鉢いっぱいに根が回っている
多肉植物を植え替える時期は?
植え替え時期の確認です。多肉植物は、種類によって生長の時期が異なり、夏によく生長する「夏型」、冬に生長する「冬型」、それ以外の「春秋型」の3つに大きく分類されます。
いずれの場合も、この生長の時期に入りはじめたタイミングで植え替えるのがポイントです。なぜなら、植え替えで根が傷ついたとしても生長のエネルギーで回復が早いからです。
「夏型」と「春秋型」は4〜5月、冬型は9〜11月が植え替えの目安としましょう。
多肉植物の植え替えには何が必要?おすすめの土や鉢は?
- 多肉植物用、またはサボテン用の培養土
- 苗より1回り大きな鉢
- 鉢底石(軽石)
- 鉢底ネット
- ハサミ(清潔なもの)
- ピンセット
- 割りばしなど棒状のもの
- 新聞紙やビニールシート
初めて多肉植物を育てる方であれば、あらかじめ適した比率にブレンドされている、市販の「多肉植物用培養土」を使うと簡単です。もし、自分で土を配合したい場合は、小玉の赤玉土とピートモスを7︰3の比率で混ぜた土に緩行性化成肥料を混ぜます。
鉢は現在よりも一回り大きな鉢を用意します。もし、5合鉢を使っているのであれば6号鉢を用意します。植物の生長スピードが早いものであれば2回り大きくても構いません。
根を切るために使うハサミは、切り口から雑菌が入らないよう、火であぶるか熱湯をかけて殺菌消毒をしておきましょう。
多肉植物を植え替える方法は?
グッズがそろったところで、さっそく植え替えをしてみましょう。植え替えの手順です。下記のような順番で進めていきましょう。
植え替えの手順
- 新聞紙やビニールシートを敷く
- 根についた土が崩れないよう、鉢からそっと抜き出す
- 手でやさしくほぐして植物についた土を落とす
- 傷んでいる根をハサミやピンセットで取り除く
傷んでいる根かどうかは茶か黒に変色しているかどうかが目印 - 一回り大きな鉢に鉢底ネット、鉢底石を敷く
- 鉢の1/3のところまで土を入れる
- 新しい鉢の中心に植物をおき、周りに土を入れる
鉢の縁から2〜3cmほど下に土がくる高さにする - 割りばしで土の表面をつつき、根と土がなじむようにする
植え替え後の多肉植物への水やりはいつから?
多肉植物を植え替えた直後は、明るい日陰で管理し、水やりを控えます。その後、4日ほどたってからたっぷりと水やりをしましょう。多肉植物は体内に水を貯蓄する性質があるため、すぐに水をあげなくても枯れませんよ。その後は、いつも通り、土が中までしっかり乾いてから水やりをするようにしてください。
多肉植物の植え替えのポイントは?
植え替えは、育ててきた植物が順調に大きくなった証でもありますが、飾る場所などの関係で「大きくなりすぎるのは困る…」という方もいると思います。
コンパクトに育てたい場合は、植え替えのタイミングで根を全体的に短く切り取ることで解消できます。太い根を避け、根をやさしく切り取ってあげましょう。
ただし、根の量が減る分、栄養の吸収力も悪くなるので葉の枚数を減らす必要があります。これは葉が多いと自然と水分が出て行く(蒸散する)からです。全体的なバランスを見て、大きさを調整してあげましょう。
多肉植物は植え替えで大きく育つ
お気に入りの多肉植物は、できるだけ長く楽しみたいですよね。そのためには、定期的に植え替えをして、生長しやすい環境を整えることがとても大切です。
初めて植え替えに挑戦する方であれば、「少し難しそうだな…」と思うかもしれませんが、手間暇がかかる分、より愛着もわくものです。ぜひ取り組んでみてください。
更新日: 2021年08月18日
初回公開日: 2015年12月23日