ギザギザと切れ目の入った葉が印象的なポリシャス。その葉の特徴から、ギリシャ語のポリ(多い)とスキアス(影)を組み合わせてポリシャスの名前が生まれました。
品種によって葉に模様が入っていたり、背が高かったりと部屋に合わせて飾れる観葉植物です。
今回は、そんなポリシャスの挿し木や植え替え方など、育て方についてご紹介します。
ポリシャスはどんな植物?
ポリシャスとは、ウコギ科・ポリシャス属に分類される常緑性の樹木です。アジアやオーストラリア周辺など暖かい地域が原産です。そのため、寒さに弱いので室内の観葉植物としてよく育てられています。
本来の高さは2~8mほどと大きいですが、品種によって背の低いものもあります。また、葉っぱに模様があるかないかなど見た目も多様なので、部屋の雰囲気に合わせて選ぶことができますよ。
ポリシャスを育てる準備。何をそろえたらよいの?
ポリシャスを育て始めるなら、まずは観葉植物を販売している花屋さんやネットショップを確認してみましょう。鉢に植えられた状態で売られていることが多く、買ったらすぐに飾り始められます。
また、今後お手入れをする中で次のグッズが必要になります。ポリシャスを購入するときに一緒に買ってもよいですし、必要なタイミングで都度購入していくのでもかまいません。
■ 必要なグッズ
- ジョウロ、霧吹き
- 枝を切るためのハサミ(剪定バサミ)
- 液体肥料
ポリシャスの置き場所はどこがよい?
ポリシャスは比較的環境の変化に強い観葉植物です。日当たりがよくても、よくなくても生長してくれるので、好きなところに飾りましょう。ただし、10度以下の寒い環境を嫌うので、温度は意識して育てましょう。
日陰から日なた、日なたから日陰に移動する場合には、一度葉が枯れる可能性があります。これは環境に適応している証拠なので、気にしすぎないでくださいね。新しいその環境にあった芽が出てくるのを見届けましょう。
ポリシャスは水やりが必要?肥料も必要?
ポリシャスの水やりは、土が乾いたら鉢底から流れ出るほどたっぷりと水をあげるのが基本です。春~秋の生長が盛んな時期は、根が水をよく吸収するので土も乾きやすく、冬はその反対です。
冬場は土の表面が白く乾いて2~3日たったら水やりするくらいで構いません。時期によって水やりのペースがかわるので、日々様子をみてあげてください。
もし元気がないようであれば、水やりのかわりに速効性のある液体タイプの肥料をあげてみてください。それ以外で肥料はとくに必要ありません。
ポリシャスは病気にかかる?枯れる原因は何?
育てていると「ポリシャスに元気がなくなって枯れ始めたな…」と感じることがあるかもしれません。枯れる原因は2つ、1つは水やりが原因のパターン、もう1つは病害虫の被害をうけるパターンです。
1つ目の水やりは、水のあげすぎ、水のあげなさすぎが原因です。与えすぎると土の中の根が、呼吸できなくなって腐る(根腐れ)ので、先ほどの水やりの頻度を守りましょう。根腐れを起こしている場合は植え替えが必要です。
2つ目の病害虫は、炭疽病(たんそびょう)などの病気と、カイガラムシやハダニなどの害虫に注意が必要です。病気は春~秋に発生しやすく、もし見つけたときは病気にかかった部分を取り除きます。あわせて殺菌剤をまくと、拡大を抑えることができますよ。
カイガラムシやハダニは、1年中発生します。ハダニは乾燥した環境を好み、葉裏に付くので、水やりとは別に霧吹きで葉っぱに水を与えて予防してください。カイガラムシは、薬剤が効きづらいので、歯ブラシなどで擦り落とします。
ポリシャスは剪定が必要?どのタイミングで枝を切るの?
毎日すくすくと育ち、大きくなるのは喜ばしいですが、お部屋の中で育てていれば「あまり大きくなってほしくない」と思う方もいると思います。その場合は剪定が必要です。5~6月頃に剪定を行いましょう。
ここでの剪定の目的は「大きさを整える」「見栄えを整える(いらない枝を切る)」の2つです。大きさを整える剪定は、育て始めの大きさに戻すように枝を切ることから「切り戻し剪定」などとも呼ばれます。
一年間で伸びたぶんを切るといったぐあいに、好みの大きさになるよう枝の長さを調整していきましょう。5〜6月は植物自体の生長が盛んで、切った傷もすぐに回復しれくれます。安心して剪定してくださいね。
見栄えを整える場合は、「幹から出る細かい芽」「交差している枝」「枯れている枝」などは剪定が必要です。枝の途中か根元から切りましょう。また、黄色くなった葉っぱがあれば、取り除いてください。
ポリシャスの植え替え方法は?時期はいつ?
ポリシャスは生育旺盛なので、1~2年毎に、一回り大きな鉢に植えると生育がよくなりますよ。時期は剪定と同じく5~6月が適しています。大きくしたくない場合も植え替えをしましょう。
植え替えに必要な準備や手順は、以下を確認してください。
■ 必要なグッズ
- 植え替える植物
- 今よりも一回り大きな鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石や軽石
- 観葉植物用の培養土
- ハサミ
- 支柱(背丈が1m以上の場合)
- 細い棒
- ゴム手袋や軍手
- ビニールシートや新聞紙
■ 植え替えの手順
- 水やりを控えて土を乾燥させる
- 土が白っぽく乾燥したら鉢から苗を抜き取る
- 根についた土を手でほぐして落とす
- 根の先端が傷んだり、黒ずんだりしていればハサミで切り落とす
- 葉が茂っていれば数枚取り除く
- 鉢に鉢底ネット、軽石を敷き、観葉植物用培養土を1/3〜1/2ほどまで入れる
- 苗を鉢の中心に仮置きし、生え際が鉢の縁から3〜4cm下にくるよう高さを調整する
- 棒でつつきながら、根の隙間までしっかりと土を入れて固定する
- 支柱を挿して枝とヒモで結ぶ(背丈が高い植物のみ)
- たっぷりと水やりをする
大きく育てたくない場合は、今の鉢をそのまま使っても大丈夫です。4.の根を切り落とす作業で、根全体を半分程度に切りそろえましょう。こうすると切り戻しで減った葉とのバランスがよくなります。
ポリシャスは増やせる?挿し木での増やし方とは?
ポリシャスは剪定で切った枝をそのまま使って、挿し木(さしき)という方法で数を増やせます。剪定で切った流れでそのまま挿し木にも挑戦してみてはいかがでしょうか。特に6月頃がおすすめです。
挿し木とは、切った枝をそのまま土に挿して、切断面から根を生やし、木へと生長させる繁殖方法です。ほかの植物でも使えるので、覚えると応用がききますよ。
■ 手順
- 10~15cmほど枝を切る
- 枝の真ん中より切り口側にある葉っぱは全て取り除く
- 植え替えと同じ様に鉢の準備をする。土は挿し木用の培養土を使う
- 土に割りばしなどで穴をあける
- 枝を半分ほど挿す
- たっぷりと水やりをする
- 土が乾かないよう日陰で管理する
- 2~3週間で新しい芽が出る
- 4~6週間後に根が十分生えたら一回り大きな鉢に植え替える
ポリシャスは育てやすいので初心者でも安心
ポリシャスは耐寒温度が10度ではあるものの、丈夫で環境への適応能力も高い優秀な観葉植物です。品種によって見た目も豊富なので、室内の雰囲気に合わせて飾って楽しめますよ。
日々の手入れに慣れてきたら、増やしてみたり、別の育て方に挑戦してみたりしてさらにポリシャスのある生活を楽しんでみるのも面白そうですね。
更新日: 2017年01月19日
初回公開日: 2016年07月14日