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富貴蘭(風蘭)の花言葉と育て方!植え替えの時期と方法は?

富貴蘭は、素朴な白い花を咲かせる東洋蘭の1種です。花の香りがよいことから、日本では古くから栽培されており、江戸時代にはたくさんの園芸品種が作り出されました。着生蘭ですが、楽鉢に植えて、花だけでなく葉も鑑賞するのが伝統的な楽しみ方なんですよ。今回は、富貴蘭の花言葉と、植え替えの時期と方法などの育て方をご紹介します。

富貴蘭(風蘭)の花言葉とは?

『恋の成就』『はかなげ』『成熟した魅力』『優雅な女性』

富貴蘭は、花の甘い香りに誘われて飛んできた蛾が、花粉を運んで結実します。この習性から、「恋の成就」という花言葉が付けられました。

富貴蘭(風蘭)の学名・原産地・英語

学名
Neofinetia falcata
科・属名
ラン科・フウラン属
英名
Japanese Wind Orchid
Samurai’s Orchid
原産地
日本、朝鮮半島、中国
開花期
7~8月
花の色
白、ピンク、薄紫、黄、緑
別名
富貴蘭(フキラン/フウキラン)
風蘭(フウラン)

富貴蘭(風蘭)とは?どんな東洋蘭?

フウキラン フウラン 地植え

富貴蘭とは、日本から中国あたりにまで分布する着生蘭の1つです。日本では、関東より南の海岸沿いに自生しています。本来は野生種や原種を「風蘭」、その園芸品種を「富貴蘭」と呼びますが、現在野生に自生しているものは絶滅の危機にあります。一方、富貴蘭と呼ばれる園芸品種は、江戸時代に観賞園芸植物として盛んに作り出され、今では100種を超えるとされています。

草丈は10~20cmと低く、まっすぐに伸びた茎を覆うよう細長い葉っぱをたくさん付けます。葉には厚みがあり、真ん中に使い溝があるのが特徴です。その葉の間から、夏になると真っ白い茎が何本も伸びて、先端に3~5輪の花をたくさん咲かせます。花は、後ろ側の突き出た部分が長く、よい香りがします

富貴蘭(風蘭)の育て方のポイントは?

風通しがよい明るい日陰で育てることが大切です。直射日光に当たると、葉っぱが焼けて観賞価値が下がってしまいます。また、湿度が高い環境だと弱ってしまうので、水苔が乾いてからたっぷりと水を与えましょう。

富貴蘭(風蘭)の苗植えの時期と方法は?

カンラン 東洋蘭  植え替え 鉢植え

富貴蘭は、発芽率がとても低いことから、苗を鉢植えにして育てていきます。柿や梅など木肌の粗い庭木に着生させることもできますが、管理が大変なため、めったに行われることはありません。

苗よりも1回り大きな素焼き鉢や化粧鉢、観賞用の楽鉢などに湿らせた水苔を使って植え付けていきます。適期は3月下旬~5月です。鉢の中心に発泡スチロールや木炭などを入れた上に水苔を入れて高く盛るか、牛乳瓶を水苔で多い、中心に空洞を作ります。

そして、その上から根を広げながら苗を置き、根の上から水苔を乗せ、鉢にセットしていきましょう。その後2週間は、風の当たらない半日陰で管理し、ときどき霧吹きで葉っぱに水を吹きかけていきます。

富貴蘭(風蘭)の水やり、肥料の与え方

霧吹き 水やり 葉水 殺虫 殺菌 駆除 害虫 防虫 

水やり

春~秋にかけての暖かい時期は、水苔が乾いたらたっぷりと水を与えます。ただ、あまり乾燥させると水苔が水を含みにくくなるので注意してください。休眠期の冬は、7~15日に1回水やりをするくらい乾かし気味に育てます。水を与え過ぎると根腐れになりやすくなります。

肥料の与え方

花が咲く前の5~7月と、花が咲き終わった9月に薄めた液体肥料を月2~3回与えます。

富貴蘭(風蘭)の剪定の時期と方法は?

咲き終わった花は、花首から切り落とし、株が蒸れないようにしていきます。また、株を太らせたいときは、花を早めに摘み取ってしまうのも1つの方法です。

富貴蘭(風蘭)の植え替えの時期と方法は?

植え替え 根腐れ 病気

1年ほどで水苔が古くなってしまうので、毎年3月下旬~5月に1回り大きな鉢に植え替えをします。基本的な手順は、植え付け時と同じです。鉢から株を抜いたとき、根を傷つけないよう水苔を外してください。また、傷んだ根や長い根は切り落とすと生育がよくなります。

富貴蘭(風蘭)の増やし方!株分けの時期と方法は?

植え替えと同時の3月下旬~5月に、株分けをして数を増やすことができます。それぞれの株に根が3本以上付くように株を手や清潔なナイフで分けていきましょう。そして、植え付けや植え替えと同じ手順で、それぞれを鉢に植え付けていきます。

富貴蘭(風蘭)の栽培で注意する病気や害虫は?

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ナメクジ

富貴蘭は病気や害虫の被害にあいづらい蘭ですが、屋外で栽培しているとナメクジに葉っぱを食べられることがあります。梅雨の時期に発生しやすく、葉を食べるスピードが速いので、早めにピンセットなどを使って捕殺するか、薬剤を散布して駆除していきましょう。

富貴蘭(風蘭)はよい香りの花が特徴の東洋蘭

富貴蘭の花から漂う香りは、甘いバニラのような独特のものです。この花の香りが魅力となって、江戸時代には多くの大名が好んで富貴蘭を栽培していました。ラン科の植物は栽培がむずかしいイメージが強いですが、富貴蘭は病気や害虫の被害が少なく、初心者でもチャレンジしやすいですよ。ぜひ、元気な富貴蘭を育てて、毎年花の香りを楽しんでくださいね。

更新日: 2015年12月15日

初回公開日: 2015年12月15日

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